2020年 1月 の投稿一覧

メール受信の通知をリアルタイムで受け取る方法

携帯電話のキャリアメールはリアルタイム受信が可能ですが、パソコン向けの一般的なメールサービスはその都度受信操作が必要です。

プライベート・ビジネス問わず急ぎの要件のメールを受け取りたいシーンは多くあり、事前にしっかり設定しておけばほぼリアルタイムに近い運用をすることが可能です。そこで今回はメール受信の通知をリアルタイムで受け取る方法についてご紹介します。

自動受信を機能があるメールクライアントを選ぶ

OutlookやThunderbirdといった有名どころのメールクライアントソフトウェアは一定間隔で自動受信を繰り返す機能があるものの、初期状態では無効になっています。

メールクライアントソフトウェアを起動中は未設定のままでも自動受信と通知を行ってくれますが、OS起動直後などソフトウェア本体を立ち上げていない時にメールの受信を知るには事前の設定は必須です。設定すると新規メール受信を確信するソフトウェアがスタートアップに登録されるため、ウイルス対策ソフトウェアなどで警告されても許可しましょう。

受信通知は5分程度のアクセス頻度が理想的

自動受信させる間隔は分単位で指定できますが、過度に短く設定するとメールサーバーに負荷がかかり回線が遅い環境では失敗する原因になります。

よほどのことがない限り5分ほどの間隔で自動チェックするように設定します。メールサーバーを自分で構築しているケースや、レンタルサーバーで直接運営しているならサーバーの負荷を直接確認しながら最適な設定を見つけることが可能です。

マルチデバイスへ設定するならGmailへメールアドレスを追加する

メールクライアントソフトウェアを使えばある程度リアルタイムでメール受信を知ることが可能ですが、ユーザーがパソコンから離れてしまうと意味がありません。

外出時などもメール受信を知るにはGoogleが提供するGmailサービスを活用することで解決できます。Gmailには他のメールアカウントを設定し、メールクライアントとして機能させることができるため、受信を知りたいメールを事前に設定しておけばスマホなどから通知を受け取れます。

但しGmailでの受信通知はメールの使用頻度によって自動変化するという問題があり、普段ほとんどメールが来ない場合は受信チェックの間隔も長くなり通知を受け取るまでのタイムラグが長くなってしまう点には注意です。

Exchange ActiveSyncは普及が進んでいない

Microsoftはリアルタイムでメールやスケジュールを様々なデバイスでやり取りするためのプロトコルです。Outlook.comなど一部のWEBサービスでは採用されている以外には普及の兆しがなく、従来のPOPやIMAPが主流のままです。

クライアントOSの対応は進んだものの、Exchange ActiveSyncを採用したサービスが少なく今後も採用サービスが増えることはなさそうです。

まとめ

メールをリアルタイムで受け取るにはメールクライアントソフトウェアとGmailを活用する方法がありますが、どちらも万能とは言えず利用シーンに合わせた使い分けが求められます。

パソコンの前にいることが多いならメールクライアントソフトウェアで常に受信チェックさせる方法がベストですが、離席している時間が長いならスマホで通知を受け取れるGmail連携がお勧めです。

NTTから提供開始される10Gbpsネット回線サービスについて

日本国内の10Gbps回線ネットサービスは2015年からエリア限定でスタートしていますが、トップシェアを誇るNTTは未提供でした。

しかし2020年からはNTTも10Gbpsネット回線サービスをスタートすることが発表され注目されています。そこで今回はNTTから提供開始される10Gbpsネット回線サービスについてご紹介します。

東京23区からスタートし順次拡大

NTT東日本は東京23区から10Gbps回線ネットサービス提供が始まり2020年4月から順次拡大していきます。NTT西日本も同時期にスタートし、大阪を中心に順次拡大すると推測されます。

過疎地や人口密集地から離れたエリアはSo-netとKDDIも未だサービス提供できていない点を踏まえると、トップシェアのNTTがどこまでエリアを広げられるのかが今後の覇権を左右すると見て間違いなさそうです。

