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RTX3050の存在価値を考える
RTXシリーズのローエンドといえばRTX3050ですよね。コスパが良いと言われる廉価版ですが、実際の評価は微妙なようです。
先日、遅ればせながらRTX3050を購入したので、GTX1660シリーズとの比較しながら体感を交えて存在価値を考えてみました。
そもそも矛盾が多いRTX3050
RTX3050シリーズがリリースされたのは2022年1月末のこと。RTXシリーズとしては最も遅く、当初は廉価版のコスパモデルとして話題になりました。
しかし、時間がたつにつれ、その存在価値が疑問視されています。なぜならRTXシリーズはハイエンド向けの機能であるレイトレーシングが特徴であり、肝心のレイトレーシングを動かすには力不足だからです。
また、レイトレーシングが要らないという層向けにはGTX1660シリーズが用意されています。
GTX1660シリーズの発売時期は2019年であり、フルHD環境であればRTX3050と大差ない性能を持っていますよね。下記は、RTX3050とGTX1660シリーズの比較です。
PASSMARKスコア
GeForce RTX3050:12700~12800前後
GeForce GTX1660Ti:12800前後
GeForce GTX1660SUPER:12800前後
GeForce GTX1650SUPER:10000前後
このようにフルHD環境で比較するとGTX1660の上位勢とほとんど差がありません。
一方で価格はしっかりと差があります。
GeForce RTX3050:35000円前後
GeForce GTX1660Ti:34000円前後
GeForce GTX1660SUPER:28000前後
GeForce GTX1650SUPER:24000円前後
価格性能比から考えると、レイトレーシングが要らないのであればGTX1660シリーズを購入しますよね。性能的にもう少し妥協できそうならば1650SUPERでも問題ないでしょう。
このように価格性能比でいうとRTX3050は非常に微妙な位置にいて、発売時期の遅さも相まってどの層を狙った製品なのかがはっきりしないのです。
ローエンド帯と比較しても微妙である
それならば「内蔵GPUの代わり」であるもっと下のグレードと比較してみようと思い、調べてみました。
例えばGT1030に代表されるような「とりあえず映れば良い」といったGPUですね。これらは小さいながらも一定の需要があります。
しかし、ローエンド層はロープロファイルや1万円台の低価格が売りであり、RTX3050の用途とはいまいちフィットしません。
また、消費電力もTDP130Wで補助電源が必要なRTX3050では勝負になりませんね。この層はTDP100W未満で補助電源無しが標準ですから。
ということで「とりあえず映れば良い」という層に対しても訴求力が弱いことがわかります。
実際に使ってみるとそれほど悪くないが?
先日中古でRTX3050を購入し、GTX1660SUPERと同じ環境に投入してみました。ある程度はわかっていたつもりですが、想像以上に何も変わりません。
しかし数値上の消費電力は上がっている(GTX1660SUPERはTDP125W)はずなので、「使用感は変わらず、電気代だけが上がる」という結果になりそうなのかなと。
厳密に電気代を計算したわけではないのですが、計算上はそうなってしまいます。これでは購入した意味がないので、レイトレーシングをonに。
しかし、レイトレーシングを常時動かすにはややスペックが足りず、正直なところGTX1660SUPERでフレームレートを稼いだほうが快適でしたね。
私が思うに、RTX3050はあと2年早く出すべき製品だったのだと思います。あと2年早ければ、「レイトレーシングを試してみたい」という層がいましたから。
GTXシリーズが行き渡ってしまった今では、残念ながらあまり買う意味がないGPUなのかもしれません。私ならGTX1660SUPERか、RTX3060以上を狙いますね。
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