2019年 12月 の投稿一覧

冬場にパソコンが起動しない理由と対処法

寒い冬場の朝、パソコンの電源を入れても起動しない・デバイスや周辺機器のエラーが出てまともに使用できないことがあります。しばらくすると通常通り使えるようになりますが、それまでの間にメーカーサポートや販売店へ連絡やなど無駄な時間を使ってしまった経験があるユーザーもいるのではないでしょうか。そこで今回は冬場にパソコンが起動しない理由と対処法についてご紹介します。

半導体は低温下で通電しなくなる

トランジスタなどパソコンを構成する多くの電子パーツは一般的な温度の範囲内なら設計通りに作動しますが、寒すぎると通電しなくなる特性があります。冬場にパソコンの電源が入らないのはこのためであり、大型のヒートシンクで冷えやすいCPUやグラフィックボードへ通電できなければパソコンだけの力で暖機運転することはできません。また冬場のハードウェアエラーはすべてのパーツが通常動作できる温度に達していないことが原因のケースもあり、温度管理は冬場も重要です。

気温が5度を下回ると電源が入らなくなるトラブルが急増

カタログのスペック表には動作可能な室温の範囲が示されており、5度を下回ると多くのパーツが通電不良の状態に陥ります。エアコンなどを稼働させる前の室温が5度を下回る環境ではパソコンも冷え切っており、通電しない・通電しても通常動作しない状態がほとんどです。この状態から抜け出すにはパソコンを温めるしかなく、すぐに解決することは困難です。

エアコンで室温を上げてゆっくり温めるか電気カーペットなどで直接温める

根本的な問題解決として室温を暖房機器で上げることが理想ですが、パソコンが温まるまで時間がかかります。パソコンだけを温める方法もありますが、室温が低いままではキンキンに冷えた外気を取り込むことで状況が悪化することも考えられるためお勧めできません。それでも急いで温めたい場合は電気カーペットや湯たんぽをパソコンに近づけて温めましょう。

ドライヤーなど急激に温めると内部で結露してショートする危険あり

急いでパソコンを使いたいときにドライヤーやエアコンの温風に直接パソコンをあてることを考えつくかもしれませんが、外気とパソコン内部の温度差が激しすぎると内部で結露するリスクがあります。一度結露してしまうと取り除くことは難しく、そのまま高電圧が流れるパーツに触れればショートや火災といった一大事にもなりかねません。

HDDをメインストレージにしているならある程度のダメージは覚悟する必要がある

HDDは急激な温度変化による影響を受けやすく、製品寿命にも関わります。極端に寒い場所で電源投入後すぐにランダムアクセスし続けるような使い方はHDDにとって優しい使い方ではありません。メインストレージがSSDなら気にする必要はありませんが、HDDをメインストレージにている場合は酷使した分の影響が出ることを念頭に置いておきましょう。

まとめ

パソコンを置いている部屋を24時間温度管理することは難しく、どうしても動作範囲外の温度を下回ってしまうことがあります。そのような時は慌てずに部屋全体とパソコンを温めるだけで解決できます。しかし電源が入ってすぐは十分に暖まっているとは限らず、しばらく放置して様子を見ながら使うことをお勧めします。

無償アップグレードキャンペーン終了後もWindows10へアップグレードする方法と理由

Windows10のリリースと時期を合わせて始まった無償アップグレードキャンペーンは一年で2017年終了したものの、2019年現在もWindows7や8から無償アップグレードが可能です。ユーザーにとって嬉しいことですが、ライセンスの問題や後日に請求されるリスクなどを心配する声もあります。そこで今回は無償アップグレードキャンペーン終了後もWindows10へアップグレードする方法と理由についてご紹介します。

無償アップグレードの手順は従来通り2つある

公式の無償アップグレードキャンペーン時と同じく、正規のライセンスで認証されたWindows上からメディア作成ツールを起動する方法と、メディア作成ツールで作成したUSBメモリなどから起動してプロダクトキーを入力する方法の二つがあります。インストール済みのソフトウェアやデータを引き継ぐには前者の方法しかありませんが、正常に引き継ぎできるか補償はなく全体のバックアップは必須です。なおこれまでと同様にアップグレード後はプロダクトキーを再入力せずにWindows10を再インストール出来ます。

