2020年 6月 の投稿一覧

ネットワークトラブルを引き起こす重複していはいけないもの

ルーターを導入すると接続した機器は自動的にネットワークに参加できるため、ほとんどのユーザーが意識することはありませんがネットワークに参加には個々の機械が正しく認識されることが不可欠です。

仮にネットワークで通信するために必要な固有情報が全て一緒ならルーターやスイッチングハブはどの機器へ通信させれば良いのか判断できません。

そうなってしまうとインターネットはもちろんローカルネットワークにも参加出来ず一切通信が不能になってしまいます。そこで今回はネットワークトラブルを引き起こす重複していはいけないものについてご紹介します。

MACアドレスが重複するとデータの送受信ができない

MACアドレスはWiFiや有線LANの一台一台に異なるアドレスとして工場出荷状態で割り振られるものですが、ソフトウェア側から変更することが可能です。

また仮想ネットワークに使う仮想LANアダプタにもMACアドレスを割り振らねばなりませんがユーザーが自由に設定変更できます。

仮に同じネットワーク内にMACアドレスが同じ機器が接続するとルーターやスイッチングハブはどちらの機器へデータを送れば良いか正しく認識できず、先にネットワークに参加した機器しか通信できない上に、同じMACアドレスの機器同士は通信が出来ません。

MACアドレスの重複は珍しい現象ですが、様々な要因で発生しうるトラブルの一つです。

MACアドレスは使い回されている上にベンダーが重複させている例も

ベンダーに割り当てられたMACアドレスは有限なため、一定期間使用された後に再び製品に割り当てられることがあります。

他にもHUAWEIやQualcommなどの特定のベンダーがひとつのMACアドレスを多数の製品に割り当てた状態で出荷しているため、企業ユーザーに限らずMACアドレスの重複トラブルに遭遇することがあり得ます。

MACアドレスの手動変更は簡単

MACアドレスは各ベンダーが向上出荷時に設定したアドレスが有効になっていますが、手動で変更が可能です。変更手順はデバイスマネージャーからネットワークアダプタのプロパティを開き、詳細設定内のアドレス欄へ入力する方法と直接レジストリを編集する方補があります。

通常はこの方法でトラブルを回避できますが、ソフトウェア側からの変更になるため、ソフトウェアに依存しないWake On Lanではベンダーが設定したMACアドレスが使われるため効果がありません。

仮想マシンにネットワーク設定する際はMACアドレスが異なるNICを

仮想マシンはWindows10 Proの標準機能でもあり、様々なOSをゲストOSとして動かせるため様々な用途で使われています。

この仮想マシンをネットワークに参加させる際に仮想ネットワークアダプタを設定しますが、他の仮想ネットワークアダプタを複製した際にMACアドレスも複製してしまうケースがあります。当然仮想マシンはネットワークに参加出来ません。

Windowsネットワークではコンピュータ名が重複すると接続できない

MACアドレス以外にも重複してはいけないものはコンピュータ名です。Windowsネットワークではコンピュータ名を識別情報として使うため、名前が重複したパソコンはネットワークに参加できません。

Windows10以前はユーザーが初期セットアップ時にコンピュータ名を入力する仕組みだったため家庭内の小規模なネットワークでもコンピュータ名の重複が起きやすく、Windows10ではランダムな名称がコンピュータ名として自動設定されるようになりました。もちろんユーザー自身が管理しやすい名前へ変更可能ですが、重複しないように注意しましょう。

まとめ

MACアドレスとコンピュータ名は自由に変更可能ですが、ネットワーク上では個々を識別するための情報として扱われるため重複しないように注意しましょう。

特に仮想マシンや同じメーカーの機器が多数接続している環境では管理表などを作って全体の把握と管理をすることをおすすめします。

ASUS製ゲーミングWiFiルーターに追加されたOpen NAT機能

ゲームサーバーとの接続やユーザーがホストになる場合に起きやすいトラブルのひとつに通信エラーがあります。これは通信パケットのやり取りを行うときに、その通り道であるポートを通過できず通信が失敗する現象です。

その原因は宅内ネットワークやファイヤーウォールなど様々ですが、主にルーターへ「ポート開放」設定をすることで解決できることがほとんどです。

しかしネットワークの詳細な知識がない多くのユーザーにとっては設定もその後の管理も容易ではありません。そこで今回はASUS製ゲーミングWiFiルーターに追加されたOpen NAT機能についてご紹介します。

