2022年 6月 の投稿一覧

遂に突破されたGPUのマイニング制限

強力なGPUを搭載したグラフィックボードはゲーミングだけでなく、仮想通貨のマイニングでも高い性能を発揮するため入手困難や価格上昇の原因となってきました。そこでGPU大手メーカーのNVIDIAはマイニングに使用すると著しくGPU性能が落ちる「LHR」を導入し対抗してきました。しかし、LHRを回避し本来の性能でマイニングを行うことが可能になったことで新たな流れが生まれそうです。そこで今回は、遂に突破されたGPUのマイニング制限についてご紹介します。

LHR回避に成功したのはNiceHash

NiceHashはその手軽さから仮想通貨のマイニングツールとして代表的なソフトウェアであり、ほぼ自動でユーザーのハードウェアに合わせた最も効率的なマイニングを行います。今回LHRの無効化に成功したのはNiceHashであり、既に多くのユーザーがLHRを回避してマイニングを始めている模様です。これまでLHRにより電気代の回収も出来なかったグラフィックボードがNiceHashによってよみがえったことはマイニングユーザーにとっては朗報です。しかし、ゲーミングユーザーから見れば再びグラフィックボードの価格上昇や入手困難といった状況になる懸念もあります。

最新のLHRは完全突破されていないものの時間の問題か

今回NiceHashがLHR回避に成功しているのはLHR V2と呼ばれる世代であり、RTX3050と12GB版 RTX3080は最新のLHR V3を採用しているおかげで2022年5月時点では完全回避には至っていません。しかし、完全回避されていない状態でも約90%のマイニング性能を引き出すことにNiceHashが成功しており、事実上の完全無効化と言えます。特にRTX3050は普及価格帯の製品であり、フルHD解像度であればあらゆるゲームタイトルが快適にプレイ可能な性能を持っているので今度入手性が悪くなる可能性が出てきました。

マイニング行為の増加は社会問題となっている状況は変わらず

既にあらゆる国で電力を大量消費するマイニング行為は社会インフラを破壊する為、法的に禁止されています。それでも隠れてマイニングを続ける闇マイニングや、日本のような法規制がされていない国で大規模なマイニング事業を始めるケースが指摘されています。日本では2022年夏に危機的な電力不足も予想されており、もし国内でマイニング需要が高まってしまうと電力不足が更に加速することに繋がり社会問題化に拍車がかかりかねません。

まとめ

現在主流な仮想通貨はマイニングで仕組みが維持されるため、生き残りのためにマイニングを止められない一方で電力問題や半導体不足などの社会問題と無縁ではいられません。LHRが事実上機能しなくなったことにきっかけに本格的にマイニングを始めたり、マイニング目的でグラフィックボードを買い集めることは当人が想像する以上に大きな問題となることを自覚しましょう。

CPUクーラーのカスタムは本当に必要か

CPUのTDPが少しずつ上昇しているため、CPUクーラーをカスタマイズする方が増えたように思います。

しかし、純正のCPUクーラーも決して性能が低いわけではありません。そこで、CPUクーラーのカスタマイズの必要性についてもう一度整理してみましょう。

高TDP・高負荷ならば事実上必須

結論から言うと、TDPが100Wを超えるCPUであれば、純正CPUクーラーで高負荷状態を乗り切るのはやや厳しいです。

純正のCPUクーラーはコストと性能のバランスを重視しているため、言ってしまえば「必要十分」なレベルだからです。

この必要十分とは、「短時間、後負荷状態が続いてもサーマルスロットリングが起こらないギリギリのライン」と考えてよいでしょう。

また、純正CPUクーラーのファンはお世辞にも静かとは言い難く、結構な騒音を発生させます。ファンの大きさが8センチ程度と小さいので、どうしても高回転で風切り音が発生するんですよね。

今の日本の夏の異常な暑さを考慮すれば、「TDP100W以上のCPUを長時間、高負荷で運用する」場合には、やはりCPUクーラーのカスタマイズは必須に近いと考えています。

CPUクーラーのカスタムが必要ないケース

とは言え、BTOパソコンを購入する際に、必ずCPUクーラーのカスタムが必要かといわれるとそうでもありません。

特に第12世代シリーズで新しいCPUクーラーを採用したIntel製CPUならば、「普通に使う限り」CPUクーラーのカスタムは必要ないと思いますね。

ちなみにこの普通とは「ベースクロックから定格動作の範囲内で使う」という意味です。ここが注意すべきポイントで、第12世代のIntel製Coreシリーズは、ベースクロックとターボブースト時のTDPが大きく異なります。

例えば、Core i7 12700のPBP(ベースクロックからブーストを使わない範囲=定格動作のTDP)は、わずか65Wです。ハイエンド帯に属するCPUとしては低発熱な部類に入ります。