10Gbps以外のプランはない模様

So-netは10Gbps以外にも6Gbpsや2Gbpsを提供しており、まずは2Gbpsエリアを広げながら6Gbps・10Gbpsに順次対応する方法をとっています。一方、NTTは10Gbpsサービスだけの発表しかなく他のエリアでは従来の1Gbpsサービスのみとなるようです。

その代わりにOCN光など他事業者との光コラボレーション向けにも10Gbpsサービスは提供されるため、サービス提供エリアならNTTへ乗り換える必要なく10Gbpsへ変更できる可能性が高くなっています。

NGN網の混雑問題が10Gbpsサービスで解決するかは不明

現在IPv4のPPPoE接続で問題となっているNGN網の混雑はネット回線の速度低下を引き起こしており、IPoE接続などNGN網を使わない接続方法が普及するきっかけになりました。

仮に10Gbpsサービスの提供エリアだとしても、NGN網がこれまでと同様に混雑していれば競合他社よりも低速になる可能性が高くNTTならではの優位性は低くなります。

集合住宅の場合は対応エリアでも開通できないケースもあり

戸建て住宅の場合は直接光ファイバーの引き込みが可能ですが、集合住宅の場合は様々な配線方式があり10Gbpsサービスに対応するために大幅な工事が必要になるケースがあります。

工事費用はNTTが全額負担する回線方式、家主とNTTで折半する回線方式がある上に10Gbpsサービスの契約者数で工事内容も変わる関係で入居者の一定数が契約しなければならない等ハードルは高くなっています。

まとめ

いち早く10Gbpsネット回線サービスを開始したSo-net、2018年に後追いすることになったKDDI、そして多くのユーザーを抱えるNTTの参入によりエリアの拡大など業界全体の活性化が期待できます。

そして2社独占体制が崩れるという点では価格競争による低価格化も期待できるため、月額費用が原因で導入を控えているならもうしばらく動向を注視するべきと言えます。

>> オンラインゲーマーなら欲しい10Gbps対応のネット回線サービスが普及の兆し



Western Digital RedブランドのSSDについて

一般用途向けにBlueブランドのSDDを展開していたWestern DigitalからNAS向け「Red」ブランドのSSDが新発売されました。

最近ではNASに従来のHDDではなく、SSDを採用し超高速アクセスを可能にする使い方が広まったことから、ゲーミングユーザーはもちろん動画編集などクリエイターなどをターゲットにRedブランドでのSSDをリリースしたようです。

そこで今回はWestern Digital RedブランドのSSDについてご紹介します。

アクセス速度のスペックはほぼBlueブランドと同じ

Redブランドは信頼性と耐久性の高さが売りであり、アクセス速度に関してはBlueブランドとほぼ同じです。

500GBなど低容量モデルではわずかにランダム書き込み性能の向上がみられますが、体感できるほどの差はありません。もし耐久性とアクセス速度の両方を重視するならストライピングなどRaid構成を検討しましょう。

製品保証期間もBlueブランドと同じだがTBWは向上

HDDではBlueブランドとRedブランドで製品保証期間が異なりますが、SSDに関しては両ブランド共に5年間となっています。しかし、TBWは大きく向上しており信頼性・耐久性の高さが現れています。

Blueブランドでも500GBモデルは200TBWと十分なスペックですが、Redブランドの同容量なら350BTWと1.75倍の差があります。

TBW重視なら2TBか4TBモデルがおすすめ

RedブランドのSSDは読み書き可能回数の指標となるTBWが強化されており、より大容量のモデルほどTBWも大きくなります。

500GBモデルではBlueブランドと比べて1.75倍でしたが、2TBでは2.6倍の1300BTW、4TBでは4.1倍の2500BTWとなっています。ベビーゲーマーでも2500BTWの読み書きをするには膨大な時間を要するため、安心して酷使する上でもBlueブランドよりもRedブランドのSSDが優位です。

Blueブランドとの価格差は約1.3倍

耐久性と信頼性で優秀なRedブランドと一般向けのBlueブランドとの価格差は約1.3倍です。読み書き速度と保証期間は同じであることを考えると、純粋にどこまでTBWを重視するかがブランド選びのポイントとなります。

