2021年 12月 の投稿一覧

小型高性能PCにはSFX電源が必須?

一般的にゲーミングPC用の電源と言えば「ATX電源」を連想すると思います。

しかし、小型化が進む今、ATX電源よりもスリムなSFX電源を使用する人も増えてきました。果たして、今後の小型高性能PCにはSFX電源が必須になるのでしょうか。

SFX電源の強み

まず、SFX電源について簡単に紹介します。SFX電源は、簡単に言えば「MicroATX規格に合わせて作られた小型電源」のことです。

1995年にインテル社が制定したATX電源よりも幅、高さ、奥行きが小さく、ひとまわり小さい規格となっています。

ただし、SFX電源は以下のようにいくつかの種類があります。

SFX電源の種類

SFX(A)… 幅100mm × 高さ50mm × 奥行125mm
SFX(B)…幅100mm × 高さ63.5mm × 奥行125mm
SFX(C)…幅125mm × 高さ63.5mm × 奥行100mm
SFX(D)…幅100mm × 高さ63.5mm × 奥行125mm
SFX(L)…幅12.5cmx奥行き13cm

一般的なATX電源が幅150mm×高さ86mm×奥行き140~160mmですから、全体的にスリムな電源であることがわかりますね。

特に幅と奥行きが短いので、スリムタイプのPCケースにも設置しやすいという強みがあります。ATX電源はショートタイプでも奥行きが130mmほどですからね。

ちなみに、ATX電源にある「-5V帯」が省略されていまが、-5V帯はほとんど使用しませんから、実際には何のハンデもないということですね。

SFX電源がいまひとつ普及しなかった理由

「ATX電源よりも小型で、性能面で差が無いのならSFX電源でいいじゃないか」と感じるかもしれませんが、実際に市場に出回っている電源はほとんどがATX電源です。

SFX電源は、小型ゆえに内部のスペースに限りがあり、設計上、大容量化が難しいとされています。大容量モデルは価格が高く、同じ性能ならばATX電源のほうがコスパは良いのです。

数年前までは、一般的なSFX電源の容量は400W未満までが主流であり、PCゲーマーが求める容量(500W以上)の製品は少なかったのです。

ただ、ここ2年ほどで550W以上で、なおかつ価格もそれほど高くないSFX電源が増えたため、今後はATX電源のシェアを奪っていく可能性があります。

以下は、SFX電源の大容量モデルの一例です。

・COOLER MASTER「V SFX Gold 850W MPY-8501-SFHAGV-JP」(約14000円)
・FSP「DAGGER PRO 850W SDA2-850」(約16000円)

COOLER MASTERは2020年末に、FSPは2021年夏に上記の電源をリリースしており、ここ2年ほどでATXに負けないほどのコスパを持った製品が登場したわけです。

この価格と容量ならば、ATXよりも利便性が高そうですよね。実際に、小型の人気PCケースの中には、SFX電源専用のモデルもあります。

SFX電源必須の「MasterBox NR200P」

COOLER MASTERの人気PCケース「MasterBox」は、mini ITX規格に対応しながら冷却性能と拡張性を確保しており、小型PCケースの注目株です。

見た目もスタイリッシュで無駄がなく、しかも33センチまでのGPUも組み込めるという優れもの。ただしこのケース、SFX電源用のモデルです。(SFX-Lにも対応)

小さな筐体で拡張性を確保するためには、やはり電源スペースを削るしかないようですね。今後はこういった小型高性能PCケースが増えると思いますので、SFX電源にも目を向けておくことをおすすめします。

ゲーミングユーザー向けに低延伸な回線提供を実現するGGGG光

FPSなど即応性が求められるオンラインゲームを楽しむ上で、ラグやPing値の遅さは致命的です。いくらユーザーが素早く反応し操作したとしても、ユーザーの操作が反映される時にはターゲットが移動している・反撃された後といった悪い展開になりやすくプレイ体験を著しく阻害してしまいます。

さらにネット回線の応答速度が遅ければ画面上への反映にも時間を要し、対戦相手が高品質のネット回線だった場合一方的に負けることもありえます。

そのため、ラグが少ないPing値の低いプロバイダーは需要がある一方で、接続ユーザーが一定地域に固まっていると通信が混雑して逆に回線品質が下がるという地域性の要素も相まってなかなか安定が難しいという問題もあります。

しかし、このようなゲーミングユーザー特有のニーズに応えるプロバイダーも登場しており注目を集めています。そこで今回は、ゲーミングユーザー向けに低延伸な回線提供を実現するGGGG光についてご紹介します。

国内ゲームサーバーまでの接続経路やゲーム向け帯域確保により低延伸を実現

GGGG光は速度低下を招きにくいIPoE接続方式で提供され、従来のPPPoE方式よりも通信機域を広く確保した分、通常よりもゲーム向けに帯域を多く振り分けています。

また複数の経路を通ってゲームサーバーへ届いている通信を最適化し、最小経路で接続するなど様々な対策が為されています。

そのため地域的にネット回線の品質が低くても改善の期待が持てる上、家族で同時にオンラインゲームを楽しみたいファミリー層でも効果が見込めます。料金は月額1.320円となっており、どの程度改善するか次第でコストパフォーマンスは変化します。

