1980年代から90年代にかけて「テレビゲームは有害なもの」という風潮がありました。
今も一部でその傾向はありますが、逆に「頭の良さ」に貢献するという結果も示されています。
今回は、海外の研究結果を中心に「ゲームと頭の良さ」に関する興味深い内容をまとめてみました。
1日3時間で脳が鍛えられる?
まず、子どもにおけるゲームと認知機能の関連についての研究結果です。
「Video gaming may be associated with better cognitive performance in children」(National Institutes of Health, NIH)という研究には、ゲームのプレイ時間と認知機能の関係性が記載されています。
1日3時間以上ゲームをプレイする子どもたちは、ゲームをしない子どもたちと比べて、衝動制御と作業記憶のテストでより良い成績を示したとのこと。
この研究は、ゲームが脳の特定の領域(特に注意力と記憶に関連する部分)での活動を高めることを示唆しています。しかし、ゲームの過度な使用が行動やメンタルヘルスに及ぼす潜在的な影響についても指摘しています。
読解力と算数力が上がる?
「Effect of internet use and electronic game-play on academic performance of Australian children」(Scientific Reports, Nature.com)という研究では、読解力と算数のスキルに関しての報告が記載されています。
インターネットとゲームの使用が穏やかな場合、特に読解力や算数スキルにおいて学業成績に正の影響を与えるとのこと。ちょっとわかりにくいのですが、「ネットとゲームをほどほどにやることで、読解力と算数力が向上する」という内容ですね。
しかし、過度なゲームやインターネットの使用、特に中毒的プレイは、学業成績に悪影響を与えることがわかりました。まあこれは単純に学業がおそろかになるからでしょうね。当然といえば当然です。
ジャンルによって鍛えられる知能が異なる
最後は、プレイするジャンルによって鍛えられる知能が変わるというお話。
「Exploring the relationship between video game expertise and fluid intelligence」(PLOS ONE)という研究では、戦略ベースのゲームと一人称シューティングゲームをプレイするプレイヤーの間で異なる認知パフォーマンス特性が観察されました。
この研究では、流動性知能と作業記憶を測定するために標準化されたテストを使用し、これらの認知能力とビデオゲームのパフォーマンスとの間に相関関係があることを示しました。
言われてみれば、シューティングやFPSとストラテジーでは「使う筋肉が違う」と言われるほど頭の使いかが変わりますよね。疲れ方もなんとなく質が違う気がします。
私はストラテジー系のほうが好きなのですが、最近のバトルロイヤル系FPSは短時間でもぐったりしてしまいますし、翌日にも疲れが残ります。おそらく、このジャンルに関係する脳の機能が弱いのでしょう。
3時間程度であれば脳にはプラスの効果が多い
以上の結果から、中毒的なプレイさえ回避すれば、ゲームは脳にプラスの効果をもたらすと言えそうです。
おそらく3時間程度ならば、マイナスの影響をおさえられるのではないでしょうか。1時間はあまりにも短いですし、1日2回に分けて1.5時間程度が丁度よさそう。
ゲームが記憶、注意力、問題解決スキルの向上に関連する可能性は高いのです、仕事や生活に支障をきたさない範囲で楽しみたいところですね。
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