パソコンから火災や漏電という例は少ないものの実例があり、配線や日々の扱い方を誤ると誰でもその危険にさらされます。もちろん正しい使い方をしていれば大丈夫ですが、急いでいるときやうっかりミスで事故が起きる前に実際に火災や漏電に繋がった例を知ることが重要です。そこで今回はあやゆるインターフェースで起きやすいショートについてご紹介します。
かつてはフロッピーディスクの電源コネクタが原因のトラブルが多かった
最近では見かけなくなったフロッピーディスクの電源コネクタは独特の形状をしており、他のパーツとの互換性がほとんどありませんでした。フロッピーディスクが廃れた後もファンコントローラーやケースファンの電源コードへ変換する製品がリリースされ、不要なフロッピーディスクの電源コネクタが活用された時代もありました。
そのよう中で電源コネクタを上下逆に接続し、電源ユニットのショートや発煙という事故が起きています。フロッピーディスクの電源コネクタは向きを示す溝はありますが間違った向きでも接続できる形状だったため一部の不慣れなユーザーは逆に接続しパーツが燃えるという結果を招いています。
ホコリと湿気で外部コネクタはショートする例も
デスクトップパソコンもノートパソコンも多くの外部コネクタを備えており、持ち運びせずに机に置いたままだとどうしてもホコリが溜まります。もしパソコンの吸気ファンが強くエアフローのバランスが悪いとコネクタの隙間からも吸気し、コネクタの置くにホコリが集まることがあります。
この状態で梅雨時など多湿な状態になるとホコリが水分を含みコネクタ内でショートすることがあります。ホコリが一瞬で燃え尽き、それ以上ショートの状態が続かなければ良いですがショートした瞬間に基板を破壊する例や他のホコリに引火する例もあり危険なことに変わりありません。
粗悪なSATA用電源コネクタは燃えやすい
SATA用の電源コネクタは間違った向きで接続できない形状ですが、誤接続を防止する部分は小さく強度の低い素材を採用した製品では欠けやすい傾向にあります。もし欠けた状態の電源コネクタを使用すると本来接続されない位置で接続され、あやまった電流がパーツに流れることでショートし故障や炎上を引き起こします。
他にも電源コネクタ内の絶縁が不完全な製品は使用する間にコネクタ内部でコードの被膜が破ける・熱で溶けるなどの理由でショートを起こす例が報告されています。これらのトラブルはペリフェラル4ピンからSATA用の電源コネクタへ変換するコードや安価な電源ユニットに多く、最近ではSATA接続の機器を使わないユーザーも増えています。
USB Type Cコネクタは抜き差しする時の角度に注意
ThunderboltやUSB3.2で採用されているType Cコネクタはコンパクトながら24本のピンがあり、抜き差しする際に斜めやねじれた角度のまま扱うと大変危険です。もし斜めにType Cコネクタへ接続すると接続し終わる途中で触れてはいけないピン同士が接触し、短絡と呼ばれる状態になります。
Type Cコネクタでは従来のUSBコネクタよりも大電力を扱える上にチップセットと直接繋がっており、短絡によって設計にない大電力が流れると周辺機器やマザーボードを破壊する可能性が高く注意が必要です。
まとめ
パソコンの各パーツやコネクタに流れる電流は多くありませんが電圧は高いため、一瞬だけでもショートや短絡が起きると激しく火花が散り回路を破壊してしまいます。
これを防ぐには正しい接続方法と正確な扱い方を遵守しかなく、ユーザー自身で身を守るしかありません。特に急いでいるときや大丈夫だろうと思っている時にミスは起きやすいため、高電圧を扱っている家電製品であることを思い出して付き合うことをおすすめします。