ぷらら光かドコモ光でプロバイダーをぷららにしているユーザー向けオプションとして提供

GGGG光はオプション契約になっており、契約可能なのは「ぷらら光」か「ドコモ光」でプロバイダーにぷららを使用しているユーザーのみです。

NTTフレッツ光とプロバイダーというスタンダードな組み合わせで使用しているユーザーは回線契約の切り替えが不可欠であり、違約金や工事費用の負担が発生することになります。

さらにぷららは月額利用料が特別安い部類でもなく、GGGG光のオプション料も含めると割高な維持費がかかる計算になります。これらの問題から、気軽に移行は難しく一定のコスト負担も試算した上で申し込む必要があります。

効果があるかどうかはユーザーごとにまちまちで国外ゲームサーバーには期待できない

GGGG光はオプション契約故のハードルに加え、その効果についても不確定要素があります。あくまでGGGG光で改善するのは「回線の品質に起因する延伸」であり、宅内のLAN配線やパソコンといったハードウェア側で起きている延伸には一切効果がありません。

前述の導入コストをかける前にルーターやLANケーブル、LANボードのアップグレード等を検討すべきです。更に通信が最適化されているのは日本国内にゲームサーバーがある場合であり、海外にサーバーが置かれているゲームでは効果を期待しにくいという問題もあります。

まとめ

ラグやPing値の悪さはネット回線そのものとハードウェアに起因するため、まずは固定費のかからないハードウェアから改善を試みるべきです。

それでも全く改善しない場合に初めてネット回線の切り替えが候補に挙がりますが、ネット回線事情は日々変化しており今後もあらゆる種類の回線サービスが登場してくることを考えるとGGGG光がベストかどうかは個々のユーザーごとに異なる結果になりそうです。

2022年で切り替わるAMD AM4ソケット

AMDは世代を隔てたCPUの互換性を重視しており、チップセット設計やCPUソケットの規格を頻繁に変更しないというIntelとは正反対の製品開発を行っています。

Intelは同じチップセットやCPUソケットで1世代しかCPUに互換性がありませんが、AMDは4世代に渡ってサポート可能など自作パソコンを部品交換しながら使い続ける上で大きなメリットがあります。

しかしAMDも永久に互換性を持たせることはできず、Ryzenシリーズと一緒にスタートしたAM4ソケットも2022年にはAM5ソケットに取って代わられてしまいます。

そこで今回は、2022年で切り替わるAMD AM4ソケットについてご紹介します。

第1から第4世代RyzenはAM4ソケットで幅広く互換性があった

AM4ソケットはRyzenシリーズの登場と同じくしてリリースされ、第4世代の5000シリーズでも共通です。CPUと一緒にチップセットも世代を重ねましたが、いくつかの機能制限は付くものの各世代のCPUに対応することでユーザーは必要に応じて自由にCPUを交換・スペックアップが可能です。

一方IntelはCPUの世代を超えた互換性はCPUソケット・チップセット共になく、世代の異なるCPU交換はマザーボードも交換が必要でした。

マザーボードが替わればメインメモリ等も替わることも珍しくなく、実質的に丸ごと買い換えと言えます。CPUクーラーなどもIntelはCPUソケットの形状に合わせた追加パーツの有無を確認する必要があり、そのまま流用できるAM4とは大きく異なります。

CPUを交換すれば初代RyzenパソコンもWindows11完全対応に

Windows11では初代1000シリーズが非対応になってしまいましたが、最初期のチップセットでもUEFIのアップデートにより第3世代まで対応するためCPU交換を行えばWindows11の推奨構成要件を満たすことが可能です。

CPUは2021年11月現在、新品・中古共に入手しやすく、中古品でコストを抑えてWindows11に対応させ将来的に丸ごと買い換える際に下取りでコストを回収することも可能です。

互換性が高いのでマザーボードが故障しても交換用の製品を入手しやすい

マザーボードは一定期間生産後、再生産されることはほとんどなくメーカーが修理対応を打ち切った後の故障は丸ごと買い換えを意味します。

しかしAM4ソケット採用製品ならCPUの世代をほとんど気にする必要がなく、交換用のマザーボードを探しやすい・入手しやすい傾向にあります。

過去にも旧式化したAMD向けCPUソケットを採用したマザーボードを敢えて新発売するメーカーが度々現れており、Intelからシェアを奪還しユーザーを一気に増やしたAM4ソケットも将来的には同じ道をたどるのではないでしょうか。

まとめ

CPUソケットの変遷はAMDとIntelの設計思想が顕著に表れており、長く付き合えるAM4ソケットは自作派ユーザーと非常に相性が良い存在でした。

残念なことに2022年にはAM5ソケットの登場と同じくして世代交代してしまいますが、市場には膨大なAM4ソケット対応製品が流通しており既存のRyzenパソコンも数年先まで使い続ける際にパーツの入手性で困ることはなさそうです。

