2019年 6月 の投稿一覧

NASのストレージ交換とリビルドについて

NASキットの普及やゲーミングNASの登場など個人ユーザーでも手を出しやすくなったNASはあらゆるニーズに応えられる魅力的な製品です。最近ではHDDの低価格化により安価に大容量のストレージを構築する手段として一般消費者にも浸透が進み、ホットスワップに対応したNASでは稼働させながらHDDを交換も可能です。そこで今回はNASのストレージ交換とリビルドについてご紹介します。

HDDの入れ替えが簡単なのはNASキットや上位モデル

あらかじめ交換用HDDトレイがある4ドライブ以上の上位モデルNASやユーザーが好きなHDDを搭載することが前提のNASキットは容易にHDD交換が可能です。

上位モデルNASの場合は高価な純正HDDへの入れ替えも選択肢の一つですが、HDD価格は下落し続けている上に同等品と入れ替えても問題がなく選ぶメリットは皆無です。せっかくNASのHDDを交換するならコストパフォーマンスに優れたNAS向けHDDをパソコンショップ等で購入した方が遙かにお得です。

NASにはNAS用HDDがおすすめ

HDDそのものは汎用品ですがパソコンと違って連続稼働を基本とするNASではより信頼性の高いHDDが求められます。WDならRed、SeagateならIronWolfがNAS向けに信頼性を高めたモデルをリリースしています。

販売価格は割高ですが想定されている通電時間が長く設計されており、寿命を迎えるまでの年月で大きく差が付きます。

RAID構成NASはストレージ交換するとリビルド必須

一台のHDDをそのまま使用するシングル構成なら交換後にフォーマットするだけで作業完了ですが、複数のHDDをつなげて高速化や信頼性向上を図るRAID構成のNASはリビルドが必要です。

リビルドは複数のHDDをひとつのストレージとして構築する作業であり、RAIDタイプを変更したりHDDを交換した際もリビルドは欠かせません。

HDD故障時の交換とリビングはハイリスク

RAID構成のNASはHDDが故障した際に該当HDDだけを交換するだけで運用続行可能なホットスペアが有効なことが多く、上位モデルNASでは必須です。しかし実際にはRAID構成次第で入れ替え可能なHDDの数は変化する上に、製造ロットが近く稼働時間が同じHDDは同時期に故障する確率が高くなります。

場合によっては故障したHDDを入れ替えてリビルドの最中に他のHDDも故障して全データを失うリスクもあることを覚悟して作業しなければなりません。もしストレージのアップグレードや予防交換でないなら別な記録媒体へバックアップを取ってからHDD交換が理想的です。

RAID構成は破損すると修復やデータ復旧が困難

RAID構成にしたHDDは特殊な状態なため、NASから外して他のパソコンやNASへ接続するとデータが改変されて使用不能に陥ることがあります。特にNAS内部のクリーニングやHDD入れ替え時にHDDの順番が変わってしまうとRAID構成が壊れてデータが失われてしまいます。

物理破損ではないため再リビルドとフォーマットで機器的には復活しますが、論理的破損の状態からのデータ復旧は難しく一般的な復旧料金も高額です。

まとめ

ホットスワップで簡単にHDD交換が可能なNASはパソコンに詳しくないユーザーでも扱いやすく、正しく使えばデータを安全に保管し続けることができます。特にHDDが故障する前に順次新品のHDDと入れ替えていく予防交換を使い続けながら点はNAS最大のメリットであり、トラブルなくNASを使い続ける条件でもあります。

それでももしHDDの故障やトラブルに遭った際は修復よりもデータのバックアップを最優先に対処すれば避けられる被害も多いため、困ったときほど落ち着いて対応しましょう。

Microsoftアカウントトラブルに遭う前にやっておきたいこと

MicrosoftアカウントはMicrosoft StoreやXBOXに加えOfficeを使用する上で重要な存在です。しかしパスワード紛失時の再設定トラブルやアカウント自体の消滅などトラブルが起きていることも事実です。そこで今回はMicrosoftアカウントトラブルに遭う前にやっておきたいことをご紹介します。

既存のメールアドレスや電話番号でMicrosoftアカウントを取得している場合は要注意

Microsoftアカウントのパスワード修正を行うには登録時のメールアドレスや電話番号と要った基礎情報が必要です。しかしISPやスマホの契約変更等でMicrosoftアカウント登録時のメールアドレスや電話番号が使えない際はパスワード修正へ進むためのセキュリティコードを受け取れず八方塞がりとなります。

もしログインに使用しているメールアドレスや登録内容に変更が生じた際は速やかに修正登録を済ませましょう。もしこだわりがなければ無料で取得可能な@outlook.jpのメールをログインに使用した方が安全です。

