2021年 6月 の投稿一覧

オフラインでも自動的にローカルIPが割り当てられるAPIPA

ルーターの不調やトラブル時に意図しないローカルIPが割り当てられ、他の機器と通信できてもインターネットには繋がらないなど初心者泣かせな状況に陥るケースがあります。

ネットワークの仕組みにたけているユーザーなら割り当てられたIPを手動で再設定するなど適切な対処が可能ですが、多くのユーザーはIPが割り当てられた=ネットワークが使えると勘違いしてしまうことが原因です。そこで今回はオフラインでも自動的にローカルIPが割り当てられるAPIPAについてご紹介します。

169.254.~で始まるIPがAPIPA

IPを自動取得に設定しているパソコンにルーターからIPが割り当てられなくなった際、Windows側でAPIPA機能が作動し169.254.~で始まるランダムなIPが割り当てられます。

IPが割り当てられることでローカルネットワークの機器同士が通信可能になるというのがAPIPAの存在理由ですが、それ以上のことができないという大きなデメリットを抱えることになります。

ちなみに一般的なルーターでは192.168.~で始まるIPが割り当てられ、APIPA が割り当てる169.254.~で始まるIPはローカルリンクアドレスと呼ばれます。

APIPAで割り当てられたIPではグローバルIPが扱えずインターネット接続不可

IPが強制的に割り当てられることでローカルネットワーク間の通信が可能になるAPIPAですが、グローバルIPが扱えないという大きな欠点があります。グローバルIPが扱えなければインターネットに繋がることができず、改善するにはIPアドレスの更新が不可欠です。

しかし、一般的なルーターのIP割り当て機能であるDHCPとパソコンがスムーズに連動しない場合はIPの利用体系をユーザーが理解し、手動でIP設定を行う必要が出てくるため難易度は高くなりがちです。

不要なトラブルを避けるためAPIPAの無効化や事前にIP固定化がおすすめ

一度APIPAでパソコンにIPが割り当てられるとIPの更新が反映されにくく、トラブルになる確率が上がります。そこでAPIPAを無効化し、不要なIPが割り当てられないようにする方法が有効です。

無効化にはレジストリの手動追加による方法しかありませんが、既存のレジストリを編集するわけではないため失敗のリスクはやや低い作業です。

一度無効化できればOSを初期化するまでAPIPAは発動しません。他にもIPを固定設定し、そもそもAPIPAを発動させない方法も効果的且つ設定も簡単です。

まとめ

APIPAによる効果は限定的で、逆にトラブルを招きやすい機能でもあります。事実、APIPAはWindows OSに古くから存在する機能で多くのユーザーを困らせてきた定番ともいえます。

一度トラブルが起きると改善に手間も時間もかかるため、そうなる前にAPIPAの無効化やルーターから自動割り当てされたIPで固定設定するなど予防策を講じることをおすすめします。

2021年5月出荷分からマイニング制限が掛かるRTX30シリーズ

ビットコインの高騰と半導体供給不足がグラフィックボードを直撃し、品不足が慢性化する中グラフィックボードメーカー最大手のNVIDIAがゲーミング向け製品のマイニング制限を新たに発表しました。

現行のRTX30シリーズの内、RTX3060だけはマイニング制限がありましたが他のモデルでも制限が拡大します。そこで今回は2021年5月出荷分からマイニング制限が掛かるRTX30シリーズについてご紹介します。

RTX3080、3070、3060Tiもマイニング性能を制限

RTX30シリーズでは3060だけがマイニング制限を落とし、ゲーミングユーザーへ入手しやすくするというNVIDIAの発表がありましたが、その対象を広げた形になります。

その要因として、ハイエンドである3080をはじめとする全RTX30シリーズに制限が行われることでマイニング専用グラフィックボードへ利用者が移行することが狙いと考えられています。

またRTX3060の場合、マイニング制限を解除する方法が確立されており同様の手口が使えないような対策も盛り込まれています。

Lite Hash Rate(LHR)モデルがマイニング制限製品の総称

2021年5月以降に出荷される製品にはLite Hash Rate(LHR)モデルの表記が加わり、従来の無制限品と区別が出来るようになります。また同じGPUであってもLHRモデルは別なハードウェアとして認識され、マイニング制限を解除可能な旧ドライバを受け付けない仕様になっています。

