2022年 10月 の投稿一覧

メモリはDDR4で十分は本当か?

すでにDDR5メモリが出回り始めて数か月がたちましたが、まだまだDDR4も現役で使われていると思います。

巷では「メモリはDDR4で十分」という説が有力ですが、果たしてこれは本当なのか。ベンチマークで検証してみました。

たしかにDDR4は十分すぎる性能

今回は、DDR4-3200(PC4-25600)とDDR5-5200(PC5-41600)をまったく同じ環境で動作させ、ベンチマークで比較しました。

ちなみに環境は以下のとおりです。
OS:Windows11
CPU:Core i7 12700
マザーボード:ASRock Z690 PG(DDR5)、ASUSTek TUF GAMING(DDR4)
ベンチマークソフト:PCMark10

PCMarkのメモリベンチマークモードは4つあるのですが、どの結果も大差なかったので「Standard」のみを記載しますね。

・DDR4-3200(PC4-25600)…スコア8745
・DDR5-5200(PC5-41600)…スコア8990

このようにスコアは3%程度の差しかなく、実使用ではまず体感できないレベルの違いしかありません。

実際に2つのメモリを搭載した環境でそれぞれ3Dゲームをプレイしてみましたが、言われなければ何も感じないというレベルですね。

DDR4とDDR5の価格差、入手性などを比較

DDR4が登場したのは2014年、DDR5は2020年ですが、実際にDDR5がしっかり出回るようになったのは2021年に入ってから。

DDR4は中古も含めて非常に流通量が多く、まず入手できない店はありません。しかしDDR5は見かけたり見かけなかったりと、まだ流通が安定していないように感じます。

ちなみに最もよく売れているであろう8GBのメモリモジュールの価格は以下のようになっています。

・DDR4-3200(PC4-25600)…8GB1枚あたり3000円~5000円程度
・DDR5-5200(PC5-41600)…8GB1枚あたり9000円~12000円程度

それぞれの規格の上位モデルで比較してもこのくらいの差があります。DDR5は一つグレードを下げてDDR5-4800(PC5-38400)にすればDDR4にだいぶ価格が近づきますが、それでもやや高い。

性能差が3%ほどしかないことを考えると、この価格差は許容しにくいですよね。私もまだまだDDR4で良いのかなと感じました。

DDR5特有のメリットは?

DDR5のメリットといえば、「DDR4比で転送速度が約2倍」「エネルギー効率が10%以上向上」などが挙げられます。

確かにこれらはDDR4よりも優れた点であり、数値で比較するとはっきりとした差が見えるものです。

しかし、DDR4に比べるとレイテンシが悪化していたり、極端に流通量が少なく高いというデメリットもあります。

実際にゲームや事務作業ではほとんど恩恵を感じられないため、2022年時点ではあえて乗り換える意味を見出すことが難しい状況です。

しかし、同じことはDDR3からDDR4への移行期でも発生していました。なので、流通量が増えて価格もこなれてくる2023年以降に移行するのがベターだと思いますね。

とりあえず2022年段階では、DDR4の価格性能比がとても優秀なので「DDR4で十分」という結果に落ち着きそうです。

2022年版 ゲーミングPCを最大限活用するための設定知識一覧

ゲーミングPCと一般的なPCの大きな違いは「チューニング(設定)項目が非常に多い」という点です。

そこで今回は、ゲーミングPC初心者に向けた設定項目の知識をまとめて解説していきます。

CPU、メモリ、冷却対策は必須

ゲーミングPCの設定ポイントは、「CPU」「メモリ」「冷却対策」の3つです。

CPU設定のポイント

特に第12世代以降のIntel製CPUを使用する場合は、設定が非常に大切です。

というのも、第12世代以降はPBPとMTPという項目の設定によってCPUの性能が大きく変化するからです。

PBPは従来のTDPと同じ意味を持つ項目であり、「通常使用時の消費電力」を指しています。以前のCPUでは「PL1(Power Limit1)」という表記でした。

これに大してMTPは「最大ブースト時の消費電力」です。従来のPL2に相当しますが、PL2よりも柔軟に動作クロックが変化するため、MTPの設定=CPU能力の最大値と考えて良いでしょう。

MTPの設定を変更するには、マザーボードのUEFIに入り、「Short Duration Power Limit」という項目を「AUTO」から任意の値に引き上げます。

無制限設定にしたければ、4000Wなど大きな数字を入力すればOKです。ただし、Z690などを採用したマザーボードでは、AUTOが事実上の無制限設定になっていることもあるため、その点は注意しましょう。

無制限設定かどうかを確認するためには、AUTOと表記されている場所の左側にある数字を見ます。この数字が2000W以上になっていれば、ほぼ無制限設定と考えて間違いありません。