しかし、MTP(ブースト動作時のTDP)は、なんと180Wにまで跳ね上がります。65Wと180Wでは、求められる冷却能力がまったく異なることは想像に難くありません。

簡単に言えば、65Wは純正CPUクーラーの守備範囲ですが、180Wになればヒートシンクが2枚に重ねられた大型サイドフロークーラーの出番です。

そして、純正CPUクーラーが想定しているのは、PBPの範囲内だと考えられます。つまり、MTPを使用しないような運用(=めったにブーストクロックに到達しない)であれば、CPUクーラーのカスタムは不要でしょう。

CPUクーラーの性能で動作クロックも変わる

PC関連のメディアである「Akiba PC Hotline」で先日、純正CPUクーラーと大型CPUクーラー、水冷クーラーの比較を行っていました。

記事はこちらです。(https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/1407422.html

この記事の結果にもあるように、ベンチマークソフトで平均クロックを測定すると、やはり冷却能力が高いほうが優秀な成績を残しています。

ただし、この記事でも解説しているように「高温(100℃)」に達することが異常というわけではありません。

そもそも今のCPUはEコアとPコアに分離されており、Pコアの使用率が上がるとどうしても高温になります。なので、実際に使用する環境によってCPUクーラーを使い分けていく方法がベターです。

ちなみに、ゲーム用途ならばCore i7 12700の冷却は純正CPUクーラーでも問題ないレベルのようですね。しかし、真夏に重量級3Dゲームばかりを好んで遊ぶという状況ならば、CPUクーラーは交換しておきましょう。

ゲームで身についたタイピングは将来役に立つ?

PCゲームで身につくスキルの筆頭といえば「タイピング」ではないでしょうか。

私も学校の授業よりMMORPGなどでタイピングスキルを磨いたクチです。しかし、ネットでは「タイピングなんてスキルではない」という声も見かけます。

そこで、ゲームでタイピングを鍛え、社会人になって十数年の私が私見を述べてみます。

タイピングはしっかり役に立ちます

結論から言うと、「たとえゲームで鍛えたものであっても、タイピングは将来の役に立つスキル」です。

スマホがあればPCは要らないという人がいますが、この先少なくとも十数年は、PCとスマホを併用する時代が続きます。

人間の体のサイズが変わらない以上、入力デバイスとしてのキーボードは存在し続けますし、これを扱う技術としてのタイピングも廃れません。

そもそもPCとスマホはまだまだ強みが異なっており、資料作成や動画コンテンツ制作、そのほか「情報発信側」の作業は大半がPCで行われます。

なので、タイピングはPCを扱う基礎的な技術としてこれからも重宝されるはずです。

また、どこで鍛えたかは特に関係ないですね。ゲーム内で流暢にコミュニケーションをとるためには、それなりのタイピングスピードが必要です。

ゲーム内チャットでタイピングが鍛えられていたおかげで就職できた!という話はほとんど聞きませんが、全くできないレベルよりは遥かにマシです。

逆を言えば「タイピングでもたつくレベルの人材は、まず使い物にならない」という風潮もあります。

それくらい基礎的な技術のひとつですし、大学の教養科目である情報処理の授業でもしっかり使います。なので、「ブラインドタッチで仲間と雑談ができるレベル」というのは実はとても大事なスキルなのです。

タイピング以外にゲームで身につくスキルはあるか?

タイピング以外で言えば、オフィス系ソフトを扱うスキルが挙げられますね。

「ゲームでワード・エクセルなんか使わないよね?」と言う声が聞こえてきそうですが、これがそうでもありません。

なぜなら、ゲームをガチで攻略しようとすると、必ず何らかの「データ整理」が発生しますよね。この時、エクセルを使うと大変便利なのです。

5年以上前のことになりますが、当時遊んでいた韓国系のMMORPGでは「攻城戦」というイベントがありました。結構メジャーなコンテンツなので、知っている方も多いと思います。

攻城戦は、数十人同士が数時間にわたって乱戦を続けるわけですが、このときの細かいチーム分けや役割分担、攻める側と守る側のスケジュールなどをエクセルで管理して共有していました。

また、FPSやバトルロワイヤル系のゲームであっても、チーム戦になれば必ずデータの整理が必要になります。これもエクセルが大変便利ですね。

学生のうちはエクセルに触れる機会があまりないと思いますので、こうしたデータ整理のシーンで慣れておくと、将来必ず役に立つと思います。

「できて当然」のPCスキルが意外と身につく

「たかがゲームで」と軽視するのは勝手ですが、今の30代後半~40代前半の世代は、少なからずゲームでPCスキルを磨いた経験があるはずです。

確かにゲームで使うタイピングやエクセルのスキルがそのままお金になることは珍しいのですが、社会人としての基礎スキルの一部になっていることは間違いありません。

普段のゲームチャットを少しだけ意識して、速さや正確さを磨くのも一興かもしれないですね。