2020年 12月 の投稿一覧

CentOSのサポート終了とその影響

サーバーOSはLinuxのシェアが圧倒的であり、中でもUbuntuやCentOSといったディストリビューションが大多数を占めています。

個人、法人問わず様々な分野で安定した実績のあるCentOSは日本国内シェアも高く、日本語であらゆる情報を得られることもあって初めてLinuxサーバーに挑戦するユーザーにとってもCentOSは心強い存在です。

しかしCentOSのリリースとサポートに大きな変更があり、運用中のユーザーに大混乱が巻き起こっています。そこで今回はCentOSのサポート終了とその影響についてご紹介します。

商用ディストリビューションであるRed Hat Enterprise Linuxの無償版がCentOS

有償で販売されている商用ディストリビューションのRed Hat Enterprise Linux(RHEL)を元に開発されたディストリビューションがCentOSであり、RHELに含まれていた有償ソフトウェアを含まないようにすることで誰でも無償で入手・利用可能です。

CentOSはアップデートのサポート期間が非常に長く、頻繁なメジャーバージョンアップを想定していないサーバープログラムなどに向いています。

突如サポート期間が変更され大混乱

ひとつのメジャーバージョンに対し、約10年前後のサポート期間を設けていたためサーバーの長期運用を可能にしてきたCentOSですが突如2020年12月にサポート期間の変更が通達されています。

その内容は現行のCentOS8の開発を一年後である2021年末日に終了し、以後アップデートも停止するというもので2029年頃まで運用できることを想定してたユーザーにとって受け入れがたい内容でした。

CentOSを開発終了し、「CentOS Stream」へ専念するというのが運営側の理由ですが、一年間しか猶予がなく業務用途などで導入している場合は早急に移行先を決めなければならない状況です。

真の理由はRHELの業績不振?

今回の突然の変更は、RHELのリリースを支援するためのディストリビューション「CentOS Stream」へ専念するという理由ではありますが、商業的に行き詰まったRHELへの流入をもくろんだ結果という見方もされています。

実際に商業ディストリビューションのRHELはシェアが数%から伸びず、強引な運用変更でCentOSと互換性のあるRHELへ顧客流入を目論んだとしても不思議ではありません。

CentOS8からCentOS7へバージョンを戻し移行先を改め検討が最善か

サポート期間の変更はCentOS8だけであり、旧バージョンに当たるCentOS7はこれまで通り2024年6月まで開発とサポートが続きます。

LinuxOSの核であるカーネルも大きくバージョンを下げることになりますが、動作要件を満たすことが出来るのなら従来通りの使い方が可能なCentOS7への避難が現実的と言えます。

まとめ

突然サーバー界を賑わせたCentOS8のサポート終了は多くのユーザーを巻き込みかねない事案に発展しつつあります。

一時的にCentOS7へ戻し延命しても現時点で後継のディストリビューションは存在せず、互換性のある有償のRHELか互換性のない他のディストリビューションを選択しなければなりません。

CentOSは歴史あるディストリビューションだけに開発終了は残念ですが、今後CentOSのような存在になるディストリビューションが登場する可能性もあり今後の動向は要注目です。

ハイレゾ音源に最適な可逆圧縮のFLACとWavPack

ハイレゾ音源は従来のCDでは収録できなかった高音質データであり、臨場感が豊かなことから普及が進んでいます。またファイル形式もMP3に代表される非可逆圧縮の音声フォーマットとは異なり、収録時のアナログ音源を再現可能な可逆圧縮が一般的です。

ファイル容量では非可逆圧縮にはかないませんが、実用的なファイルサイズ内により広域の周波数までカバーすることでハイレゾ音源データを容易にも持ち運び可能です。そこで今回はハイレゾ音源に最適な可逆圧縮のFLACとWavPackについてご紹介します。

商用販売を含め主流はFLAC

ハイレゾ音源のファイル形式として主流はFLACであり、様々なOSや再生機器が対応しています。オリジナルのWAVE形式などからFLACへ変換するエンコードは圧縮率を上げるほど顕著に時間がかかるほど処理能力が求められます。

しかし再生時の負荷は非常に少なく、早送りや狙った位置から再生させる操作は軽快です。また無圧縮で保存するためのFLAC Uncompressedというオプション仕様も存在する他、データが破損してもその前後部分は影響を受けない強固なファイル構造を採用しています。オンラインのハイレゾ音源販売でもFLACの採用が多く、今後も主流な形式と思われます。