オンラインゲームはポート開放が必要な場合がある

オンラインゲームはゲームサーバーとの接続だけでなくボイスチャットやユーザーを親にしてチームプレイをするなど多様な通信を行っています。

中には通常のゲームプレイは出来るのにボイスチャットが使えないなど、ポート開放をしなければ全ての通信機能が動作しないケースもあります。

ポート開放は仕組みを理解しないと設定が難しい

ポート開放はインターネット側とローカルネットワーク側を適切に結びつける必要があり、ゲームクライアントを起動するパソコンのローカルIPを固定しておく必要があります。

ポート開放は解放するポート番号と、インターネットから入ったパケットをどのローカルIPへ通すのかが重要なためパケットの通信経路と仕組みを理解していないと設定は困難です。

必要なポート番号が変わることもある

ゲームのバージョンアップやMODによりポート番号が増えることや変わることも珍しくありません。特に複数のゲームタイトルをプレイしている際はどのポートをどのゲームで使用しているのか管理が必要になります。

また安易なポート開放はセキュリティ上好ましくないため、使わなくなったポートは設定を削除して閉じておくことも大切です。

ASUS製ゲーミングWiFiルーターならゲームタイトルを選ぶだけでポート開放出来る

ASUS製ゲーミングWiFiルーターには「Open NAT」が実装され、ゲームタイトルを選びプレイするパソコンを一覧から指定するだけでポート解放が完了します。

主要なオンラインゲームが網羅されており、知識がなくても簡単に設定が可能です。またどのゲーム向けのポートを開放しているか一目瞭然なのでプレイしなくなったゲーム用のポート番号だけを閉じることも簡単です。

ポート開放状態の管理も簡単

ゲームタイトルでポート開放状態を管理でき、手動でポート開放を行う際も個別に名称を付けることができるため設定内容を忘れた際も困りません。

他のゲーミング用の機能と合わせて必要なゲームに合わせた設定が誰でも簡単にできる点では他のメーカーよりも優秀です。しかも「Open NAT」機能は旧式のASUS製品でもアップデートにより利用することが可能なため、すでにASUSのWiFiルーターを使っているなら買い換える必要もありません。

まとめ

ASUSのゲーミングWiFiルーターは機能が豊富なだけでなく、旧製品であっても「Open NAT」機能が追加されるなど購入後も安心して使えます。

ポート開放についてはセキュリティ上の問題もあり、ASUS製ゲーミングWiFiルーターに標準搭載されているAiProtectionとの併用は必須です。

ポート開放が出来ず悩んでいたり、これからオンラインゲームを始めるならASUS製ゲーミングWiFiルーターの検討をおすすめします。

正式サービスが始まるGeForce NOW Powered by SoftBank

2020年6月に日本国内でもGeForce NOWが正式にサービス開始となります。GeForce NOWはゲームのレンダリングをサーバー側で行い、映像をユーザーに転送するためユーザーはゲーミングパソコンを用意する必要がなくなるサービスです。

パソコンだけでなくスマホでもプレイできるためデバイスと場所を選ばない新しいプレイスタイルとして注目されています。そこで今回は正式サービスが始まるGeForce NOW Powered by SoftBankについてご紹介します。

回線品質が良好ならゲーミングパソコンがなくてもハイエンド設定でオンラインゲームを楽しめる

GeForce NOWはレンダリング後の映像をユーザーへ転送する仕組みを採用しており、回線速度に合わせてレンダリング画質も自動調整されます。

推奨回線速度である25Mbps以上の速度が出る回線ならレンダリング画質に期待が持てますが、安定的に速度が出ていないとフレームレートが落ちてしまうため有線LANやゲーミングルーターの導入をおすすめします。

ゲーム本体はSteamで別途購入する必要がある

GeForce NOWはあくまでゲームプレイのために必要な演算処理を代行するサービスであり、ゲームソフトは別途用意しなければなりません。

GeForce NOW対応ゲームをSteam Storeで購入しプレイすることになりますが、一部のゲームタイトルは毎回セットアップが実行される仕様になっています。既にSteam以外のストアでゲームソフトを収集している際は再購入になるケースがあり注意が必要です。