ゲーミングユーザーなら新・旧どちらの製品を選んでもゲーミングプレイに支障がないため、入手しやすいであろうLHRモデルを選びたくなる一方で中古買い取り相場は旧製品の方が高くなることも既に予想されています。もし定期的にグラフィックボードを入れ替えるなら値崩れしやすい可能性が高いLHRモデルはやや危険とも言えます。

Ethereumのハッシュレートが半減するだけのマイニング制限は無意味との見方も

マイニング制限についてはドライバ側でマイニング特有の動作をグラフィックボードが行った際に性能を落とす仕組みであり、Ethereumという仮想通貨に限定されています。

制限は約半分であり、前RTX20シリーズよりもやや低くなるため新規にRTX30シリーズを購入するよりも中古のRTX20シリーズがお得です。

しかし、他の仮想通貨はこれまで通りの性能でマイニング可能であり、Ethereumに固執しないならRTX30シリーズでも十分すぎるほどのマイニング性能があります。それこそがこのマイニング制限のもろさであり、品不足が解消しない要因の一つにもなっています。

まとめ

先行してマイニング制限を導入したRTX3060も実際には入手困難な状況が続いておりどれほどの効果があるのかは大いに疑問です。更にGPUだけでなくメインメモリの高騰も続いており、品不足に加えて製品価格の上昇も当面は避けられない模様です。

今回のマイニング制限拡大が少しでも効果を出して市場にグラフィックボードが戻ってくることを願わずにいられません。

中古や型落ち品に注意したいMicrosoft Surface

Microsoft Surfaceシリーズは新モデルがリリースされる度に注目される売れ筋パソコンな為、中古品も多く流通しています。家電量販店では新品の型落ち品が購入出来ることも多く、割安なSurfaceを求めて探したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし製品のサポート体制と内容をよく知るとリリースから時間が経ちすぎたSurfaceについて気をつけなければならない点がいくつも存在します。そこで今回は中古や型落ち品に注意したいMicrosoft Surfaceについてご紹介します。

リリースから4年間でサポート打ち切り

Microsoft Surfaceの製品サポートはリリースから4年後に終了します。他のメーカーであれば5~6年ほどはアップデート対応を行うケースも珍しくないことを考えるとかなり短い部類に入ります。

更に日本国内で購入する際は流通事情や入荷数の問題でリリース直後に入手することが難しく、ある程度落ち着き安定供給されるリリースから数ヶ月経過した頃に購入するユーザーが大多数です。その場合、サポート打ち切りまで3年と数ヶ月しかなく、長く付き合える製品とは言えません。

サポート終了後の新しいバージョンのWindows10動作は保証されない

サポートが打ち切られると当然新しいドライバ等が開発されない為、半年ごとに大きなバージョンアップを行うWindows10に対応出来るのか不安が残ります。

仮に致命的な問題が起きてもWindows10のバージョンを戻すしかなく、ハードウェアとソフトウェアメーカーが一緒というメリットがありません。Windows10はバージョンごとにリリースから2年間しかMicrosoftのサポートがないため、Surfaceのサポートが切れて新しいWindows10でトラブルが起きた際は1年半しか延命できないことになります。

製造終了後3年で修理対応も打ち切り

日本国内メーカーであれば行政のガイドラインや指導もあり5~6年間は修理用の部品を保有しているため修理対応可能です。しかし海外メーカーは対象外のため大多数が製造終了後3年で修理対応を打ち切ってしまい、Microsoftも同様です。仮に3年目型落ちのSurfaceを購入し、何らかのトラブルで修理が必要になってもMicrosoftは対応出来ません。

ほぼ全ての構成部品がはんだ付けされているSurfaceは修理が難しく、純正部品も入手出来なければそのまま廃棄せざるを得ないケースもあり、息の短いハードウェアと言えます。

まとめ

Microsoftのライバル企業であるAppleもハードウェアとソフトウェアを自社開発しMacとしてリリースしていますが、ソフトウェアのサポート期間はSurfaceを遙かに凌駕します。それ故に型落ちや中古品も割安ではありませんが、長く安心して使えるというメリットがあります。

その点、Surfaceは型落ちや中古品の値崩れが大きく割安感はあるもののサポートや修理面での不安要素が非常に大きいというデメリットを抱えています。見た目だけの価格に惑わされず、いざという時のことを考えて慎重に製品を選ぶことが大切ではないでしょうか。