2019年 4月 の投稿一覧

ショートによるパソコンの火災や漏電に要注意

パソコンから火災や漏電という例は少ないものの実例があり、配線や日々の扱い方を誤ると誰でもその危険にさらされます。もちろん正しい使い方をしていれば大丈夫ですが、急いでいるときやうっかりミスで事故が起きる前に実際に火災や漏電に繋がった例を知ることが重要です。そこで今回はあやゆるインターフェースで起きやすいショートについてご紹介します。

かつてはフロッピーディスクの電源コネクタが原因のトラブルが多かった

最近では見かけなくなったフロッピーディスクの電源コネクタは独特の形状をしており、他のパーツとの互換性がほとんどありませんでした。フロッピーディスクが廃れた後もファンコントローラーやケースファンの電源コードへ変換する製品がリリースされ、不要なフロッピーディスクの電源コネクタが活用された時代もありました。

そのよう中で電源コネクタを上下逆に接続し、電源ユニットのショートや発煙という事故が起きています。フロッピーディスクの電源コネクタは向きを示す溝はありますが間違った向きでも接続できる形状だったため一部の不慣れなユーザーは逆に接続しパーツが燃えるという結果を招いています。

ホコリと湿気で外部コネクタはショートする例も

デスクトップパソコンもノートパソコンも多くの外部コネクタを備えており、持ち運びせずに机に置いたままだとどうしてもホコリが溜まります。もしパソコンの吸気ファンが強くエアフローのバランスが悪いとコネクタの隙間からも吸気し、コネクタの置くにホコリが集まることがあります。

この状態で梅雨時など多湿な状態になるとホコリが水分を含みコネクタ内でショートすることがあります。ホコリが一瞬で燃え尽き、それ以上ショートの状態が続かなければ良いですがショートした瞬間に基板を破壊する例や他のホコリに引火する例もあり危険なことに変わりありません。

粗悪なSATA用電源コネクタは燃えやすい

SATA用の電源コネクタは間違った向きで接続できない形状ですが、誤接続を防止する部分は小さく強度の低い素材を採用した製品では欠けやすい傾向にあります。もし欠けた状態の電源コネクタを使用すると本来接続されない位置で接続され、あやまった電流がパーツに流れることでショートし故障や炎上を引き起こします。

他にも電源コネクタ内の絶縁が不完全な製品は使用する間にコネクタ内部でコードの被膜が破ける・熱で溶けるなどの理由でショートを起こす例が報告されています。これらのトラブルはペリフェラル4ピンからSATA用の電源コネクタへ変換するコードや安価な電源ユニットに多く、最近ではSATA接続の機器を使わないユーザーも増えています。

USB Type Cコネクタは抜き差しする時の角度に注意

ThunderboltやUSB3.2で採用されているType Cコネクタはコンパクトながら24本のピンがあり、抜き差しする際に斜めやねじれた角度のまま扱うと大変危険です。もし斜めにType Cコネクタへ接続すると接続し終わる途中で触れてはいけないピン同士が接触し、短絡と呼ばれる状態になります。

Type Cコネクタでは従来のUSBコネクタよりも大電力を扱える上にチップセットと直接繋がっており、短絡によって設計にない大電力が流れると周辺機器やマザーボードを破壊する可能性が高く注意が必要です。

まとめ

パソコンの各パーツやコネクタに流れる電流は多くありませんが電圧は高いため、一瞬だけでもショートや短絡が起きると激しく火花が散り回路を破壊してしまいます。

これを防ぐには正しい接続方法と正確な扱い方を遵守しかなく、ユーザー自身で身を守るしかありません。特に急いでいるときや大丈夫だろうと思っている時にミスは起きやすいため、高電圧を扱っている家電製品であることを思い出して付き合うことをおすすめします。

SATA接続をなくした0SATA構成のメリット

内蔵ストレージの接続インターフェースはIDEからSATAへ移行が進み、SSDはM.2コネクタが普及しています。HDDはSSDと違ってコネクタを小型化する意味がないためSATAが主流のままですが、最近では大容量のHDDを内蔵させない構成も増えてきました。そこで今回はSATA接続をなくした0SATA(ゼロSATA)構成のメリットについてご紹介します。

SATAケーブルと電源ケーブルがなければエアフローがスムーズになる

SATAは単独で電源を供給できないため内蔵ストレージの接続時は電源ユニットから15ピンのSATA電源ケーブルを使って接続します。必要なコードだけを接続可能なプラグイン方式の電源ユニットならSATA電源ケーブルを外すことでケーブルの量が減り、他のケーブルの取り回しも楽になります。

