2023年 9月 の投稿一覧

超強力な内蔵グラフィック搭載「MINISFORUM UM690」のすごさ

ミニPCが普及し始めるようになり、ゲーミングPCの小型化に拍車がかかっています。しかし、ミニPC特有の問題である「グラボの弱さ」がネックである状況に変わりはありません。

特にスペースの制限があるミニPCでは、独立型のグラボを搭載できないため、CPU内蔵グラフィックに頼ざるを得ないのですが、これが明らかに性能不足。

しかし、ミニPCの雄「MINISFORUM」がその問題を解決してくれるかもしれません。

MINISFORUMとは?

MINISFORUMとは香港を拠点とする企業「BESSTAR TECH LIMITED」が展開するミニPCブランドです。

超小型PCでありながら、かゆいところに手が届くスペックとコスパの良さがウケて評判を呼んでいます。

そんなMINISFORUMの特徴は、何といっても「ゲーム用途でも使える」という点。普通、ミニPCはゲーム用途を除外して作られていますが、MINISFORUMのPCは独立型グラボを搭載していてゲーム用途でも力を発揮するものが多いのです。

最近ですと、Radeon RX6600Mを搭載したHX90なんかが話題になりましたね。ちなみにRadeon RX6600Mはラップトップ向けに開発されたGPUで、RTX 3050 Tiを上回る性能を持っています。

この優れたGPUの採用が、超小型PCをゲーミングPCとして成立させることに一役買っているわけです。

内蔵グラフィックのみのモデルも優秀

ところが、MINISFORUMのすごさはこれだけではありません。MINISFORUM UM690では、独立型GPUを使用せずにエントリークラスのゲーミングPCを成立させています。

具体的にはAMDの「RYZEN 9 6900HX」を採用していて、このCPUに内蔵されたRadeon 680Mがかなりの性能を持っているのです。

ちょうど手元にレインボーシックスシージがあったので、友人から借りたMINISFORUM UM690を使ってスコアを簡単に比較してみました。

・レインボーシックスシージ 1080P 中設定で比較
Radeon 680M(RYZEN 9 6900HXに内蔵、GPUコア数12、2.4GHz動作版)…約90
GTX 1650 Max-Q…118
Core i7-12700Hの内臓グラフィック(Iris Xe G7 96EU)…65

Intel CPUの内臓グラフィックの中で最高峰ともいえるIris Xeと比較しても35%ほどスコアが良いことがわかります。

またエントリークラスの独立型GPUである1650比で75%ほどの性能です。1650自体が決して高性能ではないものの、軽めの3DゲームではWQHDで60FPSを叩き出せる実力を持っています。

Radeon 680Mは内蔵グラフィックとしては破格の性能で、前時代のエントリークラスグラボと同等クラスの性能があると考えて良いでしょうね。

実際にプレイしてみると、フルHDかつ中程度の画質設定ならば問題なくプレイできました。予想よりもずっと良くできています。

コスパも超良好

超小型PCの宿命ともいうべき「コスパの悪さ」も克服してます。MINISFORUM UM690の価格は2023年9月現在で約78000円。

グラボだけで5万円超えが当たり前の時代に、軽い3Dゲームまでこなせるメモリ16GB、SSD512GBのPCが8万円を切るわけですから、これはかなりコスパが良いですね。

もしこの性能で満足できなければ、もうワンランク上のHX99Gを選ぶとよいかもしれません。こちらはRYZEN 9 6900HX+Radeon RX6600Mで価格は137000円。

メモリ32GBで、なおかつ超小型というメリットを考えると決して高くないと思います。私も久しぶりにミニPCの購入を本気で検討しています。今後も性能を犠牲にしない、実用的なミニPCが増えてほしいですね。

>> MINISFORUM Venus Series UM690の詳細

AMD独自のメモリ規格「EXPO」とは

ゲーミングPCはCPUやグラボの性能が注目されがちですが、これら主要パーツの性能を引き出すためにはメモリの動作も非常に大切です。

そのため、玄人になるほどメモリオーバークロックに注力する傾向があります。近年はIntelが発表した独自のメモリオーバークロック用拡張仕様「XMP」対応のメモリが注目されていますよね。

XMPの普及で、以前よりもずっとメモリオーバークロックは容易になりました。一方、AMDもこれに対抗するように「EXPO」を作ったものの、いまひとつメジャーではありません。

そこで今回は、AMDのメモリ拡張仕様「EXPO」について解説します。

そもそもメモリ拡張仕様とは何か?