再生処理が軽く圧縮率も優秀なWavPack

WavPackはオープンソースで使用料金の発生しない可逆圧縮形式です。圧縮率はFLACよりも優秀な上、再生時の負荷も非常に少なくFLAC同様に様々なOSや機器で再生可能です。

またハイブリッドモードと呼ばれる非可逆圧縮の音声と補正データを生成し、可逆圧縮を実現させています。可逆圧縮の音声データだけでも再生可能なため、アーカイブ用に保管したデータ付きで保存し、モバイルデバイスには非可逆圧縮データだけを入れて容量を節約するという使い方も出来るのはWavPackならではです。

WMA Losslessなど衰退した可逆圧縮形式もある

FLACやWavPack以外にも音声向けの可逆圧縮形式がありましたが普及することなく終わった形式も多くあります。例えばMicrosoftが策定したWindows Media Audio自体は今でもあらゆるシーンで使われていますが、可逆圧縮のWMA Losslessは2003年に登場したものの普及しませんでした。

いくら可逆圧縮形式でも扱えるソフトウェアが増えなければ利用しにくく、ポータルプレイヤーなども対応しないため使い勝手の悪い形式になる典型と言えます。

まとめ

ハイレゾ音源のファイル形式はFLACやWavPackが主流ではありますが、日々新たな音声圧縮技術やファイル形式が登場しており、今後もこれらのファイル形式が生き残る保証はありません。

実際にFLACをベースに改良を施したTom’s lossless Audio Kompressorというフォーマットも登場しており、今後のハイレゾ音源向けファイル形式から目が離せません。

Amazon整備済み品として販売されている中古パソコン

中古パソコン市場はコロナ禍によるリモートワーク需要や高価な新品パソコンに手が出にくい世帯に人気があり急成長を続けています。

数年前の製品であってもネット閲覧やストリーミング再生には十分なスペックであることからも低価格な中古パソコンは注目されがちですが、故障や不具合などのトラブルに加え購入時のトラブルも多い傾向にあります。

そこで今回はAmazon整備済み品として販売されている中古パソコンについてご紹介します。

Amazon基準の検品に合格し、保証制度がある「Amazon整備済み品」

「Amazon整備済み品」はAmazonが直接整備した訳ではなく、認定業者がメンテナンスし販売する製品群を指します。オリジナルモデルとはストレージやメインメモリ容量などが異なるケースも珍しくなく、ベースモデルの製造型番が表記されることが一般的です。

そして整備基準は故障がないことに加え、30cm離れた目視確認で大きな傷がないことやノートパソコン等については80%以上のバッテリー容量が利用出来るかどうかが要件となっています。

ACアダプターや付属品は非純正品でも認定基準を満たすため、やや緩い審査内容ではありますが必要最小限はクリアしています。

保証期間180日は延長が出来ず、故障した際は買い換えになる

「Amazon整備済み品」は保証期間が180日間に設定されており、この期間内に故障した際は交換か全額返金を申請できます。

しかし、パソコンショップのように保証期間を延長できず、再販業者が独自にパーツの入れ替えなどを行うことが多いため製造元へ修理依頼をかけることができない特性を踏まえると180日間は決して長くはありません。

購入したユーザーは購入180日以後に故障した際、多くの場合はどこも修理を受け付けてくれず買い換えになってしまうでしょう。

これまで問題だった不良品や不正ライセンス品が届くことがない

Amazonは新品だけでなく、マーケットプレイスの中古品も以前より扱っており高価なパソコンやパーツでは購入後のトラブルが度々話題になっています。

中でも到着した製品が最初から故障していた開封品・中古品だったケースが多く、第3者を経由するとメーカー保証が受けられないパソコン業界の事情も相成ってユーザーが泣き寝入りせざるを得ない例もあります。

その点、Amazon整備済み品の保証内容はユーザー寄りの内容になっているためトラブルを避けやすくなっていると言えます。

まとめ

180日間という保証期間はネックですが、低価格でトラブルなく中古パソコンを購入出来るという点ではAmazon整備済み品は優秀です。

また外見のコンディションについては不問とされることが多い中古パソコン市場で、一定の品質を満たす商品だけを購入出来る点も大きなメリットです。

もし初めて中古パソコンを現物確認せずに購入するならAmazon整備済み品は最有力候補のひとつとなるかもしれません。