2023年 10月 の投稿一覧

湾曲液晶ディスプレイのメリットとデメリット

湾曲液晶ディスプレイはゲーミング用途を中心に広まってきました。私の周囲でも、2年ほど前から湾曲液晶を使い始める人が増えています。

すでに登場から数年が経過していますが、いまひとつメジャーになりきれないのは「メリットとデメリットが良くわからないから」ではないでしょうか。

そこで改めて湾曲液晶ディスプレイのメリットとデメリットを解説します。

湾曲液晶ディスプレイのメリット

まずメリットからです。湾曲液晶ディスプレイは、主にゲーム用途の分野で以下のようなメリットがあります。

没入感向上

湾曲ディスプレイは、画面の端まで人間と均等な距離を保ちやすく、一般的なフラットディスプレイよりも臨場感を高めます。

没入感は、端的に言うと「包まれ感」ともなるわけで、一般的な平面ディスプレイだと画面の端がどうしても遠ざかってしまい、これが臨場感を低下させます。

一方湾曲ならば、画面の端も人間のほうに向いているために、目から遠くなりすぎず「包まれ感」が維持できます。これが没入感と呼ばれるものの正体だと私は考えています。

eスポーツ向き

湾曲ディスプレイは、競技用ゲーム、つまりeスポーツに適しています。たとえば、240Hzのリフレッシュレートや1msの応答時間を持つ湾曲ディスプレイは、高速なアクションに対応し、なおかつ前述のように目からの距離が近いので視認性も高いです。

この特性がプロのゲーマーやeスポーツ競技者に愛用される理由のようです。ただし、個人の感じ方で大きく変わる部分ですので、必ずしもメリットになるとは限りません。

視力への負担軽減

湾曲ディスプレイは、画面の湾曲により、目が端から端に移動する距離が短縮されます。これにより、長時間のゲームプレイ時の目の疲労が軽減されます。

湾曲液晶ディスプレイのデメリット

次にデメリットです。一般的には価格や設置スペースなどがありますが、これ以外にも意外とデメリットがありますね。

価格

湾曲ディスプレイは高価です。例えば、高品質な湾曲ディスプレイは、平坦な競合製品よりも10%から30%以上高い価格で販売されていることがあります。

一方、平面ディスプレイは価格競争が激しいため、同等の性能ならばより安く入手できる可能性が高いですね。もうこれは製造コストの差ともいえるので、割り切るしかなさそうです。

設置スペースの制約

湾曲ディスプレイはその形状から、デスク上のスペースをより多く占有します。特に注意したいのが奥行きですね。幅はそうでもないのですが、奥行きがないと異様に画面と人間が近くなって疲れます。

また、筐体自体も奥行きがあるものが多いので、熱の放出や掃除のことを考えてもデスクスペースは確保する必要があるでしょうね。

一般的な用途での制約

湾曲ディスプレイはゲーミング用途に特化しており、テキストの閲覧や一般的なコンピュータ作業には適していない場合があります。

例えば、Excelのような表計算ソフトウェアを使用する場合、画面の曲線が情報の読み取りの邪魔になり、作業効率が落ちることもあります。

歪みの可能性

湾曲ディスプレイは、一部のコンテンツで歪みが生じる可能性があります。例えば、平面のディスプレイでは正確に表示されているコンテンツが、湾曲ディスプレイではわずかな歪みが生じることがあるようです。

ディスプレイ設定やゲーム設定の調整で解決することもあるようなのですが、ケースバイケースなので統一的な対策が難しいのが実情。私も何度か相談を受けたのですが、妥協するしかない状況もありました。

湾曲液晶も成熟期か?

一時はイロモノ扱いだった湾曲液晶ディスプレイですが、今では家電量販店などでも当たり前のように見るようになりましたね。

個人的には選択肢が増えるのでとても良いことだと思いますが、平面タイプのディスプレイと優劣をつけるような存在ではなく「用途によって切り替えるもの」と考えたほうが良さそうです。

ちなみに、私はゲームや動画鑑賞以外はすべて通常の平面ディスプレイです。なので「画面いっぱいに広がる動画情報」を扱う場合以外は、平面ディスプレイのほうが使いやすいかもしれません。

PCゲーマーも利用できるWindows11の意外な便利機能「Copilot」

Windows10で導入されたおせっかい(?)な機能のひとつ「Cortana(コルタナ)」。使いこなすと実は便利なプライベートアシスタント機能でしたが、これが廃止されるようです。

その代わりに導入されるのが「Copilot」で、こちらはCortana(コルタナ)よりも洗練された機能を活用できる模様。今回はPCゲーマーもお世話になりそうな、Windows11のAIアシスタント「Copilot」について紹介します。

廃止されたCortana(コルタナ)

Windows 11では、かつてWindows 10に存在していた音声アシスタント「Cortana(コルタナ)」が2023年後半以降に終了されることが発表されました。

