2023年 3月 の投稿一覧

高品質キーキャップ「GMK」の強み

ゲーミングキーボードを使うようになると、段々気になってくるのが「キーキャップ」の質です。

常に触れている部分だけに、キーキャップが劣化するとプレイ品質の低下につながってくるからです。

今回紹介するのはキーキャップ界隈で高い評価を受けている「GMK」です。一体どのような点が評価されているのでしょうか。

キーキャップの老舗「GMK」とは

GMKとはドイツの電子機器製造メーカー「GMK electronic design GmbH」が製造しているキーキャップの総称ですね。

キーボードを自作もしくはカスタムする人の間では、非常に有名なメーカーのひとつ。特にGMKは発色や樹脂の成型精度が高く、キータッチのフィーリングが良くなることで有名です。

GMKは日本であまり見かけませんが、海外の通販サイトなどでは普通に売られているようですね。私は知人から譲ってもらったものを使っていたのですが、確かに普通のキーキャップよりも使いやすかったです。

何より驚いたのが印字が非常に綺麗だということ。おそらく文字の発色が良いからだと思うですが、「キーキャップなんてどれも大差ないだろう」と思っていた私ですら違いが判りました。

以下は、GMKの特徴です。

  • 文字とそれ以外の部分を別々に作る「二色成型キー(ダブルショット)」による美麗な印字
  • キースイッチで有名なCherry社のオリジナル金型を使用している唯一のキーキャップ
  • 滑らかかつしっかりとした打鍵感

GMKのキーキャップはどちらかといえばシンプルなデザインが多いのですが、触ってみるとすぐ特別さに気が付きます。

言葉にするのがちょっと難しいのですが、キースイッチがそれなり(廉価な互換スイッチなど)でも、高級感が出てしまうのがGMKのすごいところ。

個人的には、マット使用のキーキャップが好みでした。知人に触らせてもらったのですが、手になじむ感じで滑りもなく、なおかつ打鍵感もしっかりしていたからです。

GMKキーキャップの弱点

しかし、これだけよくできたキーキャップにも、以下のようにいくつかの弱点があります。

  • 納期がとにかく長い(1~2年)
  • 日本国内での入手難度が高い
  • ABS特有の耐久性の低さ(テカりが出やすい)
  • 高価格

知人曰く「とにかく高くて、そのわりに耐久性は普通」とのこと。海外通販に抵抗がなければ入手はできるでしょうが、今の為替状況から考えるとお得とは言えません。

ざっくりとした相場観ですが、キーキャップ1個あたり1ドル程度なので、日本円で135円くらいします。これが130~140個ですから、18000円~2万円程度は覚悟しなくてはなりません。

念のために言っておくと「キーキャップのみ」の価格です。2万円だせばそこそこのゲーミングキーボードが買えてしまうので、投資に見合ったリターンが得られるかと言われると微妙ですね……。

あと、実際に購入した知人の話では「初期不良の交換に応じてもらえない」とのこと。また、近年は個人向け製品のクオリティが少し落ちているようで、運が悪いとキーの歪みもあるのだとか。

それでもキーボードを突き詰めるならGMK

このように結構なデメリットもあるGMKですが、それでも愛好家は長い納期に負けずに、せっせとGMKのキーキャップを注文するようです。

やはりキーキャップ自体の発色や印字の綺麗さ、独特のタッチフィーリングに惚れこんでしまうのだとか。私はまだ購入したことがありませんが、もしキーボードをカスタムすることがあれば、検討してみたいと思います。

キーキャップ交換は、自分の手に馴染みさえすれば非常に満足度が高いカスタムですので、ぜひチャレンジしてみてください。

「PCのネジが古くて回らない」を解決する方法

PCにはたくさんのネジが使われていますが、結構な確率で「ネジ山」を潰してしまう方がいます。

私も自作PCをはじめて間もないころ、ネジ山をドライバーで舐めて潰してしまい、ネジが回らなくなりました。

またネジが単純に古くなって回らないことも。こうしたネジ関係のトラブルを解決する方法をご紹介します。

ネジの問題を解決する方法

まず、スタンダードな方法ですが以下を試してみてください。

・ドライヤーなどでネジを温めてから回す
・ネジ穴周辺に潤滑剤などをスプレーし、浸透させてから回す
・ネジの頭の部分をドライバーの取ってなどで数回たたいてから回す

これらはPCに限らずDIYの基本的なテクニックです。ネジは古くなってくると固着やサビで動きが悪くなるので、加熱・潤滑・振動などで解決することがあります。

しかし、これらを試しても駄目な場合も多く、正解が決まっていないのがネジのトラブルの難しいところ。

ゴムによる対策も成功するとは限らない

これ以外にも「輪ゴムをネジ山にかぶせて、その上からドライバーで回す」という方法があります。

これはネジ山が減っているときに特に有効ですね。ネジ山が減っていて、ドライバーにうまく密着していないと回転させられません。

そこでゴムを間に挟み、ネジとドライバーの密着度を上げてから回転させるという方法です。ただし、これもネジ山が大きく減っていると失敗することがあります。

特に最近のPCに使われている手で回転させるタイプのネジは、ネジ山にマイナスドライバー用の溝が一本大きく切ってあるだけですよね。

この溝にゴムを埋めてしまうと、ドライバーがうまくはまらず、ゴムだけがグズグズになってしまうことも。実際私も何度か失敗しました。

ネジの問題を解決する2大ツール

ということで、前述の4つの方法よりも効果的な解決方法として、2つのツールを紹介します。

ネジザウルス

ネジを回すために作られた専用のペンチが「ネジザウルス」です。結構有名なツールなのでご存じの方も多いと思います。

ネジザウルスを使うと、ネジの頭をネジザウルスで挟み、そのまま回転させることができます。ネジ山がつぶれたときに物凄く便利です。

しかしネジザウルスには欠点があります。それは「ペンチ本体が邪魔になって、狭い場所や奥まった場所にあるネジが回せない」という点です。

PCは結構狭い場所にネジが使われていたりするので、ネジザウルスで作業するスペースが無いこともあるんですよね。こういう場合は、やはりロングドライバーで何とかしなくてはなりません。