Windows7や8のパッケージ版には価値がある

OEM版やDSP版のWindowsはパソコン本体やパーツにライセンスが紐付けされており、他のパソコンへWindows10をインストールする際には使用できません。しかしライセンスの移行が認められているパッケージ版Windowsなら、Windows10をインストールしたいパソコンへ使用できます。中古市場で流れているWindows7や8はWindows10のDSP版よりも安価なので、あえてこちらを購入するという方法もあります。

無償アップグレードが続いている原因はMicrosoftの収益モデルの変更

MicrosoftはWindows製品の販売は個人ユーザーとハードウェアメーカーへ継続していますが、以前のようにOSの販売戦略よりも普及率を重視する方向へ変わっています。さらにOffice365などサブスクリプション方式による収益モデルへ転換したこともあり、無償アップグレードキャンペーンを継続することになったようです。自作パソコンユーザーがまだまだ少ない点を見ても、無償アップグレードを継続することで発生する収益損失よりもシェアの維持を揺るぎないものへすることが大切ということなのでしょう。

OEMライセンスの譲渡には要注意

パソコン本体に貼られているOEMライセンスのプロダクトキーシールは、そのパソコンが正規品のWindowsを搭載している証であり譲渡が許可されていません。ネットオークションなどでも出品されることがありますが違法なので手を出さないようにしましょう。無償アップグレードできるのはあくまで「正規ライセンス」であり、OEMライセンスのプロダクトキーを他のパソコンへ使用することはNGです。

まとめ

Microsoftのミスではなく、内部的戦略上続いている無償アップグレードですがWindows7のサポート終了に伴い利用者がさらに増えることが予想されます。突然終了することもなさそうですが、初めてWindows10へアップグレードするパソコンがあるなら早めに済ませてしまいましょう。また以前のパソコンで使っていたWindows7や8のパッケージ版ライセンスが残っているなら、捨てたり売らずにWindows10のライセンスとして活用がおすすめです。

Kaby Lake-Gの登場と終了について

CPUはIntelとAMD、GPUはNVIDIAとAMDがライバル関係にあり、AMDはCPUとGPUの技術を活かした製品で優位にあります。一方IntelはGPUに注力するも失敗しており、ゲーミング用途ではAMDかNVIDIA陣営のGPU搭載が必須です。

このような情勢の中でIntelとAMDでグラフィック内蔵型のCPUが登場し注目されています。そこで今回はKaby Lake-Gの登場と終了についてご紹介します。

Kaby Lake-Gは第8世代Intel Core iシリーズとAMD Radeonの融合

Kaby Lake-G自体は2017年にノートパソコン向けCPUとして発表されていましたが、製品としての流通は非常に少なくBTOやパソコンショップブランドのゲーミングノートパソコン、NUCに留まりました。

IntelとAMDの融合ということで話題性は十分でしたが、日本国内では目立った動きもない点は残念です。製品としては3D性能が低いIntel グラフィックスを定評のあるRadeon RX Vegaへ置き換えることでCPUとGPUの性能が非常に高い水準に達しており、基板サイズが限られるノートパソコンでは省スペース化に貢献しています。さらにCPUにGPUが内蔵されたことで一般的なゲーミングノートパソコンよりも冷却面で機体が持てます。

統合型グラフィック搭載のCPUとしては2019年時点で最高性能

AMDも自社主力製品にRadeon RX Vegaを内蔵していますが、シングルスレッド性能やIntelに最適化されたゲームではIntel製CPUに劣る面があり、Intel製CPUとRadeon RX Vegaの融合はまさに完璧な組み合わせです。

2019年時点でもKaby Lake-Gはグラフィック内蔵型CPUとして上位に位置しており、ミドルレンジのGTX1050Tiを搭載したパソコンとも互角以上のスコアをたたき出すことが可能です。

Kaby Lake-Gの製造は2020年7月で終了し、次期製品はない模様

ゲーミング用途として申し分のないKaby Lake-Gですが、大多数のメーカーが従来通りの非内蔵型グラフィックを選択したことで需要が伸びず2020年7月に製造を終了します。

さらにIntel側が新たな内蔵グラフィックのリリースに向けて開発を行っており、AMD Radeon RX Vegaとの融合もKaby Lake-Gだけで終わることになります。

まとめ

IntelとAMDの異色とも言えるコラボレーションはKaby Lake-Gだけで終わってしまいます。簡単に終息させるにはもったいないほどの高性能CPUなだけに残念ですが、2020年中は搭載製品を購入できるチャンスがあります。

もしコンパクトでパワフルなパソコンが欲しいなら在庫切れになる前にKaby Lake-G採用製品を早めに検討してみてはいかがでしょう。