2019年 3月 の投稿一覧

Microsoft Officeのインストール形式と違い

Microsoft Officeは複数のインストール方法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。インストール方法の組み合わせ次第では異なるバージョンのOffice製品を共存させることも可能であり、バージョンごとの互換性問題が多いOfficeでは実用性のある導入方法です。そこで今回はMicrosoft Officeのインストール形式と違いについてご紹介します。

マルチデバイス対応だが機能が限定されているストアアプリ

WindowsだけでなくAndroidやiOSでも使用できるストアアプリ版は液晶が10.1インチ以下のタブレットとスマホなら無料で使用できます。

ブラウザ上で動作するOfficeオンラインより多機能ですが、後述のフル機能版には劣ります。Windows環境ではフル機能版をインストールするとストアアプリ版は自動的に削除されてしまいます。

Office2010以降は一部の企業向けライセンスを除き廃止されたWindowsインストーラー(MSI)

Windowsインストーラー(MSI)はOffice以外にも一般的なソフトウェアをインストールする際に使われる汎用性の高い方法です。

Office2010まではMSIが使われ、Office2013とOffice2016は一部の特殊ライセンスでも利用可能でしたがOffice2019では完全に廃止されています。MSIを使ってインストールするとインストーラーに含まれたデータでインストールされ、その後にMicrosoftアップデートで最新にする必要があります。

Office2013から標準となったクイック実行形式

クイック実行形式はインストール途中でもソフトウェアを起動できる上にインストールイメージをネット経由で最新版を使うことでアップデートの手間がありません。

更新プログラムもMicrosoftアップデート経由ではなく、単独で自動インストール可能というメリットがあります。クイック実行形式はOffice2013から採用され、Office2019ではクイック実行形式のみがリリースされました。

クイック実行でインストールできるのはひとつのソフトウェアのみ

汎用性の高いMSIに対しクイック実行形式は特殊なインストール方法であり、一度クイック実行形式を使うとアンインストールしない限り再びクイック実行形式を使用することができません。これはOffice2013以降の製品を混在させてインストールできなくなったことを意味し、ユーザーにとっては大きなデメリットです。

かつては必要なOffice製品を単独で追加購入し、今使っているOfficeに加えることができました。しかしクイック実行形式の制限によりOffice Professionalのような上位パックを購入しなければならなくなり、手持ちのWordやExcelのライセンスが余る上に購入金額も跳ね上がるという問題が生まれています。

Windowsインストーラーとクイック実行形式は共存できる

複数のOffice製品をインストールできななったクイック実行形式ですが、従来のMSIを使ったOfficeなら混在させることが可能です。例えばOffice2010をMSIでインストールした後にOffice2013をクイック実行形式でインストール可能です。

Office2013とOffice2016ではクイック実行形式が基本ですが、ボリュームライセンス向けにMSIも用意されており将来的に他のOffice製品と共存させることが可能です。

まとめ

クイック実行形式はインストール後のアップデートなど優秀な面が多々ありますが、導入に当たっては新たな制約が発生しています。もし購入するOffice製品を間違ってしまうとOfficeパックを丸ごと買い直すことになり、Officeがバンドルされたパソコンを購入する際は要注意です。

MSIが使えるOffice製品を購入して共存させる方法もありますがOffice2019ではMSIが完全に廃止されたため、将来的にはOfficeパックの再購入かOffice365へ移行するしか手立てがなくなると思われます。Officeを購入する際はこれらのことに十分注意して必要なOffice製品を見極めましょう。

ソフトウェアライセンスのカウント方法とインストール台数

ソフトウェアを購入する際は必要なインストール台数とライセンス数を一致させる必要がありますが、利用形態や同時に使用するか否かでライセンス数を節約可能な場合があります。ライセンス数が減れば購入費用が安く済み、職場や家族全体で購入する際には大きな差がつくことも珍しくありません。そこで今回はソフトウェアライセンスのカウント方法とインストール台数についてご紹介します。

パソコン出荷時に付属しているOEM版はそのパソコンのみで使用でき、転用は不可

パソコンを購入するとOfficeなど様々なソフトウェアがバンドルされていますが、他のパソコンへ使用することやソフトウェアを分離して転売することはライセンス違反となります。これらのソフトウェアはバンドルされたパソコンでしか使用できないという限定的なライセンスであり、通常のライセンス形態とは大きく異なるため注意が必要です。

基本は1ライセンスにつきインストールは1台まで

一般的なソフトウェアは1ライセンスにつきインストールは1台までが原則です。もしパソコンが3台あり、全てのパソコンへインストールするためには3ライセンス分を購入しなければなりません。また他のパソコンへライセンスを移す際は一度アンインストールすることはもちろん、新しいパソコンではライセンスの再認証がスムーズに進まないこともあります。