ドライバーを使うなら「スクリューグラブ」

個人的にネジ関連のツールで最強だと思うのが「スクリューグラブ」です。スクリューグラブは液体状のネジ回しで、自動車整備などにも使われています。

使い方は簡単で、ネジ山部分にスクリューグラブを一滴たらし、そのままドライバーで回転させるだけ。

スクリューグラブは摩擦係数を最大化する液体なので、ネジ山とドライバーのズレを解消して力をしっかり伝達してくれます。

緑色で鉄粉が混ざったような液体なのですが、ゴムとは違ってネジ山を埋めてしまわないので、PCに使われている特殊なネジでも対応可能です。

「すべり」をなくしてくれるので、手回し式のネジにも使えますよ。ネジに液体を塗り付け、ペーパーウェスなどで包んで回転させると、ネジが回しやすくなります。(ゴム手袋着用は必須です)

ネジのトラブル回避でパーツ脱着もスムーズに

個人的な経験から言えば、PCのパーツ脱着で最も時間がかかるのがネジ関連の作業です。

PCのネジは、山が潰れやすかったり形状が特殊だったりと、トラブルが起こりやすい印象を持っています。なので、ネジ対策のツールを持っているとかなり安心です。

特にスクリューグラブはホームセンターやAmazonでも800円程度で購入可能ですから、ぜひ活用してみてください。

今後は簡易水冷がスタンダードに?空冷に未来はあるのか

RTX4090が登場し、性能もさることながら「巨大さ」が話題になっています。なんと前世代のハイエンドであったRTX3090比で、体積が1.5倍以上にもなっているからです。

今後、この傾向が続けば、空冷では冷却が追い付かずに簡易水冷が必須になるのかもしれません。果たして空冷は絶滅をまぬがれるのでしょうか。

RTX4090は空冷で冷却できるのか?

2022年10月に発売された「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4090 Trinity OC」のカード寸法を見て驚いた方も多いと思います。

私は性能よりもまず、その大きさに目を奪われました。カード寸法は、356.1mm (L)x 150.1mm(W) x 71.4(H) mmとなっていて、長さ35センチを突破。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3090 Trinityの寸法が約317.8×120.7×58mmであったため、長さは約4センチも増大しています。

体積ベースでいうと、3090比の約1.7倍。この巨大な熱源には3連ファンが装着されているものの、ファンから排出された熱気を空冷で流し続けるのは厳しいと感じます。

そこでピンときたのが簡易水冷の存在。RTX40シリーズからは、本格的に簡易水冷が王道になっていくのかもしれないと感じました。

なぜなら、RTX4090の簡易水冷モデルを見ると、空冷モデルに比べてかなりコンパクトになっているからです。

GIGABYTEから出ているRTX 4090 搭載 簡易水冷グラフィックボード「GV-N4090AORUSX W-24GD」のカード寸法は、238 x 141 x 40 mm。前述の空冷モデルと比較すると…

・RTX4090空冷(3連ファン)…356.1mm (L)x 150.1mm(W) x 71.4(H) mm
・RTX4090簡易水冷…238mm(L) x 141mm(W) x 40 mm(H)

幅以外はかなり数値が小さくなっていますよね。長さは12センチ、高さは3センチも小さくなっています。これならばちょっと大きめのミドルレンジグラボです。

要は、消費電力と発熱の増加によって、空冷グラボに占めるファンの体積が大きくなりすぎているわけですね。また、空冷で排出された熱を処理するためには、PCケースにも相応の冷却能力が求められます。

しかし、この巨大な熱源を冷やすだけの能力が、果たして今のPCケースに備わっているかと言われれば疑問が残ります。

グラボが巨大になるほど存在感を増す簡易水冷

4090に限ったことではないのですが、グラボが巨大になるほど簡易水冷はメリットが大きくなると思います。

まず、グラボ本体の半分以上を占める巨大なファンが無くなることで、スペース的な余剰が生まれますよね。長さが10センチ以上も変われば、PCケースの大きさはミドルタワーからmicro ATXサイズに落とすことができます。

簡易水冷もラジエーターファンの設置場所が必要ですが、これは向きを変えられますし、最近のPCケースはラジエーターファンの設置場所もしっかり確保しています。

逆に空冷を前提に考えると、巨大なグラボを設置するためだけに巨大なPCケースを買わねばなりません。また、前面に大型ファンは2基以上、かつ底面と天板にも15センチファンが欲しいですね。

PCIeスロット部分にまで強力なエアフローを発生させるには、PCケース前面のファンからしっかりと勢いのある風が当てる必要があります。つまり、全体的にかなり騒音が出るでしょうね。

そして何といっても、4スロット占有という非常に非効率な空冷ファンの大きさが頭を悩ませます。4スロット占有となれば、PCIeスロット部分はすべてグラボだけで埋まりますし、ファンとサイドパネルのクリアランスもかなり厳しくなってきますよね。

エアフローはスペースが確保できないと効率が落ちますから、4スロット占有の空冷モデルを冷やすのはますます難しくなります。

個人的な予想ですが、RTX50シリーズや60シリーズが登場するころには、ハイエンドグラボ搭載のゲーミングPCは簡易水冷が前提になるのかもしれません。

また、空冷はミドルレンジ以下専用の冷却システムに落ち着つくのかもしれないですね。