また、ここがとても重要なのですが、MTP設定を無制限に引き上げたあとは、必ず「CPUクーラーもリテール以外に交換」するようにしてください。

MTPが無制限になるとCPUの温度が非常に高くなり、サーマルスロットリングが発生して性能が低下することがあります。

しかし、リテール以外の大型CPUクーラーで冷却能力を上げると、MTP定格設定+リテールクーラー装着時に比べて3割以上も性能が伸びる例が確認されています。

なので、「MTP設定の無制限化」と「CPUクーラーの交換」はマストだと考えておきましょう。

メモリ設定のポイント

メモリについても「XMP」という項目をUEFI上から設定することで、本来の性能を引き出すことができます。

XMPはOCメモリの内部に買い込まれたプロファイルのひとつです。XMPには定格動作よりも高い性能を引き出す動作クロック情報が書き込まれており、これをUEFIが読み込むことでメモリの動作速度が向上します。

XMP設定を反映させるには、UEFI内の「Overclock Tuner」や「X.M.P」という項目を探し、プルダウンメニューから「XMP」を選択したり、「Enable」を選択することで完了します。

マザーボードメーカーによって項目が違うのですが「モデル名+XMP設定」などで検索するか、メーカーのHPからマニュアルをダウンロードすることで見つかるはずです。

ちなみに、XMPの設定を適切に行うと、同じOCメモリでもベンチマークスコアが4~15%向上するという結果もあります。

冷却設定のポイント

冷却設定のポイントは、「ファンコントロール」の設定にあります。

マザーボードメーカーでは、Windows上から操作できるファンコントロールアプリを提供しているため、まずはこのアプリをインストールしましょう。

また、UEFIからファンコントロールが可能なモデルもあります。ファンコントロールでは「CPU使用率」と「ファンの回転数」を紐づけて設定できるため、冷却性能を自由に高めることが可能です。

CPUファンとケースファンの回転数を高めに設定すると、一気に冷却能力があがるため、ゲーム使用時には最適かもしれません。ただし騒音が増しますので、静音ファンへの交換も視野に入れておきましょう。

設定はゲーミングPCの命

ゲーミングPCは、チューニング次第で性能が100%引き出せることもあれば、50%程度しか使えないこともあります。

ここで紹介した3つは、いずれも必須項目に近いので、必ず見直すようにしてみてください。

PCゲーマーが選ぶ「ガチでリメイクしてほしいタイトル」は?

PCゲームの歴史は意外と古く、日本で本格的にPCゲームが普及したのは1980年代初頭のことです。

かの有名なPC8000か98シリーズで大量のゲームが生まれました。しかしその大半は現在プレイすることができません。

そこで今回は、過去の名作の中で「現代の技術を使って」リメイクしてほしいタイトルを選んでみました。

リメイクされたら本当にうれしい…過去の名作群

早速ですが個人的な好みのと周囲の知人の意見を踏まえて、ぜひリメイクしてほしいPCゲームを列挙してみます。

四次元の家

1983年に発売されたPC8000およびPC9800シリーズ向けのタイトルです。

8つの部屋で構成される時空的に閉ざされた家から脱出するという設定ですが、グラフィックは黒背景に白い線のみというあたりがこの時代の限界を表していますね。

内容としては脱出ゲームであり、ときおり現れるエイリアンとの戦闘もあり。しかし、むやみに敵を倒すと未来の自分を殺すハメになるという…何かと厳しい設定でした。

私はリアルタイムでプレイしておらず、叔父の所持していたPC9800をたまたま見つけて遊んだ記憶があります。

独特の世界観と、ノーヒントではかなり難しい設定でかなり魅了されました。ほとんど知られていない名作だと思うので、是非現代風にリメイクしていただきたいですね。

アンジェラス 悪魔の福音

こちらもPC9800シリーズ向けのタイトルで、1989年に発表されています。

原因不明の病気が蔓延するなか、邪教団の存在が明らかになり、徐々に戦いに巻き込まれるというストーリー。

当時としてはかなりグラフィックが凝っており、病気にかかった人の描写が真に迫っていて怖かったですね。

また、なぜか外国人のキャラクターばかりで日本製のゲームとは思えない世界観でした。現代のゾンビ系ドラマやゲームに通ずる部分が多いので、現代の技術力でぜひリメイクしてほしいですね。

スウィートホーム

カプコンから1989年に発売されたホラーゲームで、ファミコン向け。ちなみに同名の原作映画は、監督が黒沢清、製作総指揮が伊丹十三という豪華な顔ぶれで、映画は相当話題になったようです。

映画は版権の関係でビデオ・DVD化がされていないため、一時は視聴不可能な状態になっていました。最近はレンタルビデオ屋さんで結構普通に借りれますね。

映画版と同じように洋館を舞台としており、有限のアイテムや複数のパーティー操作など独特なシステムを持ったRPG。サウンドの凝り具合がかなりのもので、一人ではプレイできなかった記憶があります。

