2020年 5月 の投稿一覧

SMR採用HDDとNASの危険な組み合わせとは

瓦記録方式とも呼ばれるSMRはより多くのデータを保存するための技術であり、2TB以上の大容量モデルで主に採用されています。一般ユーザー向けに流通しているHDDはSMR採用製品が多く、法人向けHDD製品は従来通りのCMRが多い傾向にあります。

個人ユーザーにも普及しているNASに使用するHDDについてはパフォーマンスや信頼性の面からCMRが推奨されていますが、実際にはSMRかCMRか公表されていないHDDも多く存在しています。そこで今回はSMR採用HDDとNASの危険な組み合わせについてご紹介します。

SMRはキャッシュを使い切ると読み書き速度が低下する

SMRはHDDのプラッタへ書き込みする際にデータトラックを一部重ねて記録することでデータ密度を向上する技術です。連続で大容量のデータを読み込んでも読み込み速度は低下しませんが、連続で大容量のデータを書き込むと書き込み速度が低下する特性があります。

これは重ねて記録するデータをブロック単位で管理しており、一度キャッシュしてから書き込むためです。キャッシュ容量は数十GBしかなく、100GBを超えるデータの書き込みは苦手です。

外付けHDDなどでは問題ないSMRもNASで使用するとトラブルの元

NASに使用するHDDはRAID構成を組むことが多く、各HDDの状態を常にチェックしながらNASは動作します。もしNASに大容量のデータを書き込んでSMRのキャッシュを使い切ってしまうとHDDの書き込み速度が極端に低下し、NASはHDDが異常動作したと判定するケースがあります。

同様にRAID構成を復旧する際も既存のデータを大量に読み書きすることで復旧の失敗やRAID構成が壊れてデータを失う事例もあります。

SMRかCMRか公表されていないHDDはサードパーティーの検証済み製品リストで確認可能

販売しているHDDがSMRかCMRか公表されていないモデルは多くあり、NASメーカーでは独自にSMR採用HDDをまとめた検証リストを公表しています。

NAS向けを謳うHDDについては多くのメーカーがSMRの採用をさけており、一定の情報開示もされていますが一部例外もあるため購入前のチェックは欠かせません。

NAS向けHDDのWD RedシリーズではSMRとCMRが混在しているため要注意

WesternDigitalのRedシリーズはNAS向けに高信頼性を謳っており、SMRを採用していない点も特徴の一つでした。

しかし2TB以上のRedシリーズでSMRが採用されており、実際にはNASに適さない場合がありました。全てのRedシリーズがCMRではない時点で安心して選べる製品とは言えないことは確かです。

まとめ

RAID構成を組みデータを守ることを目的にNASが選ばれることが多く、そのデータを危険にさらしかねないSMRはやっかいな存在と言えます。

実際にSMR採用HDDを使ったばかりにバックアップデータなど大容量ファイルの書き込み失敗や、故障したHDDを入れ替えて復旧させる工程でデータ消失を起こす事例は多数報告されています。

このようなトラブルを避けるには、WD Redシリーズのようにメーカーが仕様を公表していないHDDを避けるか検証サイトで入念に調べてから導入することが大切です。

ボイスチャットやゲーム配信で便利なノイズキャンセンリング

ゲーム配信やボイスチャットなどマイクを使うシーンでは生活音などの騒音の遮断がネックになることが多々あります。

特にペットや同居人がいる際は注意が必要な上、匿名性が求められる生実況などでは致命的なトラブルの元になりかねません。そこで今回はボイスチャットやWEBミーティングで便利なノイズキャンセンリングについてご紹介します。

マイクが内蔵されているノートパソコンでは環境音を拾いやすい

ノートパソコンにはモニターの上部にマイクが内蔵されることが多く、キーボードを押す音やパソコン本体の振動音などをダイレクトに拾ってしまいます。

また、口元とマイクまでの距離が長いため環境音と音声が混ざりやすく聞く側に優しくない場合も少なくありません。ある程度の環境音をカットするためにも口元にマイクがあるヘッドセットや卓上型のマイク購入を検討しましょう。

イコライザーやエフェクトで環境音を消すには限界がある

サウンド編集用のソフトウェアに加え、サウンドデバイス用のドライバには各種調整用にユーティリティーが含まれることが一般的です。

マイクに関しては音量を大幅に増大させるブースト機能や音声を強調させるエフェクトなどがありますが、誰の声なのか判別がつきにくくなるなど弊害もあり、完全に環境音を除去することは出来ません。

ノイズキャンセルマイク・指向性マイクは万能ではない

オーディオ機器として販売されているノイズキャンセルマイク・指向性マイクは低価格なものから高額な製品まで様々ですが、環境音が大きい場合は除去が困難な他、同居人の生活音やテレビの音まではカットが難しいというのが現実です。