一定時間ごとに切断されるため長時間集中しにくい面も

GeForce NOWは操作しないしない時間が10分経過するとログアウトされ、連続でプレイしている際も4時間ごとに切断されます。いずれも不正操作を防止するための仕様ということですが、休日などに連続プレイを楽しみたいユーザーやながらプレイで離席しがちなユーザーにとっては厄介な仕様と言えます。

MOD導入不可な他、スマホプレイも動作条件が多すぎる

海外のゲームタイトルはMODの使用が大前提になっている物が珍しくなく、FPSなど対戦型のゲームでは一般的です。しかしGeForce NOWはサーバーで演算処理を代行する関係上、ゲームクライアントへファイルを主導追加するMODの導入が不可能です。

またデバイスを選ばないこともGeForce NOWの特徴ですが2020年現在、iPhoneには非対応となっており具体的な対応時期も明かされていません。Android端末もゲームパッドの接続がほぼ必須となっているためAndroid端末単独でのプレイは現実的ではありません。

まとめ

ゲーミングパソコンを持っていないユーザーが負荷の高いゲームタイトルを試しにプレイするにはGeForce NOWが最適ですが、本格的にゲームを楽しむには厳しい仕様と言わざるを得ません。

しかしライトユーザーが参加しやすい土壌を作るという意味ではGeForce NOWに一定のメリットもあり、近くにゲーミングパソコンを展示しており試遊できる店舗がないユーザーにとっては魅力的な選択肢ではないでしょうか。

第3世代Ryzen向けB550チップセットとは

Intelが低迷する中、好調にシェアを伸ばしているAMDですが第3世代Ryzenと新たなチップセットでさらにIntelとの差を広げるべく攻勢を仕掛けています。

現在のAMDチップセットはヘビーユーザー向けと汎用性の高い一般向けの2つに絞ってリリースされており、後者のBシリーズチップセットはさらに幅広いユーザー層を獲得すべく大幅な機能強化がされています。そこで今回は第3世代Ryzen向けB550チップセットについてご紹介します。

ソケットAM4は変わらないものの第3世代Ryzen用チップセット

Intelが頻繁にCPUソケットの形状を変更しCPUクーラーや対応CPUの制限が激しい一方でAMDはCPUソケットの形状をほとんど変更していません。

今回リリースされたB550チップセットも従来通りのソケットAM4を採用しているためCPUクーラーの互換性は確保されています。しかし内部的には大幅な性能向上が行われた結果、第1世代と第2世代のRyzen CPUとの互換性は失われています。

PCIe4.0を利用できるのがB550チップセットの強み

第3世代Ryzen用チップセット一番の目玉はPCIe4.0をチップセットレベルでサポートしている点です。

2020年現在、Intel CPU向けにマザーボードメーカーが独自にPCIe4.0対応させた製品をリリースされている最中にAMDが一歩早くPCIe4.0対応チップセットを普及価格帯のマザーボードへ搭載できた功績は大きいと言えます。

PCIe4.0採用でNVMeも高速になる

PCIe4.0は帯域が2倍になりましたが、グラフィックボードとの接続は従来の帯域でもボトルネックにはなっていませんでした。

しかしNVMeタイプのSSDは内部にPCIeを使っており、帯域が増えたことによりさらにパフォーマンスが上がります。既にPCIe4.0に対応したNVMe SSDもリリースされておりさらに高速なストレージとして活用できます。

第4世代RyzenシリーズCPUにも対応予定

第3世代Ryzen向けチップセットは2020年中にリリース予定の第4世代RyzenシリーズCPUへも対応予定です。

CPUのみのアップグレードが可能ならマザーボードが無駄にならず、ユーザーは低コストで第4世代Ryzenへ移行できることになります。

まとめ

第1世代と第2世代が非対応なのは残念ですが、第3世代と第4世代に対応するB550チップセットはPCIe4.0の強化により長期間第一線で活躍できる可能性があります。

PCIe4.0以外にもUSB3.2 Gen2のネイティブ対応など将来性のある仕様にまとまっており安心して選べる点も魅力の一つです。長く活躍し続けられるパソコンを求めるなら低価格で多機能かつ最新のインターフェースが揃ったB550チップセットがお勧めです。