2019年以降、ゲーミング分野では安さと性能の高さに加えて脆弱性の少なさからAMD Ryzenシリーズが急速にシェアを伸ばしています。
これまでIntelの独壇場だったノートパソコンやNUCに代表される小型デスクトップパソコンにもAMD Ryzenシリーズはシェアを伸ばし始めており、モバイル版や組み込み型製品向けのEmbedded版CPUもリリースされています。そこで今回は格安でも高パフォーマンスを発揮するAMD Ryzen Embeddedシリーズについてご紹介します。
マザーボードにはんだ付けされて交換できないがコストを抑えたRyzen Embedded
Ryzen Embeddedシリーズはマザーボードにはんだ付けされており、マザーボード単体やベアボーンとして流通しています。もちろん交換は出来ないため、用途に合った性能があるか見極めが非常に重要です。
また流通量が少ないため、コストパフォーマンスに優れる人気商品は欲しい時に入手出来ないことも珍しくありませんが、Ryzen Embeddedシリーズは2019年後半から採用製品が急速に増えています。今後も採用製品が続々とリリースされると予想され、入手性は良くなりそうです。
Vega3・8・11グラフィクスを内蔵し3D処理も圧倒的性能
Ryzen EmbeddedシリーズはVega3・8・11グラフィクスを内蔵しており、ライバル製品のIntel CPUとは比較にならない3D性能を持っています。
Vega11を採用した上位モデルは処理の重くない部類に入る3DゲームをフルHD解像度でプレイ可能です。もちろん長時間のゲームプレイにも耐えられますが、NUCの場合は負荷がかかり温度が上昇した時にファンの騒音が極端に大きくなることもあるため注意しましょう。
Intel NUCの約半額でRyzen Embedded構成の小型ベアボーン一式が購入できる
Ryzen Embeddedシリーズを採用した製品は対抗するIntel CPU採用製品の約半額で購入可能です。性能面でもRyzen EmbeddedシリーズはIntelに引けを取らず、3D性能に限ってはRyzen Embeddedシリーズのほうが優秀なためシェアを伸ばす要因にもなっています。
特にNUCは低価格故に一気に普及した経緯もあり、性能を落とさずにさらなる低価格化を実現したRyzen Embeddedシリーズの存在価値は非常に高いです。
狙い目は4コア8スレッドのV1807B
2020年4月時点でRyzen Embeddedシリーズの最上位はV1807Bであり、4コア8スレッドにVega11搭載という仕様です。CINEBENCH R20のベンチマーク結果はIntel NUCに採用されているモバイル版 Core i7 10710Uと同等でありながら価格は約半額で購入可能です。
i7 10710Uも数々の脆弱性を抱えており、今後アップデート対策と速度低下が起きることを考えると将来的には性能面でV1807Bが上回る可能性もあります。
まとめ
小ささを優先し、性能を犠牲にしがちなNUCですがAMD Ryzen Embeddedなら高性能・小型・低価格の3拍子揃った構成が可能になります。
最近では旧式のパソコンにミドルレンジのグラフィックボードを増設するリフォームパソコンが注目されていますが、耐久年数や全体のパフォーマンスを考えるとAMD Ryzen Embedded採用のNUCへ買い換えた方が賢い選択になるケースもあります。
これから低価格なデスクトップパソコンを購入するなら、AMD Ryzen Embedded採用製品から検討してみることをおすすめします。