他にも踏切の遮断機や緊急車両のサイレンなど室内にまで響く環境音も高性能なマイクほど拾いやすいケースもあり、価格とノイズキャンセル性能は必ずしも一致しません。

RTXシリーズのグラフィックボードを使っているならNVIDIA公式のノイズキャンセルソフトウェア「NVIDIA RTX Voice」がおすすめ

NVIDIAはAI技術を活用したノイズキャンセルソフトウェアとしてNVIDIA RTX Voiceを無償公開しています。動作及びインストールにはRTXシリーズのグラフィックボードが必要なためゲーミングユーザーならコストをかけずに導入可能です。

ボイスチャットやYoutube配信用のソフトウェアにも対応しており、オーディオデバイスの一つとして機能します。ノイズキャンセルできる対象は得意不得意がありますが、一般的なノイズキャンセルマイク・指向性マイクよりも効率よく環境音を遮断可能です。

GTX1000番台もインストーラーを改変することでNVIDIA RTX Voiceを導入可能

公式サポートから外れますがNVIDIA RTX Voiceはインストーラーの構成ファイルを編集すればGTX1000番台を搭載したパソコンでもインストール・動作可能です。

ミドルクラスのゲーミングパソコンでは2020年現在もGTX1000番台が選ばれることが多く、普及価格帯で流通しているため多くのユーザーがNVIDIA RTX Voiceを試すことが出来ます。

まとめ

高価なノイズキャンセルマイク・指向性マイクの効果は実際に購入しなければ分からず、コストに似合った性能を発揮できるのか何も保証がありません。

その点、NVIDIA RTX Voiceは対応ハードウェアさえ所有していれば無償で高性能なノイズキャンセル性能を手に入れることが出来ます。もしゲームプレイ配信やWEBミーティングで環境音に悩んでいるなら是非試してみることをおすすめします。

ソフトウェアWake On LanとハードウェアWake On Lanの違いとは

Wake On Lanは遠隔操作でパソコンの電源を入れるための機能であり、リモートアクセス時の基本でもあります。

最近ではリモートワークの需要からWake On Lanを活用するケースも多々ありますが、Wake On Lanはハードウェアで動作する場合とソフトウェアで動作する場合に分かれており初心者には敷居が高いのも事実です。

そこで今回はソフトウェアWake On LanとハードウェアWake On Lanの違いについてご紹介します。

Sステートによって必要なWake On Lanは変わる

Sステートはパソコンの電源状態を示すものであり、電源をWake On Lanで復帰させる際はどのSステートから復帰させるか確認が必要です。

それはWake On Lanがハードウェアとソフトウェアでそれぞれ復帰可能なSステートが異なるためです。さらにWindows10のハイブリッドシャットダウン使用時はハードウェアWake On LanもソフトウェアWake On Lanも使用できないため無効化しなければならないという事情もあります。

完全シャットダウン状態からの復帰はハードウェアWake On Lan

S5ステートの完全シャットダウン状態から復帰させるにはハードウェアWake On Lanが必要です。ハードウェアWake On Lanはマザーボード側の機能であり、OSに左右されないという特徴があります。

Wake On Lanのパケットを受信するLANもマザーボードに内蔵された有線LANのみです。電源トラブルなど不測の事態に備える点でもハードウェアWake On Lanは協力且つシンプルと言えます。

休止状態・スリープ状態からの復帰はソフトウェアWake On Lan

休止状態のS4ステート、スリープ状態のS3ステートからの復帰はソフトウェアWake On Lanが必要です。これは完全シャットダウンと異なり、S4・S3ステートではネットワークアダプタは電源が切れずにパケットを受信できるためです。

こまめに電源をON・OFFするよりも必要な時にスリープから復帰させる方が運用としてはスムーズですが、導入に関しては一定の知識が不可欠です。

増設したLANアダプタからの復帰はハードウェア+ソフトウェアWake On Lan

スリープ状態のS3ステート限定ですが、ノートパソコンや省スペースパソコンで多い有線LANを内蔵していない場合でもUSB接続のLANアダプタから復帰が可能です。

この場合は、USB接続のLANアダプタをソフトウェアで常に稼働させ、パケットを受信した際はマザーボードが復帰を許可するというソフトウェアとハードウェアの両方の機能を使うことになります。

ソフトウェアWake On LanはOS上から設定し、ハードウェアWake On LanはBIOS設定を変更する

ソフトウェアWake On Lanは主にドライバとその設定に依存します。ドライバの電源管理画面で復帰の許可を有効にしますが、ドライバが古すぎる場合や互換ドライバで動作している場合は項目自体が表示されません。