EXPOの説明をするまえに、まずメモリ拡張仕様について簡単に解説します。

メモリ拡張仕様とは、メモリの動作設定を拡張するための規格です。

一般的に、コンピュータ製品用のメモリモジュールは、業界団体のJEDEC(JEDEC Solid State Technology Association)によって標準化されています。

規格というのは「DDR3 SDRAM」「DDR4 SDRAM」などのことですね。これらDDR SDRAM系の規格は、メモリモジュール内部のROM「SPD」という領域に動作に関する設定情報が書き込まれています。

基本的にメモリモジュールは、このSPD内の設定情報のとおりに動くのですが、逆にいえばSPDに手を加えることで規定よりも速い動作をさせることが可能です。

この、「SPDの設定情報に手を加える=拡張する」設定がメモリ拡張仕様です。冒頭でも述べたように、IntelならばXMP、AMDならばEXPOという拡張仕様が存在します。

メモリ拡張仕様は、メモリとマザーボードの両方が対応している場合に利用でき、起動時にUEFIから明示的に有効化することで効果を発揮するようになります。

実はライセンスフリーで使いやすいEXPO

IntelのXMPは、オーバークロック仕様メモリの代表格になりつつありますが、実はEXPOのほうが若干使いやすいのでは?という声があります。

というのも、EXPOはAMD独自の規格でありながら仕様はライセンスフリーで公開されていて、AMD以外のチップセットでも利用可能だからです。

しかしXMPのほうが発表が早く、AMD環境でも使えるようにマザーボードメーカーが造りこんでいたこともあり、メモリオーバークロックといえばXMPという状況になっています。

対するEXPOは発表からまだ日が浅く、UEFIのバージョンによっては使えない環境があることも事実。巷でもEXPO対応メモリはXMP対応よりも数が少ない気がします。

2023年時点ではXMPとEXPOの性能差はなし

さて、気になる性能差ですが、もとの規格が同じ場合で動作周波集も同じであれば、両者に性能差はほとんど無いそうです。

なので、メモリオーバークロック機能を使う場合に、XMPでもEXPOのどちらを選ぶかは好みの問題ですね。ちなみに私はなんとなくXMPを使っちゃってます。

EXPOはライセンスフリーなので、もしかしたら今後はIntel製チップセットを搭載した廉価マザーなどに乗ってくるかもしれません。

となれば、CPUとチップセットはIntel、メモリオーバークロックはAMD(EXPO)という組み合わせも十分にアリなのでしょう。

ちなみに現在でも、廉価メモリでは「XMP非対応でEXPO対応」というものが結構あります。このあたりがライセンスフリーの強みなんでしょうね。ぜひ今後のメモリ選びの参考にしてみてください。

世界は広い!グローバルで有名なeスポーツプレイヤーたち

日本ではいまひとつメジャーになりきれないeスポーツですが、海外では沢山のプロプレイヤーが活躍しています。

また、さまざまなゲームタイトルでレジェンド級のプロが生まれており、日本はまだまだ遅れているなと感じますね。

そこで今回は、グローバルに活躍する有名プロたちを紹介したいと思います。

Lee “Faker” Sang-hyeok

リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)のプロプレイヤーとして知られ、韓国のT1チームでプレイしています。現在はeスポーツのアイコン的存在ですね。

Fakerはリーグ・オブ・レジェンドを始める前は、ウォークラフトIIIをプレイしていましたが、次第に彼の優れたゲームセンスとプレイスタイルが注目され、リーグ・オブ・レジェンドのプロとしてのキャリアをスタート。

その後、SK Telecom T1に所属し、短期間でプロシーンでの成功を収めました。

Johan “N0tail” Sundstein

Dota 2のプロプレイヤーで、OGチームのキャプテンとして活躍しています。N0tailはTI(The International)で複数回優勝し、その名前はeスポーツ界で広く知られています。

N0tailは幼少期からゲームに興味を持ち、Warcraft IIIとDotaのModである”Dota Allstars”をプレイしていました。その後、Dota 2がリリースされると、彼はトッププレイヤーとして注目されるようになりました。

彼の遊び心あるプレイスタイルとリーダーシップスキルが、プロプレイヤーとして成功する要因となりました。

Lee “INnoVation” Shin-Hyung

スタークラフト2(StarCraft II)のプロプレイヤーとして知られ、韓国のTeam Liquidでプレイしています。INnoVationは高いテクニカルスキルと戦略的なプレイで注目を浴びています。

INnoVationは幼少期からゲームに興味を持ち、StarCraft: Brood Warをプレイしていました。彼の優れたマルチタスク能力と努力が、彼をプロプレイヤーとしての道へ導きました。

韓国のプロリーグでの活動を経て、StarCraft IIのプロシーンでも成功を収めました。

Sasha “Scarlett” Hostyn

スタークラフト2のカナダ人プレイヤーで、女性トッププレイヤーとして知られています。Scarlettは多くのトーナメントで成功を収め、そのプレイスタイルは独特で高く評価されています。

INnoVationは幼少期からゲームに興味を持ち、StarCraft: Brood Warをプレイし、韓国のプロリーグでの活動を経て、StarCraft IIのプロシーンでも成功を収めました。

Scarlettは幼少期からゲームに熱中し、StarCraft IIのベータ版がリリースされた際にプレイを開始。

彼女は非常に早い段階からプロプレイヤーとしての素質を示し、女性としても成功を収めることで、StarCraft IIコミュニティ内で注目を浴びました。

Felix “xQc” Lengyel

Overwatchのプロプレイヤー出身で、現在は人気のストリーマーとしても活躍しています。

xQcは元々Overwatchのプロプレイヤーとしてスタートしましたが、個性とプレイスタイルが注目を浴び、ストリーマーとしてのキャリアに転身しました。

Kuro “KuroKy” Salehi Takhasomi

Dota 2のプロプレイヤーで、Team Nigmaのキャプテンとして知られています。KuroKyは長いキャリアを持ち、Dota 2のシーンで重要な役割を果たしています。