ケーブルが減れば電源ユニット周辺のエアフローもスムーズになり、ホコリも溜まりにくくなるというメリットがあります。さらに内蔵ストレージの廃熱がなくなればケースファンの回転数を抑えて静音化にも貢献できます。

SATA電源ケーブルの発火リスクがなくなる

内蔵ストレージ用の電源ケーブルやコネクタが突然燃えることは以前から知られており、ケーブルの劣化や不適切な素材など原因は多岐に渡ります。

一度パソコンの中が燃え始めてしまうと他のパーツに引火やホコリに燃え移って事態が深刻化する恐れがあり、非常に危険です。プラグイン方式の電源ユニットならSATA電源ケーブルを外せば発火リスクを大幅に軽減可能です。

NASやクラウドストレージを利用すれば大容量のデータを安全に保存できる

HDDを組み込んで使用するNASキットは容量やRAID構成をユーザーの用途に合わせてカスタマイズでき、設置場所もLANケーブルが届く範囲ならどこにでも配置できます。

内蔵ストレージもRAID構成は可能ですがNASのようにRAID構成の修復やエラーの出たHDDを交換することは困難です。長期的な運用で考えると内蔵ストレージよりもNASやクラウドストレージのほうが便利且つ安全なデータ保存先であるため、わざわざ内蔵ストレージを選ぶメリットは少ないと言わざるをえません。

SATA接続よりもM.2接続のSSDのほうが高性能

SATA接続のSSDは最大6Gb/sであり、PCI Expressを使うM.2接続の1/5以下の性能しかありません。大容量のSSDは複数の記憶チップを並列に使うことで速度を上げやすく、より早いインターフェースを必要とします。

そのためSATA接続ではSSDの性能を殺すことになり、データの多いゲームの読み込み等ではM.2 SSDと大きな差が開きます。最近ではM.2コネクタを2つ備えるマザーボードも増え、PCI ExpressスロットへM.2コネクタを増設することも可能なため複数台のM.2 SSDを気軽に扱えるようになりわざわざSATA接続のSSDを選ぶメリットは少なくなりました。

まとめ

最近では光学ドライブを使用しないユーザーが増え、パソコンケースも5インチベイがない製品が主流になりました。3.5インチベイも少ない製品が多く、コンパクトなパソコンケースではSATA接続のパーツをほとんど搭載できないことも珍しくありません。

インターフェースの需要やユーザーの使い方は常に変化しており、SATAもその流れの中で他のインターフェースへ取って代わられいつかは消えていく存在となりそうです。

コピー&ペーストを実現しているクリップボード

テキストや画像のコピー&ペーストは基本的な編集方法の一つあり、あらゆるOSで共通して使える機能です。コピーの操作を行うとデータが一時的に保存され、その内容が貼り付けの操作を行った際に使用されます。この時データが一時保存される場所がクリップボードであり、様々なソフトウェア同士でデータを直感的にやり取りする上で重要な役割を担っています。そこで今回はコピー&ペーストを実現しているクリップボードについてご紹介します。

クリップボードは一時的な記憶領域

必要な範囲を選択してコピーの操作を行うと、その内容が一時的にクリップボードへ保存されます。基本的には過去にコピーして記憶した内容は残らず、その都度コピーしてクリップボードへ記憶させます。OSの再起動やログオフを行うとクリップボード内容は消去されるため、あくまで一時的なデータを保持する目的で使用します。

どんなソフトウェアで扱っているデータも一時的に格納できる

画像や文字などソフトウェア上で扱える様々な物をクリップボードへ記憶させることができ、別なソフトウェアへ貼り付ければ直接データの受け渡しも可能です。わざわざファイルに保存して別なソフトウェアで開く操作が不要で直感的に操作できるのもクリップボードのおかげです。

異なるソフトウェア間でクリップボードを使ってやり取りする中で扱えない内容は貼り付けできず消えてしまう

クリップボードに保存したデータは別なソフトウェアへ貼り付ける際に内容が変化することがあります。具体的には貼り付け先のソフトウェアで扱えない内容はなかった物として扱われるため、貼り付けたデータとコピーしたデータに内容の差が生まれます。また貼り付け可能なデータ容量もソフトウェアによって異なり、画像を扱うソフトウェアは扱えるデータ量が大きい傾向にあります。なお選択したデータ量が多すぎる場合はコピーできても貼り付けできないことがあり、適宜分割してコピー&ペーストが必要です。