またマジックパケットに関する項目がない場合はLANチップなどがそもそもWake On Lanに非対応ということもあります。一方、ハードウェアWake On LanはBIOS・UEFI設定から有効化しますが、メーカーによってWake On Lan、WOL、Wake UP、PMEなど表記が異なります。もし項目が見当たらない際はマニュアルの参照とマザーボードのアップデートを試しましょう。

まとめ

ハードウェアWake On Lan、ソフトウェアWake On Lan、それぞれ復帰させることが可能なSステートが異なりますが、あらゆる事態を想定してどちらも正常に動作するように設定を突き詰めることが理想です。

ソフトウェアWake On Lanだけなら電源トラブルで完全シャットダウンされてしまったときに復帰できず、ハードウェアWake On Lanなら設定もれやユーザーアカウントを切り替えた際に電源設定が変わり意図せずスリープ状態になった際に復帰できません。

ハードウェア構成や使い方によって必要な作業は変わりますが、機能を正しく理解すればWake On Lanを使いこなすことに繋がります。

DQ10が別ゲーに!5年間のブランクで感じたこと

2015年にバージョン2の完結を持って引退したDQ10でしたが、年始に突然懐かしくなり復帰しました。

2020年4月現在の最新バージョンは5.1。全くの新規アカウントから開始して今、バージョン4.3まで進行しています。

そこで、この5年間でDQ10がどう変わったか、実際のプレイから感じた感想をまとめてみたいと思います。

育成・金策は格段に楽になった

まずDQ10に復帰して最も驚いたのが「スキルシステムの改修」でした。かつてのDQ10は、武器スキルが全ての職で共通であり、スキルポイントも少なかったことから、「やりたくない職のレベリングも必須」だったのです。

実際にプレイしたい職業は「戦士・僧侶」のみだったとしても、戦士と僧侶が使う「盾」や「スティック」「格闘」などを満足のいくレベルまであげるには、他の職もレベルを上げてスキルポイントを稼ぐ必要がありました。

しかし現在は、スキルポイントが職ごとに完全独立となり、なおかつ職業クエストで計500ポイントもらえることから、不要なレベリングはほぼいりません。

パッシブスキル取得のために、各職を30~32レベルにまで上げる必要こそあるものの、これはクエスト報酬や初心者サーバーに一定時間ごとに出現する「メタルーキー」を活用することですぐ終わります。

したがって、合計20の職のうち、本当にプレイした職業2~3つに絞って自由に遊ぶことが可能です。

また、金策についても、釣り報酬や宝箱などで「黄金の花びら」がばらまかれており、これを回収することである程度のゲームマネー(1000万ゴールド)は1か月程度で回収できます。

初心者がゼロから1000万ゴールドを貯めるのは、以前ならば至難の業でした。しかし現在では、特に苦労することなく、攻略サイトやブログを見ながら貯められます。

Wiiが切られたあとも軽い

DQ10はWiiでのプレイをベースに開発されていましたが、現在はプレイ対象ハードからWiiが切り離されています。

したがって、Wiiのスペック制限が外れ、徐々に重くなるのかな…と心配していました。しかし、相変わらずCPU内蔵グラフィックでもプレイできるほど軽いです。

もちろん、プレイヤーが多数いる「1サーバーのメギストリスやグレン」ではやや重いのですが、ローエンドGPUさえ積んでいればまず問題ありません。

DQ10用のマシンは、CPUにCore i5 6500、GPUにGTX1050を使っていますが、今のところ高解像度かつ全画面表示でもカクつきはありません。

さすがにFF14などに比べるとチープさが目立つグラフィックですが、モーションやアバターの優秀さから、安っぽさがないところはDQ10の強みかなと感じます。

5年前のミドルスペックでも何ら問題ない

実際のところ、復帰に際していくらかのお金が必要かなと思っていました。これはパッケージ代ではなく、ハードウェアへの投資です。

しかし、実際には「5年前のプレイしていたPCで、今も問題なくプレイできた」という結果となりました。

また、育成システムもかなり緩和されており、数千時間プレイしてやっとエンドコンテンツに辿りつける……という時代ではなくなっています。

前衛・中衛・後衛の職業をそれぞれ1つずつおさえておけば、大抵のコンテンツには参加できますね。プレイ時間としては大体300~500時間程度でしょうか。

ストーリーのシナリオは相変わらず秀逸で、リリース期間こそ伸びているものの、一定の品質は保っていると思います。

今からMMOを始めたい……と言う方は、実質的にDQ10かFF14の2択になるかと思いますので、是非参考にしてみてください。

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