KuroKyは幼少期からゲームに興味を持ち、Warcraft IIIのModである”Dota Allstars”をプレイしていました。その後いくつかのゲームを経て、Dota 2がリリースされるとプロとしての活動をスタートさせました。

トッププロは「複数のゲームをプレイ」

このようにトッププロの経歴を見るとわかりますが、彼らは成功を収めたゲーム以外にも複数のゲームをプレイしています。

また、最初にプレイしたゲームで成功を収めるケースは稀で、だいたい2~3つ目のゲームでブレイクしていますね。さらに小さいころからゲームに慣れ親しんでいる方がほとんどです。

ゲームスキルを鍛えるにはさまざまなゲームで遊び、洞察力や観察眼を磨くことが大切なのかもしれません。

CPUの殻割り(Delidding)によるメリットとデメリット

オーバークロッカーには、稀に「殻割り」でCPUの性能を向上させる人がいます。最近は殻割り用のツールもでているので、昔に比べると敷居は低いかもしれません。

しかし、殻割りにはリスクが伴うため、実はあまりおすすめできない方法です。今回はCPUの殻割りによるメリットとデメリットを紹介します。

CPUの殻割りとは?

CPUの殻割りとは、CPUの外殻である「IHS: Integrated Heat Spreader」を取り外すことを指します。

IHSはCPUチップを保護し、熱を拡散する役割を果たしていますが、その一方で熱伝導を妨げているとも考えています。

そのため、IHSを取り外してチップと冷却ソリューション(CPUクーラーなど)を直接的に接触させたり、接着剤を熱伝導性の高いものに変えたりしてオーバークロック耐性を強化するという方法が採られてきました。

殻割りのメリットとリスク

では、殻割りのメリットとリスクを具体的に整理してみましょう。

メリット

熱効率の向上

前述のようにIHSを取り外す、接着剤の交換などの処理を行うことで、熱伝導率が上がって冷却効率が良くなり、結果的に高いパフォーマンスを実現できます。

オーバークロック耐性の向上

殻割りが直接CPUの性能を高めるわけではありませんが、冷却効率が良くなることでオーバークロック耐性があがり、結果的にオーバークロックで到達できる上限値が拡がる、という理屈になります。

また、CPUをより高いクロックで稼働させても落ちにくくなるなど安定性の向上も期待できるでしょう。特にローエンドCPUで殻割りによるオーバークロックが成功すると、コスパが爆発的に上がるので、何年かに一度話題になりますね。

リスク、デメリット

反対にリスクもあります。と言うよりもリスクのほうが大きいです。

保証の喪失

最もおおきなリスクがこれですね。デメリットと言ったほうが正しいですが、CPUのメーカー保証はIHSを取り外した瞬間に無効になります。

Intel、AMDともにボックス版を新品購入した場合、保証期間は3年です。普通に使っていれば3年で自然に故障することはほとんどありませんが、殻割りの場合は1~2年で不調になり可能性も十分にあり得ます。

損傷のリスク

殻割りは、正しい手法で行わないと、CPUチップや基板を損傷するリスクがあります。特に頻繁にCPUクーラーの脱着を行うと、作業ミスやゴミの混入などでCPUが不調になることもあるので注意しましょう。

また、過度なオーバークロックを続けてしまうことも故障リスクを高めます。

殻割りの手法とツール

CPUの殻割りを行う際には、以下のような手順をとることが一般的です。

1.ツールの選定

専用のデリッドツール(殻割り用ツール)やキットを使用することが推奨されます。これにより、CPUを損傷するリスクを最小限に抑えることができます。

2.温める

CPUとIHSを圧着している接着剤をはがれやすくするために、ある程度熱します。

3.殻割り(デリッド)

デリッドツールを使用して慎重にIHSを取り外します。最近のものでは「hermal Grizzly Ryzen 7000 Delid-Die-Mate」などがありますね。Ryzen7000用ですが、サーマルグリズリー製なのである程度は信用できそうです。

4.クリーンアップ

IHSとチップ上の余分な接着剤をきれいに拭き取ります。正直なところ、ここが一番気をつかうポイントではないかと思います。殻割りに成功して一息ついたタイミングでガリッとやらないよう、注意しましょう。

5.再接着

熱伝導性の高い接着剤を使用してIHSを再接着します。

リスクに見合うかどうかを見極めよう

CPUの殻割りは、パフォーマンスを向上させるための一つの手法ですが、正しい手法とツールを使用しないとリスクが伴います。

最近のCPUは殻割りなどするまでもなく、十分すぎるほどの基礎性能がありますし、電力設定や自動OC機能などで自然な緩急がつく仕様です。

したがって、無理にピーク性能を引き上げる必要はほとんどありません。もしどうしても殻割りをやりたい!というのであえれば、まず不要になったCPUなどで練習してみることをおすすめします。