ハイエンドなマザーボードには、マザーボードに電力を供給するための8ピン「EPS12Vコネクタ」が2つ搭載されていることがあります。
このコネクタの両方に電源ケーブルを差し込む必要があるのか?という質問を受けました。今回は、EPS12Vコネクタの必要性と電力供給について紹介します。
EPS12Vコネクタは「両方とも挿すべき」
結論から述べると、EPS12Vコネクタは2つとも指すべきです。マザーボードのグレードによって1個or2個の場合があるのですが、1個の場合は悩む人はいませんよね。
しかし2個の場合、両方とも挿さずとも動作自体はOKなことが多いため、悩む人がいるようです。
最近はCPUに純正機能としてブースト機能が付与されており、これを多用する場合に電力が足りなくなる恐れがあります。
IntelのLGA1700を例に挙げると、ATX規格において4ピンのATX12Vなら最大192W、 8ピンなら384Wまで電力供給を可能としています。
つまり、8ピンのEPS12Vが二つなら768Wを供給するわけですね。これに対し、現状で最上位クラスのCore i9 13900KSは、 通常時150W、 Turbo Boost時には253Wを消費するとされています。
数字的には電源ユニット側の出力が足りていれば8ピン1つで十分なのですが、 電源ケーブルやVRMによる損失などを考慮すると余裕をもって2つ挿し込んでおくべきでしょう。
加えて、ミドルクラス以上のマザーボードではブースト時の消費電力目安を、 CPUメーカーの定格消費電力よりも大きく設定していることがあります。
したがって、上位CPUとの組み合わせを視野に入れたハイエンドマザーボードでは、EPS12Vを2基備えている場合が多いというわけです。
ちなみに、650W以下の電源ではEPS12V電源コネクタが一つしかないものが多いので、マザーボードにコネクタが二つある場合に悩む方もいるようです。
この場合は、8ピンコネクタを1つだけ挿せば動作自体は問題ありません。
参考情報1:主な13世代Coreシリーズの消費電力指標
ここで、第13世代Intel製CPUの消費電力を参考のために載せておきます。
型番:通常時(PBP)、 ターボブースト時(MTP)
Core i9-13900KS:150W、253W
Core i9-13900K:125W、253W
Core i9-13900:65W、219W
Core i7-13700K:125W、253W
Core i7-13700:65W、219W
Core i5-13500:65W、154W
Core i3-13100:60W、89W
参考情報2:EPS12Vコネクタのパターン別、最大供給電力
マザーボード上のEPS12Vコネクタは、大体次の4つのパターンのいずれかです。最大供給電力とともに覚えておくと良いでしょう。
・8ピン×1…最大384W
・8ピン×2…最大768W
・8ピン+4ピン…最大576W
・4ピン×1…最大192W
ちなみに現在売られているマザーボードは、大半が「8ピン×1」か「8ピン×2」です。また4ピン×1はほとんど存在していません。単純に電力不足なのでしょうね。
ということで、現実的には2パターンだけを覚えておけば問題ないでしょう。実際には、消費電力300Wを超えるようなCPUはほぼ存在しないと言ってよいので、8ピン×1で動作させても不具合が起こる確率は低そうです。
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