一定期間ログインしなかったMicrosoftアカウントは抹消される

Microsoftアカウントは作成時期によって最終ログインから1年ないし2年で抹消されています。現在新規に作成したMicrosoftアカウントは最終ログインから5年後に抹消されるため、パソコンの買い換えタイミングなどで再ログインするかローカルアカウントからMicrosoftアカウントへ変更することで防ぐことが可能です。

生体認証を有効にしてパスワードがなくてもログイン可能にする

Microsoft Surfaceシリーズは顔認識によるログインに対応しており、ユーザーはパスワード入力をすることなくログイン可能です。

Surface以外のノートパソコンやデスクトップでもWindows Helloに対応したWEBカメラや指紋リーダーを接続すれば同じようにパスワードなしでログイン可能です。今までローカルアカウントでパスワードを設定していなかったユーザーでも同じ操作感のままMicrosoftアカウントへ切り替えられるため

必須ではない登録項目を全て埋める

Microsoftアカウントの登録可能な項目は多々ありますが、必ず登録しなければならない項目はごく一部です。しかしパスワード紛失時などは登録内容をどこまで覚えているかが重要であり、登録項目が少ないとアカウントを復旧できない確率が下がってしまうため埋められる設定項目はひとつでも多く入力しましょう。

Officeと紐付けしたMicrosoftアカウントのIDは変更可能になった

以前はOfficeと紐付けしたMicrosoftアカウントのIDは変更できませんでしたが現在では別なメールアドレスをプライマリIDとして設定できます。

もし現在は送受信できないメールアドレスがIDとなっておりOfficeのライセンスと紐付けているMicrosoftアカウントがあるなら早めに有効なメールアドレスを設定しましょう。有効なメールアドレスを設定することで万が一パスワードがなくてもアカウントの復旧が可能です。

まとめ

Microsoftアカウントはあらゆるサービスを利用する上で要になっており、使用できなくなると時間だけでなく金銭的な損失に繋がることもあり得ます。

そのようなトラブルに遭う前に登録内容の充実や普段からMicrosoftアカウントを使うように設定しておくことが一番の予防策と言えます。特にWindows Helloによるパスワード不要な生体認証は今後もあらゆるサービスで利用可能になると予測されており導入をおすすめします。

CPUプロセスルール微細化のメリットと開発競争

AMDが十数年ぶりにIntel製CPUを超えるRyzen第3世代を発表しましたが、AMDの逆転にはプロセスルールが根強く関係しています。Intelはプロセスルールの細分化がAMDよりも遅れており、この開発スピードの違いがIntel製CPUの高価格と供給不足に加えて性能面での逆転を許す結果を招きました。そこで今回はプロセスルール微細化のメリットと開発競争についてご紹介します。

プロセスルールが小さいほど同じ回路でも小さく製造可能

プロセスルールとは半導体回路の大きさを示す指標であり、プロセスルールが小さいほど回路をコンパクトに設計できます。もし同じCPUダイサイズならプロセスルールが細かいほど多くのトランジスタ等を実装できるため、プロセスルールは性能とCPUダイサイズに影響があります。

プロセスルールの微細化が進むと歩留りが向上し採算性が向上

CPUは高度な製造技術を必要とし、材料であるシリコンウエハーも非常に効果です。そのため製品の不良率は採算性を左右する重要な要素です。そして回路が大きいほど一枚のシリコンウエハーから製造可能なCPU数が減る上に、不良率も上がります。逆にプロセスルールの微細化で回路が小さいほど一枚のシリコンウエハーからより多くのCPUを製造し不良率も低下します。

プロセスルールはCPUの消費電力にも影響

プロセスルールの微細化は演算性能の向上・採算性に貢献する上に省電力化ももたらします。回路全体が小さくなるほど電気抵抗が減り、動作に必要な電力は少なくて済むという恩恵があります。さらに電力消費が少ないほどCPU動作中の発熱も抑えられ、CPUクーラーの小型化やノートパソコンならバッテリー駆動時間延長など多くのメリットを生みます。

プロセスルール微細化は半導体開発の重要課題

プロセスルールの微細化はあらゆる面でメリットしかありませんが高度な技術を求められるため、すぐに微細化が進むわけではありません。最新のAMD Ryzen第3世代は7nmですがIntelは一部のハイエンド製品のみ10nm、普及製品に限っては14nmから脱することができない状況が続いています。Intelのプロセスルール微細化計画は大幅にずれ込んでおり、この遅れがAMD製品に全ての面において敗北する結果を招きました。

まとめ

プロセスルールの微細化は大幅な性能向上と高い生産性を見込めるためIntel・AMD問わず多くの半導体メーカーが取り組んでいます。順調に7nmで量産に成功し高性能でコストパフォーマンスの良いAMDと10nmより先に進めず性能の鈍化と高価格化を招いているIntelで差が開き続いており、Intelのプロセスルール微細化が進まない限りこの構図が変わることはなさそうです。

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