データを保存するハードディスク、写真や動画は解像度の進歩にともないデータサイズもどんどん大きくなっています。4K で撮影した10分ほどの動画で3GBを超えます。写真も最近の高画質デジタルカメラで撮影するとRAW画像で一枚あたり20MBにもなります。
ゲームもグラフィックスがキレイになっていますし、最近ではオープンワールドといってマップ間のロードなく広大な世界を自由に移動できるものが人気です。そのため1つのゲームで50GBを超えるものも珍しくありません。
2TBの壁を超えて
長く続いていた2TBの壁
長らくハードディスクは最大容量が2TBでした。これはWindowsなどのOSが32bitだったことが主な理由です。正確にはマスターブートレコード(MBR)と呼ばれるハードディスクパーティショニング方法によるものですが。
64bit OSの登場や、MBRではないGPTという別のパーティショニング方法の採用によって、2TBを超えるハードディスクを使用できるようになったのです。そしてSeagateやWestern Digital、HGSTなどハードディスクメーカー各社から2.5TB、3TBのハードディスクが次々発売されました。
もっともコストパフォーマンスのよい記憶デバイス
現在では4TBのハードディスクも10,000円前後で購入することができます。6TB〜8TBで25,000円前後、10TBでは40,000円〜となっています。
普段使いであれば2TBを超える容量を使うことはあまりないためか、BTOパソコンに搭載されているものは2TBまでのハードディスクが多く、大きくても3TBまでになっていることが多いですね。
12TB(テラバイト)のハードディスクも登場
新技術によって実現した超大容量
2017年9月にはSeagate、HGST、10月にはWestern Digitalからついに12TBのハードディスクが発売されます。ハードディスク内にヘリウムガスを充填することでこの大容量を実現しているようです。
ハードディスクにはプラッタというデータを記録する円盤が入っています。ここに磁気ヘッドを使ってデータを読み書きするのです。ヘリウムガスで内部を充填することによって、磁気ヘッドの精度向上とプラッタの厚さの削減が可能になりました。
プラッタが薄くなったことで、これまで3.5インチのハードディスク内に5枚までしか入らなかったプラッタを、なんとか8枚入れることができるようになったのです。
でもそろそろ限界?
ヘリウムガス充填によって12TBまで容量を大きくしてきたハードディスクですが、物理的にもそろそろ限界を迎えようとしていると言われています。
理由は3.5インチという限られたサイズです。縦横の長さも厚みも厳格に定められており超えることは許されません。プラッタ枚数を増やすことも、プラッタに書き込むデータ密度も、これ以上大幅な容量増加に繋がることは難しいのが現状です。
そして現在はSSDがハードディスクに取って代わろうとしています。パフォーマンスを意識した構成でのファーストドライブはすでにSSDに椅子を奪われました。SSDは2.5インチというサイズながらも4TBがサムスンから登場しています。もしかすると10年後にはパソコンの中からハードディスクは無くなっているかもしれませんね。
データが大きい分、失ったときのリスクも大きい バックアップはしっかりと
ハードディスク一台あたりの容量が大きくなると、壊れた時のリスクが大きくなっていきます。ヘリウムガス充填のハードディスクは、専門のデータ復旧業者でもデータを戻すのは難しいと言われています。
何テラにも溜まった大切なデータは、バックアップやハードディスクをRAID構成にして、データをロストしてしまわないような工夫が必要かもしれません。
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