それにはもちろん故障時の入れ替え作業にかける時間や、故障して使えない期間の損失も含まれ、業務用ストレージとして採用するならば1.3倍の価格差でTBWが倍の製品を購入できるなら安い買い物と見ることもできます。

まとめ

NAS用途のSSDの場合は一度Raid構成を組んでしまうと後からSSDを交換する過程でデータ消去が必要となりやすく、手間と価格差を考えてもRedブランドの方が安心できると選択と言えます。

しかしRaid構成を組まないシングルストレージなら、TBWによる優位性は薄く使用頻度によってはBlueブランドの方がトータルでお得になるケースもあり、Western Digital RedブランドのSSDはまさにヘビーユーザー向きのSSDと言えるのではないでしょうか。

最近G-TuneではWestern Digital製のSSDを搭載していることが多いようです。「SSDの選び方!G-Tuneで選べるメーカーと容量からおすすめ品を選定」の記事も参考にして下さい。

CPUとGPUの得意なこと、不得意なこと

最近はCPUもGPUも高性能化の一途をたどっており、どちらも複数のコアを持っていることから、その違いがよくわからないという方が多いようです。

私も両者がここまで似た構造になるとは思っておらず、「そういえば明確な違いとはなんだろう?」と考えさせられました。

そこで今回は、CPUとGPUの明確な違いについて解説したいと思います。

CPU=難敵を少数相手にする

CPUとGPUの大きな違いは「処理すべき対象の性質」と「同時並行の数」です。簡単に言うと、CPUは少数の難敵を相手にする強者、と言うイメージですね。

2020年時点でCPUのコア数は最大16~28程度ですが、GPUは実に4000~5000個です。このコア数=ゲームで言うところの味方の数、と考えれば違いがはっきりイメージできるのではないでしょうか。

CPUは「少数精鋭パーティ」なのです。CPUは、分岐予測機構や、スーパースカラ(命令処理の実行回路を複数持ち、複数の命令処理を同時実行する仕組み)や、Out of order実行(機械語プログラム中の命令の並び順ではなく、データなどの依存関係から処理可能な命令を判断し、そのつど開始・実行・完了させる機構)などを搭載しています。

このように複雑な命令発行、処理の仕組みを持つために、難解なプログラムでも高速に処理できることが強みです。

GPU=倒しやすい敵を複数同時に相手にする

一方GPUは、同じ内容の比較的簡単な処理を、数千単位で同時に実行できます。したがって、条件分岐の少ない簡単なプログラムを短時間で効率よく処理するには、GPUが適しています。

しかし、条件分岐が複雑になればなるほど処理速度は落ちていき、CPUに比べて10分の1以下にまで落ちてしまうのです。

また、1サイクルにかかる時間もCPUのほうがGPUより数倍早いため、実際にはCPU側よりも数十倍遅いことになります。

画像処理のように膨大なデータを一定の規則に従って大量に処理するのは、GPUの得意技です。一方、少しでも難敵が現れると途端に弱くなってしまうのがGPUともいえます。

GPUはループ処理が得意、CPUは条件分岐が得意

ここまでの内容をもう少し違う言い方で述べると、GPUは単純かつ膨大なループ処理が得意である一方、CPUは「もし~ならば」といった条件分岐処理が得意だといえます。

これが「GPUはforの回路」「CPUはif elseの回路」と言われる所以です。ゲームのグラフィック処理は、結果がはっきりした単純な処理を膨大にこなすため、短時間で簡単なループ処理を同時に実行できるGPUのほうが適しています。

しかし、10年ほど前にはGPUよりもCPUの負荷のほうが高いタイトルなどもあり、ゲームの作り方によってどちらが優位かは、まちまちです。

最近のゲームであれば、GPU性能が重視されるため、CPUよりもGPUにお金をかけるべきです。CPUは極論をいえば「GPUの足を引っ張らない範囲なら何でもよい」というレベルかもしれません。

CPUとGPUの特徴や違い、理解していただけたでしょうか?