少数だけ販売されているCPU「AMD 4700S」とは

AMDはRYZENシリーズでCPUの販売シェアを大きく伸ばしており、IntelのCoreブランドと同じような各製品のランク付けをRyzen5やRyzen7という名称で行っています。

しかしRyzenシリーズと同じZENアーキテクチャを採用していながらRyzenの名を冠しないCPU製品もごく少数が流通しています。そこで今回は、少数だけ販売されているCPU AMD 4700Sについてご紹介します。

PS5やXBOX向けに製造されたCPUの選別落ちと噂されるAMD 4700S

AMD製CPUはゲームハードにも多く採用されており、昨今の主要なゲームハードはZENアーキテクチャ採用のCPUで出荷されています。高性能なCPUは一枚のシリコンウェハから生産可能な量が限られており、納品可能なスペックに満たない「選別落ち品」は性能ごとに分類され低スペックCPUや中スペックCPUとして出荷されます。

しかし、ゲームハード向けのCPUは仕様が特殊なため選別落ち品を市場に流すことが難しいという実情があり、専用マザーボードにはんだ付けされた状態で少量だけ出荷されるAMD 4700SはPS5やXBOX向けCPUの選別落ち品ではないかという憶測が流れています。

8コア16スレッドにGDDR6という特殊な性能

AMD 4700SはZEN2アーキテクチャを採用しており、8コア16スレッドとRyzen7に近い性能でありながらメインメモリはグラフィックボードやゲームハードで多用されるGDDR6という尖った仕様になっています。

このGDDR6対応という点がゲームハード用CPUの選別落ち品と噂される理由であり、他のAMD製CPUとはマザーボードに互換性がない原因です。

なおCPUはもちろん、メインメモリもマザーボードにはんだ付けされており増設や交換も出来ずほぼ完成済みのベアボーンキットや専用マザーボード一式と販売されることが主です。

安定供給はされないが比較的安価に購入出来るベアボーンキットとしては魅力的

CPUとメインメモリが一切変更できないというデメリットこそありますが、メインメモリは8GBと16GBの2ラインナップながら十分な容量がありAMD 4700Sの基本性能が高くゲーミング向けにも十分耐えられる性能があります。

市場への流通量は多くありませんが、そこそこ安い価格でハイスペックマシンが入手出来ることを考えるとお得と言えます。

まとめ

AMD 4700Sは知名度の低いCPUではありますが、十分すぎるほどの性能を持っておりゲーミングなどあらゆる用途に向いています。

またベアボーンキットは極小タイプに収めた製品もリリースされており、コンパクトで高性能なパソコンを探しているなら市場から消える前に購入することをおすすめします。

今後主流になるPCI Express 5.0

PCI ExpressはグラフィックボードやNVMe SSDとチップセットを繋ぐインターフェースとして長年採用され続けており、バージョンアップの度に通信速度が向上しています。

2021年現在はPCI Express 4.0対応製品が主に流通していますが、すでにPCI Express 5.0対応製品もリリースされ始め注目されています。そこで今回は、今後主流になるPCI Express 5.0についてご紹介します。

PCI Express 4.0から通信速度は2倍に向上

PCI Express 4.0では片方向16GT/sの性能を実現していましたが、5.0では2倍の32GT/sまで向上しています。x16接続では片方向64GB/sと圧倒的な性能であり、グラフィックボードはもちろん、NVMe SSDを複数枚接続する拡張ボードなどが十分なパフォーマンスを発揮出来ます。

またx1接続でも片方向2GB/sと実用的な性能を得たことでパソコン全体の省電力化やリリースに余裕が出るなど多くのメリットがあります。

グラフィックボードは補助電源コネクタの変更に注意

大電力を必要とするグラフィックボードはこれまで6Pinや8Pinの補助電源コネクタを使用していきましたが、PCI Express 5.0では新たに専用設計の12Pinコネクタが登場しました。

既存の6Pinや8Pinとの互換性がなく、600Wまで電力供給可能な仕様になっており対応する電源ユニットへの買い換えが必須です。

しかしミドルレンジクラスのグラフィックボードでは8Pinコネクタ等が継続して採用される見込みであり、12Pinは一部のハイエンドモデルに限定されそうです。

PCI Express 4.0への対応が遅かったIntelも今回は早々に対応するもx16接続一基のみ

IntelはPCI Express 4.0対応チップセットのリリースが遅れ、AMDのゲーミング市場躍進を後押しすることになりましたが、PCI Express 5.0に関してはいち早く対応しマザーボードも2021年10月に発売されています。

しかし、PCI Express 5.0なのはx16接続一基だけで、他は4.0という急造品とも言える仕様であり拡張性にはやや難ありです。一方AMDは2022年リリース予定のZEN4で対応し、DDR5へもIntelより早く対応する見込みです。

まとめ

グラフィックボードはもちろん高性能なNVMe SSDが十分なパフォーマンスを発揮するにはインターフェース側の高速化は必須であり、PCI Express 5.0は対応マザーボードとセットで普及が進む見込みです。

今回もIntelとAMDでチップセットの対応時期にずれがあり、DDR5やPCI Express接続製品のリリース状況と合わせて今後の同様は要注目です。