単体購入したMicrosoft Officeは1ユーザー限定で2台までインストール可能

バンドル版ではないMicrosoft Officeは1人のユーザーが使用するという条件付きで2台のパソコンへインストールが許可されています。職場と自宅、デスクトップパソコンとモバイルパソコンといった同時に使用しないことが前提ですが購入費用は半額になりユーザーとしては嬉しいライセンス形態です。もちろん個人・企業問わず1人のユーザーに対して適応される条件ですので、インストールした2台を別々のユーザーが使用することはライセンス違反です。

サブスクリプション方式のMicrosoft Office365はインストール台数無制限だが同時使用は5台まで

1年間の使用料を払い続ける限り最新版が使えるMicrosoft Office365はライセンス形態が複雑でしたが、現在はインストール台数無制限で同時使用は5台という内容で統一されました。契約期間の1年間を過ぎると再び使用料の支払いが発生しますが、WindowsだけでなくMacやモバイル端末でもOfficeが使えるという強力なメリットがあります。もし家族で所有している機器が5台以下なら1ライセンスで全てまかなえてしまうため通常版やOfficeがバンドルされているパソコンを複数台購入するよりも安価と言えます。

ジャストシステムはインストール台数が製品やパッケージごとに異なる

一太郎などで有名なジャストシステムも1ユーザーが使用するという条件付きで2台のパソコンへインストールが可能な製品が多く存在します。ライセンス認証もMicrosoftほど厳しくないため旧パソコンから新パソコンへのライセンス移行も容易ですが、ジャストシステムがライセンス提供を受けている一部の製品は1台のみにしかインストールできないものもあります。複数のソフトウェアがセットになっている製品も個々のソフトウェアによってインストール台数が異なるケースがあり、安易に2台目のパソコンへインストールしないよう注意しましょう。

まとめ

ライセンス数とインストール台数は最も注意すべき内容であり、ソフトウェアメーカーが製品出荷後に変更を加えることも珍しくないため購入前やライセンス移行前には最新の利用規約をチェックすることが重要です。ユーザー側へ配慮したライセンス形態はMicrosoftやジャストシステムのような大手メーカーが主ですが、サブスクリプション方式が今後も増えてくれば1ライセンスにつきインストール1台という従来の方式も変わっていくかもしれません。

ノートパソコンを持って外出する際や非常時に役立つコンセント出力付きモバイルバッテリー

モバイルバッテリーは年々容量が増え、車のバッテリー上がりに対応できるジャンプスタートがある製品も流通しています。最近ではコンセント出力を備えた製品が各メーカーから発表され、地震や台風の被害で停電した地域でも活躍しました。

コンセントが使えれば停電していても一時的にパソコンとネット回線を使える可能性があり、キャンプなど長時間外出する際も電源で困ることがありません。そこで今回はコンセント出力があるモバイルバッテリーについてご紹介します。

コンセント出力できるバッテリー製品は使用方法に一部制限あり

製品によってはモーターを使用した一部機器が動作しないことがあり、使用出来ない家電を明記しているメーカーもあります。これはモバイルバッテリーから交流電源のコンセント出力へ電力変換する際に起きる問題ですが、ACアダプターを使う製品は影響を受けません。

ノートパソコンはもちろん、USB電源で充電・使用できない機器もACアダプターがあるなら多くの製品が使用可能です。他にもドライヤーなど一時的に大きな電力消費がある製品は使用出来ません。

ノートパソコンなら予備のバッテリーを購入するより安価に稼働時間を延ばせる

ノートパソコンの専用バッテリーは高価なため、モバイル用に追加の純正バッテリーを購入するよりも大容量のモバイルバッテリーを購入した方が充電の手間や購入コストを節約できます。

特にノートパソコン用のバッテリーは過放電すると性能が著しく低下するため、日々のバッテリー電圧チェックや継ぎ足し充電の労力が欠かせません。手間のかかる高価な専用バッテリーを何本も購入するより、大型のモバイルバッテリー一台で解決することが最も実用的な運用方法と言えます。

バッテリー容量はWhで比較する

Ah表記は電圧次第で数値が変わるため、電力総量であるWhで製品を比較します。もし30Whの製品なら30Wの家電を1時間稼働できるという意味です。ノートパソコンの消費電力は仕様表を確認すれば分かりますが、正確な消費電力はワットチェッカーを使って計測することがお勧めです。

