自作PCは基本的に「プラスドライバー1本+α」で組み立てが完了します。特に最近のPCはほとんど工具を使わずに済む「ツールフリー」が一般的ですので、工具はほとんど要らないのです。
しかし、「手作業は面倒」「もっと簡単に組み立てたい」という欲求から、電動工具を使ってしまう人々がいます。この電動工具、かなり気を付けないと実は危険なのです。
インパクトドライバーを使った友人の悲劇
私の友人が、インパクトドライバーを使ってPCを組み立てたことがありました。
インパクトドライバーとは、簡単に言えば電動ドライバーなのですが、通常の電動ドライバーよりもトルク(回転する力)が強いのです。
また、回転力と同時に推進力(掘り進める力)も持つため、木材や薄い鉄板への穴あけにも用いられます。
このインパクトドライバーをCPUクーラーのネジ締めに使ったようなのですが、トルクがありすぎるうえに本来不要な推進力もあったため、マザーボードがゆがんでしまったとのこと。
CPU周辺に歪みが出てしまうと、元に戻すのは至難の業…というよりも素人にはほぼ不可能です。結局そのマザーボードは廃棄処分となり、新しいマザーボードに買い替えていました。
ちょっと気になって検索してみると、やはりインパクドドライバーでCPUクーラーを取り付けたことで起動不可能になった事例があるようですね。
CPUクーラーの周辺にはメモリスロットがあり、このメモリスロットが歪んだことでメモリの取り付けができないという話もありました。
一昔前ならいざ知らず、現在のマザーボードは非常に高額です。3万~5万円のモデルが当たり前になっており、歪んでしまったときのダメージは計り知れません。
インパクトドライバー以外のNG工具
あまり使う人はいないと思いますが、サンダーやディスクグラインダーなどもNGですね。
どちらも木材や金属の表面を研磨するための工具ですが、これをCPUのヒートスプレッダ部分に使用したり、CPUクーラーの接触面に使ったりして駄目にした事例を見たことがあります。
研磨自体は正常に行えるのでしょうが、どちらも扱いが難しいうえに振動がすさまじいので、振動でパーツに歪みが出てしまったようです。
あとはボンド類でしょうか。ボンド類は成分をしっかり見極めて使わないと、電気が正常に流れなかったり、水分が付着してしまったりと故障の原因になります。
基本的にPCの組み立てにボンドは不要。例外的にヒートシンクの貼り付けなどで接着剤が使われていますが、どれだけ心配でも後からボンドを追加する方法はおすすめできません。
仮にマザーボードの回路面にボンドが付着すると、電気が正常に流れなくなり、不具合の遠因になるからです。
PC組み立ては「手」のみ
PCの組み立てに慣れていない段階ならば、工具は使わず「手」のみで組み上げることを意識してみてください。
工具を使いこなすには慣れが必要であり、大半の工具は精密機械であるPCの組み立てに適していません。個人的には電動ドライバーも不要だと思います。
まずは手のみでくみ上げ、増し締めにプラスドライバーを使うという方法が最も安全ですね。
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