これまでCortanaはWindowsのスタンドアロンアプリとして、タスク、予定表、電子メールなどのヘルプを提供してきましたが、新しいWindows 11ではその役割が変わりつつあります。

Cortanaに代わる新アシスタント「Copilot」

Cortanaの代替として、Microsoftは「Copilot」を導入しました。CopilotはWindows 11の新しいAIアシスタントであり、「Windows Copilot for Windows 11」がその最新バージョンとして発表されました。

Copilotは、AIによる支援を一元化した初のPCプラットフォームとして位置づけられています。

「Copilot」の便利な使い方

ここでCopilotの便利な使い他を簡単に紹介しておきますね。

Bing Chatとの連携

CopilotはBing Chatとプラグインを連携させ、チャットベースでのコミュニケーションが可能になりました。チャット機能をうまく使いこなすことで、複数のアプリを連動させたり、同時にタスクを進行させたりできるようです。

例えば、遠隔地にいる友人を訪ねたいとき、現地の時間や天気を確認しつつ、電車や飛行機のチケットやホテルの空き状況などをチェックするといった使い方です。

AIによるタスク処理

CopilotはAIによる支援を一元化しており、プロンプト(テキストの命令)を使って様々なWindowsの設定を切り替えたり、アプリやサービスを連携させた操作を行えます。

例えば、作業に集中するために一時的にダークモードに切り替えたり、PDFを読み込んで要約したり、Spotifyの曲を呼び出したり…といったイメージです。

PCゲーマーなら攻略サイトの情報を要約するといった使い方も便利ですね。

動画文字起こしの日本語対応

最も注目しているのがこの機能です。Windows 11では、動画の音声をAIで文字起こしする機能が追加されました。

これまで英語に限定されていた機能ですが、Windows 11では21地域10言語にまで範囲が拡大。日本語もサポートされ、動画音声を日本語のテキストに起こすことができます。

動画をテキストベースで起こすツールとしては、「Youtube Summary」などがありますが、Windowsで標準サポートするのは嬉しいですね。

新機能の拡充

Windows 11には他にも「Glanceable VPN」や「Bluetooth LE Audio」への対応など、様々な新機能が導入されています。

Glanceable VPNではVPNのON/OFFをすぐに切り替えられるため、海外のサイトやサーバーへのアクセスに活用できそうです。

また、Bluetooth LE Audioは高音質で低消費電力なBluetoothオーディオの規格。正直なところWindows PCではそこまで必要ない気がしますが、新機能ということでチェックしておく価値はあるでしょう。

AIアシスタントはこれからが成熟期

AIアシスタントは、今まで「使えるようで使いにくい」ものが多かったのですが、Windows11になって格段にブラッシュアップされた感があります。

MicrosoftもAppleもAmazonも、AIアシスタントの開発は進行しているようですから、本当に使いやすくなるのはこれからなのでしょうね。

身近な小さいタスクを全てAIアシスタントに任せられる日が来るのかもしれません。

自作PCの配線を効率化コルセアの「icue LINK」とは

ケーブル配線は自作PCにおける大きな悩みですよね。PCケースに複数の冷却ファンを装着したり、簡易水冷クーラーを導入したりと、ケーブルが増える要素はいくらでもあります。

こうしたケーブルの悩みを一挙に解決してくれるのがCORSAIR(コルセア)の新システム「iCUELINK」です。今回はケーブルマネジメントの悩みに対応した新しい仕組みを紹介します。

CORSAIR「iCUE LINK」とは?

CORSAIR「iCUE LINK」は、対応デバイスを最小限のケーブルで接続・連結し、専用デバイスで集中管理する仕組みです。

「iCUELINK」システムには現在、以下がラインナップされています。

  • 簡易水冷のCPUクーラー「iCUE LINKHiRGB」シリーズ
  • ケースファンの「iCUE LINKQX」
  • 長さやコネクタの向きが異なる「iCUE LINKケーブル」
  • 最大14台のiCUELINK対応デバイスを接続できる「iCUE LINKシステムハブ」

構造としては、対応CPUクーラーとケースファンをiCUE LINKケーブルでつなぎ、さらに複数のケーブルをiCUELINKシステムハブに接続することでケーブルまわりをすっきりさせるというイメージですね。

また、ファンの電源とLEDが1つのコネクタにまとめられているので、ケーブルの最小化にもつながります。RGB内蔵ファンを多用する際にはかなり有用なアイテムですね。

専用アプリで一括制御も

上記のiCUE LINKデバイスでまとめると、専用アプリ「iCUEアプリ」で水冷ヘッドやファンの回転数、ライティングなどの各種制御が一括で行えるようになります。

ちなみに「Murals機能」を使用すると、ライティングの発光パターンや色も同一のものに揃えられるため、規則正しくおしゃれなライティングも簡単に実現できるようです。