コンセント出力付きモバイルバッテリーは海外メーカーが主力

国内メーカーからも販売されていますがラインナップは海外メーカーに大きく劣ります。携帯式のソーラーパネルと接続することでモバイルバッテリーの使用時間を延ばせる製品は海外メーカーしか販売しておらず、本格的に野外で使用したい際はAnkerやSuaokiといった海外メーカーから選ぶことになります。

Anker

モバイルバッテリーで有名なAnkerですが434WhのAnker PowerHouseを販売しています。4.2kgという重量はノートパソコン一台分以上あるため日々の外出時に携帯するよりは非常時や野外イベントでの使用に向いています。

サンワサプライ

41Whと容量が少ない分600gと軽量なバッテリー700-BTL025N を販売しています。飛行機持ち込み可能な電力量に抑えることでどこにでも持って行ける製品です。ノートパソコンと一緒に毎日携帯できるサイズと重さでUSBも使えるため従来型のモバイルバッテリーからの買い換えに適しています。

Suaoki

他のメーカーが極端な大容量か低容量に偏るラインナップの中、96Wh・150Wh・222Wh・400Wh・500Whとユーザーの使用目的に合わせた容量を細かく選択できるのはSuaokiのみです。交流モーターが使える純正弦波タイプのバッテリー製品もあり、いざという時はもちろん野外ライブなど様々場面で活躍できます。

まとめ

ノートパソコンは年々省電力化が進んでいるとはいえ、大幅に稼働時間を延ばすにはセカンドバッテリーは必需品です。コンセント出力があるモバイルバッテリーなら鞄を一回り大きくすることで携帯でき、災害時にも活躍できます。

USBしか使えないモバイルバッテリーよりも少し大きくかさばるデメリットはありますがコンセントという万能さは非常に魅力的です。どんな状況でもパソコンが手放せない職業なら一台持っておくと車内や屋外での電源確保が解決すること間違いなしです。

個人でプロキシサーバーを立てるメリット

プロキシサーバーは匿名性を高める目的で使われることが多いですが、個人で構築してプライベートなプロキシとして運用することもできます。一般に公開されているプロキシと違いプライベートなプロキシなら回線も速く快適な以外にも利点があります。そこで今回は個人でプロキシサーバーを立てるメリットについてご紹介します。

外出先からVPNよりも簡単に安全なネット閲覧ができる

VPNは個人利用でも利用が進んでいますがOSごとにプロトコルに制約があり、あらゆるデバイスをひとつのVPNでまとめるには知識と多額の導入コストが求められます。しかしブラウザに特化したプロキシサーバーなら運用開始までの敷居が低く、個人ユーザーでも手を出しやすい存在です。さらに個人でプロキシサーバーを立てれば、第3者が運営し一般に開放されているプロキシサーバーよりも匿名性が高まります。

Google Compute Engine上に構築すると海外からのアクセスに見せかけることができる

プロキシサーバーは低スペックなマシンでも充分なパフォーマンスを得やすく、Google Compute Engineのようなレンタルサーバー上に設置することも可能です。レンタルサーバーは世界各国に拠点があり、ユーザーはどこの国のサーバーを借りるか決められるため特定の国からのアクセスに見せかけることができます。日本で未提供のネットサービスや高速な海外のゲームサーバーへ接続するための中継地点として活用できます。特に日本からユーザー登録のページに進めないようなオンラインゲームやネットサービスではとても重宝します。

特定のサイトに特化したキャッシュ容量を増やすことで通信を高速化できる

通常プロキシサーバーは通信内容を一時保存し、次回以降のアクセスを高速化する機能を備えています。プライベートなプロキシサーバーならこのキャッシュ機能をカスタマイズし、よく利用するサイトへ割り当てるキャッシュ容量を増やすことができます。ブラウザのキャッシュと異なりプロキシサーバーなら一定期間より古いキャッシュを定期的に削除するなど設定の自由度が高く、ストレージ容量が許す限りいくらでもキャッシュ可能です。

Windows上から起動できるプロキシサーバーもあるがサーバーの基本であるLnux版が優秀

Windows上で動作するプロキシサーバーソフトウェアはSquidやBlackJumboDogが有名ですが、ネットワーク攻撃にはLinux系OSの方が強いため常用するならWindowsは避けましょう。さらにWindowsは定期アップデートで月に数回再起動させる必要もあり、常時させる上で障害になります。

まとめ

プロキシサーバーは法人用途でも昔から広く使われてきたためあらゆるデバイスで使用できる機能であり、多機能なためいろんな使い道があります。もし第3者が運営するプロキシサーバーを使っているなら、より自分好みにカスタマイズしたプライベートなプロキシサーバーを立ててさらに便利に活用してみてはいかがでしょうか。