あえて別なソフトウェアを経由させてクリップボードの内容を意図的に変更するテクニック

異なるソフトウェア間でコピー&ペーストを行うとデータの内容が変化しますが、この現象を上手く活用すると作業効率を上げることも可能です。例えばExcelでセルをコピーするとセル内の書式や式など多くの要素がコピーされますが、一度メモ帳に貼り付けるとセルに表示されている文字データのみとなります。これを再びコピー&ペーストでExcelへ複製するとセル内の計算結果を式ではなく、テキストとして受け取ることが可能です。セルに計算式を残したくない場合や図表として自由にレイアウトする際に役立ちます。他にもWEBサイトから文字をコピー&ペーストする時にメモ帳を経由させればフォント情報を削除した状態で貼り付けできるなど様々なシーンで応用できます。

クリップボードを活用したフリーウェアが便利

画像をコピーすると自動的に画像ファイルとして保存するものやコピーしたテキストを読み上げるものなど、クリップボードに特化したフリーウェアが多くありこれらを活用するとコピー&ペーストがより便利になります。クリップボードに記憶させた内容を表示できるビューワソフトならどのデータがコピーされているか確認することもでき、作業を中断しがちな際も再度コピーする手間がなくなります。

まとめ

コピー&ペーストはパソコン操作の中でも基本ですが応用できる範囲が広く、突き詰めれば大幅に作業効率を上げることも可能です。もちろんOS標準の機能だけでなくソフトウェアを追加する必要がありますが、手動で時間をかけて行っていた作業も自動化で楽になるため用途に合ったソフトウェアを見つけてみましょう。

Windows10で強化されたクリップボード

クリップボードは機能を強化するソフトウェアやMicrosoft Office上で活用するツールが提供されてきましたが、Windows OS側の機能としては長らく手は加えられてきませんでした。しかし遂にWindows10 October 2018 Updateで大幅にクリップボードが強化されました。そこで今回はWindows10で強化されたクリップボードについてご紹介します。

Microsoft Officeなどで提供されていた履歴機能が追加されて便利に

通常クリップボードで保持できるデータはひとつだけであり、過去にコピーした内容は失われてしまいます。そこでサードパーティーのソフトウェアやMicrosoft Officeでは過去にコピーして記憶させたクリップボードの内容をストックし、その中からユーザーが選んで貼り付けできる履歴機能があります。October 2018 UpdateではOS標準でクリップボードの履歴機能が使えるようになり、あらゆるソフトウェアで活用できます。

クリップボードの履歴機能は有効化が必要

October 2018 Updateへアップデートした後に設定することではじめてクリップボードの履歴機能が使えるようになります。設定アプリからシステムを選ぶと新たに「クリップボード」の項目が増えており、この画面内で履歴機能の有効化や追加設定を行います。

過去のクリップボードを呼び出すにはWindowsキー+Vキー

通常貼り付けを行う際は右クリックメニューもしくは「CTRL」キー+「V」キーのショートカットを用いますが、履歴機能を呼び出す際は「Windows」キー+「V」キーを使用します。後はユーザーが履歴画面から貼り付けたい内容を選択するだけで通常のコピー&ペーストと操作性は変わりません。

同じMicrosoftアカウントでログインしていればクリップボードを共有できる

今回October 2018 Updateで強化された機能の中にはクリップボードの共有も含まれます。同じMicrosoftアカウントでログインしたデバイス同士ならクリップボードを共有し、文字などを別なパソコンへ貼り付けることが可能です。従来はGoogle製のソフトウェアなどで実現できていましたが、Windows標準でサポートされたことで設定が簡単でより便利になりました。

将来的にはモバイルデバイスともクリップボードの共有が快適になるかも

Android向けにリリースされていSwiftkeyアプリはWindows10のクリップボードをスマホと共有できることを謳った入力アプリです。アプリとしての完成度はまだまだですが、iOS版含めモバイルデバイスとの連携も強化されいくようです。

まとめ

WindowsOSの長い歴史の中で全く強化されてこなかったクリップボードですがやっと他のソフトウェアを使わずに効率的なコピー&ペーストができるようになりました。Windows10であればどのパソコンでもクリップボードの履歴機能が使えるため、画像編集や表計算などがどこでもスピーディに作業できる履歴機能を是非有効化して活用しましょう。