ゲーミング仕様なメカニカルキーボードといえば、「黒・茶・青・赤」の4軸が有名ですよね。しかし、最近ではこの4つに属しない独自仕様のキーボードが徐々に増えています。
私もいくつか使いましたが、どれもなかなかの出来栄えで、「メカニカルといえば4軸」の時代は終わりなのかと感じました。そこで、4軸以外の独自仕様な”軸”をまとめて紹介します。
キーボードメーカーの独自軸
2020年時点で、Cherry社の製造する黒・茶・青・赤といった「主要4軸」以外の軸として、次のようなものがあります。
Romer-G
ロジクールがオムロンと共同開発した独自軸で、メカニカルとメンブレンの中間的な感触が特徴で、Cherry社製に例えると赤軸が近い。押下1.5mmで反応する高速さと、7000万回の打鍵に耐える高い耐久性が持ち味。
2020年時点では、「タクタイル(旧Romer-G)」と「リニア(新Romer-G)」の2種に分類される。リニアはタクタイルよりも軽さと滑らかさを重視した軸。
RAZER「グリーン」「オレンジ」「イエロー」
クリック感が売りのグリーン、平均的なオレンジ、作動点の浅さが魅力のイエローという独自の3軸を採用。公式サイトでは8000万回の打鍵寿命を持つとされています。
QXシリーズ(SteelSeries社製)
SteelSeries社製の独自軸で、「QX1・QX2・QS1・OmniPoint」の4種類がラインナップされている。
QX1 | 押下2mmで反応、打鍵寿命は約5000万回 |
QX2 | 同上 |
QS1 | 押下1.5mmで反応、打鍵寿命は約6000万回 |
OmniPoint | 押下0.4~3.6mmで反応を調整可能、打鍵寿命は約1億回 |
OmniPointは、反応する接点の深さを調節可能な完全独自仕様の軸で、耐久性・応用性ともに非常に高いが高価である。
その他、独自仕様軸
中国メーカーなどが大手をまねて製造した軸がいくつか存在するものの、ほぼ独自性はない。
この中で特に注目すべきは、「Romer-G」と「SteelSeries社製のOmniPoint」だと思います。
Romer-Gは、「メカニカルへの橋渡し的な存在」と言えるでしょう。メンブレンやパンタグラフからの移行組、もしくはゲーミングキーボード自体が初めてという方におすすめです。
クリック感こそないものの、打鍵間は軽めでメカニカルの利点(疲れにくい、打ちやすい)を感じやすい軸だと思います。
また、SteelSeries社製のOmniPointは、東プレのリアルフォース並みに高価なキーボードに良く採用されている軸です。
特許を取得した「アジャスタブル・アクチュエーション・スイッチ」の採用で、どんな人にもジャストフィットする調整が可能という触れ込みが印象的ですね。
磁気センサーを採用したアクチュエーターが、反応域を可変とした独自軸を支えているようです。東プレの「静電容量無接点方式」と同じく、軸と基盤が物理的に接触しないため、圧倒的な耐久性を備えている点も見逃せません。
キーボードは「カタログスペック」だけで買うべからず
キーボードは高いから良いわけではなく、自分の手に合うかが最も大切です。
そもそも手の大きさ、指の長さ、手首の柔軟性などは個々人で異なります。高価なキーボードは疲れにくく、高速タイピングしやすい傾向にあるものの、「メカニカルよりメンブレンのほうが合う」という方も少なくありません。
まずはネットで情報収集を行い、その後にBTOメーカーなどの展示品で確かめつつ、慎重に購入することをおすすめします。