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2022年版「SLI(GPU2枚挿し)」の意味を考える

SLIといえば、Nvidiaが誇るマルチGPU技術として一世を風靡しました。ゲーミングPC界隈でも、ハイエンドGPUの2枚差しが大流行したことがありました。

しかし、最近はSLI構成のゲーミングPCをあまり見かけませんし、SLI前提で自作する人もだいぶ減ったように思います。

そこで、現時点(2022年)において、SLI構成にどのような意味があるのか考えてみました。

基本的にSLIはもう必要ない

あくまでも私の個人的な意見ですが、すでにSLIは大半の人にとって不要になったと思います。

そもそもSLIは、ゲームタイトル側がGPUよりも先を走っていて、「性能を上げれば上げるだけ、ゲームが快適になる」という前提があった時代のものです。

つまり、単体のGPUではどうしても到達できない領域を2枚挿しで超えることで、ゲームタイトルが持つ世界観を存分に堪能できることがメリットでした。

しかし現在は、GPUの進化にゲームタイトル側がついていけていません。4Kや8Kは大半のゲームタイトルには必要ありませんし、フルHD画質を愛用する人もまだまだ沢山います。

わざわざハイエンドGPUを2枚挿して遊ぶほどのゲームがないのです。そもそも、RTX3090の性能をフルに活用するタイトルですら稀ですし。

また、マルチGPUに対応するタイトルもそれほど多くなく、実際にSLIを組んだとしても「SLIの性能を試すためのベンチマーク」のような遊び方がメインになってしまいます。

私は過去にSLIを組んだとき、あまりにも対応するタイトルが少ないので、結局1枚に戻して遊んでいました。手段が目的になってしまうので、それ以来SLIは組んでいませんね。

2世代前のGPUを底上げするという使い方

もし、GPUを差し込むPCIe×16のスロットが余っていて、なおかつ、今使用しているGPUと同じグレードのものが安く手に入るとしたら、SLIを試してもいいと思います。

例えば、GTX1070でSLIを組み、RTX2080クラスの性能を実現したい場合、中古のGTX1070を一枚買うほうがRTX2080を買うよりも安いですからね。

しかし問題は電源です。SLIを組む場合、最低でも700Wクラス、できれば800W以上は欲しいので、もし電源容量が足りていなければ買い替えなくてはなりません。

また、SLIにすることで電力消費の上下が激しくなり、それに伴ってシステム全体が不安定になることもあります。

SLIは1枚挿しと比較して、一気に1.8倍程度の性能を手に入れられる反面、故障リスクや電力消費の激しさといったデメリットもありますからね。

ちなみに、SLIにする場合は冷却対策も練り直す必要があります。エアフローがだいぶ変わりますから。

SLIを組むなら事前の準備は必須!

SLIを組むのであれば、まずNvidiaの公式ページで対応タイトルを確認しておきましょう。次に、電源容量の確認、エアフローの見直し、冷却能力の積み増しなどを進めます。

ここまで出来てはじめてSLIが組めると考えてください。ちなみに、SLIは見た目が非常にかっこよく、眺めるだけならば満足度が高いです。

しかし、実際の運用は電力消費や温度管理がこれまで以上に必要で、トラブルも結構あります。そのため「どうしてもやりたいタイトルがSLIに対応している」ことが確認できなければ、一枚運用がおすすめですね。

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