さらにコルセアでは、iCUE LINK対応のマウスやキーボードも発売しており、これらもiCUEアプリのMurals機能で制御可能とのこと。

iCUE LINK対応のマウスやキーボードとしては、以下のようなものがありますね。

  • K70 MAX RGB 磁気メカニカルゲーミングキーボード
  • NIGHTSABRE WIRELESS RGB ゲーミングマウス

コルセアのホームページでゲーミングギアをクリックし、「iCUE」のロゴがついているものが対象のようです。

PCケースファンのRGBとマウスやキーボードの光らせ方を一致させたい……という需要がどれだけあるのかはわかりませんが、一括制御は便利ですよね。

単純に手元が暗いので白色で統一して光らせたい、という場合でも簡単に設定できますし。

ゲーミングギアメーカーが進める「囲い込み戦略」

今回紹介したコルセアのように、自社でブランドや規格を作り、ゲーミングギア全般を連動させることで消費者を囲い込もうという戦略は、最近の流行りのようです。

例えばMSIならば「MEGシリーズ」「MPGシリーズ」「MAGシリーズ」といった具合に、3段階でグレード別のブランドを展開しています。

私はMAGシリーズのマザーボード「MAG B760 TOMAHAWK」を持っているのですが、耐久性重視ということでかなり造りがしっかりしています。

ちなみにMAGシリーズには電源やCPUクーラー、PCケースなどもあり「自作は初めてだがパーツ選びが難しい」という方が、深く悩まずに選べるラインナップとなっているようです。

もし自作PCの経験が浅いのならば、こうしたブランドのシリーズに丸ごと乗っかってしまうのもひとつの手です。同一ブランドで統一することで、相性問題やパーツの組付け精度に関する問題を回避できますから。ぜひ参考にしてみてください。

コア数が少なくてもゲームを快適に動かせるかもしれない設定

ゲーミングPCがちょっと力不足なとき、ついつい新しいPCを購入したくなりますよね。

しかし予算の都合からそうもいかないことがあります。そこで、少ないコア数でも工夫次第でゲームを快適に動かせる方法を紹介します。

プロセスの優先度設定

プロセスの優先度を調整することで、ゲームの実行においてシステムリソースの効果的な活用が可能です。ただし、優先度を変更する際は慎重に行いましょう。以下は具体的な手順です。

1.タスクバーから「タスクマネージャー」を起動: タスクバーの検索ボックスに「task」と入力し、「タスクマネージャー」をクリックします。

2.詳細な設定画面を開く: 表示された画面で、優先度を変更したいプロセスを選択し、右クリックして「詳細な設定」を選択します。

3.優先度の設定: 「詳細」タブが開かれたら、再びプロセスを右クリックして「優先度の設定」を選び、好みの優先度(通常、高、リアルタイムなど)を選択します。

ただし、最も高い優先度を設定するとシステムが不安定になる可能性があるので注意が必要です。

CPUコアの割り当て

2つ目の方法はコアそのものの割り当てです。プロセスの優先度を変化させるのではなく、特定のプロセスにコアを丸ごと割り当ててしまいます。

一般的にマルチコアCPUは特定のプロセスを専任で動かすことがすくないのですが、これを意図的に固定する方法です。

CPUコアをゲームの処理に特化させることで、ゲームの実行効率の向上を狙います。具体的な手順は以下のとおりです。

1.タスクマネージャーでプロセスを選択: 先ほどと同じくタスクマネージャーを開き、詳細な設定画面でプロセスを選択します。

2.プロセスの関係設定を開く: 選択したプロセスに右クリックし、「詳細の設定」を選び、「関係の設定」をクリックします。

3.CPUコアの選択: 表示されたウィンドウで、プロセスが使用するCPUコアを選択します。余計なプロセスにコアを割り当てないようにし、ゲームに必要なコア数を重点的に指定しましょう。

これらの設定により、少ないコア数でもゲームプレイのパフォーマンス向上が期待できます。

設定変更時の注意点

上でも少し述べましたが、ゲームのプロセスのみに全てのCPUリソースを割いてしまうと、OSの挙動が不安定になりがちです。

プロセスの優先度設定はまだ何とか動くのですが、コアの割り当てであまりにも極端な振り分けをするとシステムがフリーズする可能性もあります。

なので、4コアならば2コアまで、6コアならば3コアまでなどある程度余裕をもって割り当てるようにしてください。

ちなみに、割り当てがうまく機能すると、ゲームの起動を含めて動作全般が改善することもあります。グラボが同じなので劇的とまでは行きませんが、CPU依存度が高いゲームならばそれなりに快適になるかと。

個人的なイメージでは、4~6コアで数世代前のPCならば動作が軽くなるイメージですね。ただし、新しいPCを購入するまでのつなぎとして、応急処置的に活用する方法ですから、少しでも違和感を覚えたらすぐに中止するようにしてください。