パソコンのメインメモリはOSの起動時間短縮やゲームパフォーマンスを左右する重要なパーツの一つです。ゲーミング用途で販売されるパソコンも性能を引き上げたオーバークロックメモリを採用するケースが多い一方で、一般向けのパソコンにはJEDEC 準拠のメモリが主流です。
そこで今回はJEDEC 準拠のメインメモリについてご紹介します。
安定動作のJEDEC 準拠のメインメモリ
JEDECは半導体素子の世界標準規格を定めるもので、メインメモリの場合は動作クロック数やデータの待ち受け時間などが定められています。
JEDEC 準拠のメインメモリは対応する安定動作が期待でき、相性問題も少ない傾向にあります。性能はオーバークロックメモリには及びませんが、ゲーミング用途以外なら十分なパフォーマンスを発揮できるため長時間の動画編集や事務作業に適してます。
メモリモジュール内にはSPDデータという動作規格に関するデータセットがある
JEDEC 準拠のメインメモリのモジュール内にはSPDデータが格納されており、JEDEC 準拠の動作パターンが入っています。そしてマザーボードは起動時にSPDデータを読み込むことで安定性の高いメモリ動作設定を行います。
SPDデータには下位互換用の動作パターンも含まれており、メインメモリの規格よりも古いマザーボードでも動作可能なのはこのためです。
JEDEC 準拠であってもネイティブ対応メモリとオーバークロック対応メモリがある
メインメモリのDRAMチップはJEDEC 準拠にネイティブ対応の物とオーバークロック対応の物が存在します。ネイティブ対応の物は動作クロックを引き上げることなく設計値通りに安定動作することが期待できます。
一方、オーバークロック対応の物は定格よりも動作クロックを高めており、JEDEC 準拠ながらネイティブ対応の物よりも安定性を欠く可能性があります。よほどの理由がない限りJEDEC 準拠にネイティブ対応する製品を選びましょう。
メモリの増設時にもJEDEC 準拠のメインメモリが重要
大手メーカー製パソコンはメインメモリがシングルチャネル・1枚構成で出荷されることが多々あります。ゲーミング用途なら、ゲームパフォーマンスを考慮して工場出荷時に搭載されているメインメモリは使わず、デュアルチャネル・2枚構成にすることが理想的です。
もちろんメインメモリ2枚分のコストがかかりますが、一般的な用途ならそこまでする必要はほぼありません。そのため多くのユーザーが空きスロットにメインメモリを追加し、既存のメインメモリは残す選択しますが、JEDEC 準拠でない製品の場合は安定動作しないことが珍しくありません。
基本的にメインメモリの型番が同じで製造ロットは近い物同士の構成が安定しやすく、複数の型番のメインメモリが混在してしまう際はJEDEC 準拠の製品同士の構成にすることでトラブルが起きにくくなります。
まとめ
JEDEC 準拠のメインメモリは安定した長時間動作をさせる上で非常に重要です。オーバークロックメインメモリのように高性能というわけではありませんが、信頼性を求めるなら同一型番かつ同一製造ロットのJEDEC 準拠メインメモリの構成がお勧めです。
もしパソコンの動作が不安定だったりエラーが起きやすいならメインメモリから見直してみることをおすすめします。