どうやらバイオハザードシリーズなど後世のホラーゲームに影響を与えているらしく、名作との評価が高いです。現在の技術力で間宮邸(舞台となる洋館)をぜひ再現してほしいですね。

ネオアトラス

こちらも初出はPC9800シリーズですが、プレイステーションやPC向けに何度かリメイクされています。直近では2016年にPC向け、2022年にはスマホ向けにリメイクされていますね。

航海+貿易を行いながら、土地の形状や伝説を自分の信じるままに確定させていくプロセスは秀逸。自分で世界を作っている感覚がたまりませんね。

個人的には、フィールドでのアクションパートや戦略パートを追加し、もう少し動きのあるゲームとしてリメイクしてほしいです。

世界中の遺跡を現在のグラフィックで再現し、VRコンテンツなどで体験できると最高なのですが…。

80年代終盤~90年代前半のゲームは傑作が多い

今回は個人的な思い入れをベースにリメイク希望タイトルを選んでみましたが、まだまだ名作は沢山あります。

80年代から90年代は「未知のものへの期待と恐怖」が入り混じった時代であり、これがゲームにも反映されていたのでしょう。とても魅力的なタイトルが多いです。

みなさんも、もしリメイクを希望するタイトルがあるか思い出してみてください。根気強く制作企業にアプローチすれば、もしかしたら道が拓けるかもしれません。

高すぎるRyzen 7000シリーズ。お手頃価格に落ち着くのはいつ?

2022年9月30日、ついに待望のRyzen 7000シリーズが国内で販売開始となりました。

Zen4アーキテクチャとSocket5を採用した新しいCPUとのことで、非常に注目されています。しかし、いかんせん「高い」ですよね。

そこで今回は、Ryzen 7000シリーズがいつ頃安くなるのかを過去の事例を参考にしながら考えてみたいと思います。

Ryzen7000シリーズの価格

では早速ですがRyzen7000シリーズのスペックと価格について見ていきましょう。

・Ryzen 9 7950X 16コア32スレッド 4.5~5.7GHz 170W:117800円
・Ryzen 9 7900X 12コア24スレッド 4.7~5.6GHz 170W:92500円
・Ryzen 7 7700X 8コア16スレッド 4.5~5.4GHz 105W:66800円
・Ryzen 5 7600X 6コア12スレッド 4.7~5.3GHz 105W:49900円

最上位は10万越え、というより大体12万円ですね。実売価格はもう少し下がると思いますが、しばらくは11万円台中盤で推移すると思います。

最も売れそうな「Ryzen 7 7700X」と「Ryzen 5 7600X」がそれぞれ6.5万円と5万円。円安の影響もあると思いますが、個人的には高いと感じてしまいます。

このラインはそれぞれ5万、3.5万円くらいで出してほしかったですね。特にRyzen 5 7600Xは、いわゆる「ミドルレンジ最上位」であり、最もよく売れるクラスのひとつ。

歴代のCPUを見ても、ミドルレンジの最上位は3万円台後半から4万円前後が大半でしたから、一気に5万円は少し抵抗を感じてしまいます。

Ryzen 7000シリーズが安くなるのはいつ?

大半の人が気になるのは「いつ安くなるのか?」だと思いますが、過去の例を思い出してみると大体1年半~2年後くらいにはかなり安くなっていましたね。

古い例で恐縮ですが、Intelの「Core 2 Quad Q6600」は2007年年始の発売当初11万円でしたが、2008年の後半には3万円程度まで落ち着いていました。

そう考えると、まだまだ手を出すの早いような気がしますが、すでに一部の新し物好きの人々は購入を決めているようです。

しかし、Ryzen7000シリーズの問題は他にもあります。

そもそもワンセット揃えるのが異常に高い

Rynzen 7000シリーズはDDR5メモリやSocket5対応マザーボードなど、周辺のパーツも買い替えなければその恩恵を体感できません。

ちなみにDDR5メモリは16GB(8GB×2)で大体2~3万円程度、Ryzen7000シリーズ対応マザーボード(X670チップセット)が5~10万円程度です。

どちらもすさまじく高いですね…。特にマザーボードが異常なほど高いので、必然的にCPUを入れ替えるだけで15万円ほどかかってしまいます。

BTO価格も高止まりが続きそうだが…?

ちなみにドスパラの公式サイトをチェックしてみると、Ryzen 5 7600X+RTX 3060搭載のミドルレンジモデルが約28万円。

やはりRyzen7000シリーズで組むとかなり高額ですね。普通ならばハイエンドモデルの価格です。最上位の7900X搭載モデルは約42万円ですから妥当なのは間違いないのですが、決して手を出しやすい価格ではないですよね。

それでも、パーツ自体の価格が高いので決して「割高」というわけではないのです。BTO各社は十分に良心的な価格で出しており、自作したとしてもそれほど節約にはなりません。

どうしても欲しい方以外は、少なくとも来年春までは価格の推移を見守ったほうが良いかと思います。