NvidiaのRTXシリーズが登場して以降、レイトレーシングとともに注目された「DLSS(ディープ・ラーニング・スーパー・サンプリング)」。
DLSSをしっかり活用できれば、GPUの処理能力を節約しつつ、フレームレートや画質を向上させることができます。
しかし、私の周囲ではレイトレーシングと同じくらい、「DLSSをちゃんと使っている」人を見かけません。果たしてDLSSは今後、しっかり普及していくのでしょうか。
DLSSの理論はゲーマーの夢をかなえる!しかし実情は…?
まず、DLSSについて簡単におさらいしておきましょう。
DLSSの正式名称は「ディープ・ラーニング・スーパー・サンプリング」です。要は「機械学習(の一種であるディープラーニング)によってフレームごとの描画を学習する」という仕組みが根底にあります。
もう少し詳しく説明すると、
- 同一シーンの中で高画質なフレームと、低画質なフレームを比較する
- 高画質なフレームの特徴を学習し、低画質なフレームの描画時に反映させる
- 最終的に低画質なフレームは高画質なフレームの特徴を持つようになる=すべてのフレームが高画質(っぽく)なる
という仕組みですね。これが何をもたらすかというと、低画質なフレームを描画するときと同じ処理コストで、高画質な描画ができます。
また、画質の高さからするとフレームレートが良い(=動作が軽い)という印象を持つ人も多いようです。まさに「低い処理能力でも段々綺麗になる」という都合の良い技術なのですが、実際はなかなかうまく動かないことも多いそうで…。
私の友人曰く「DLSSを有効にすると遅延が生じたり、エイムの精度が下がるときがある」とのこと。これはあくまでも一例ですが、理論上は優れているDLSSも成熟までには時間が必要なようです。
進化するDLSS、ついに第三世代へ
しかしDLSSは継続的に改善が進められており、RTX40シリーズでは「DLSS3」として実装されるとのこと。
今のところDLSS3が使えるのはRTX40シリーズのみです。「最新のグラボじゃないと使えないなら意味がない」と考える人もいそうですが、対応しているタイトルならばかなりの効果が見込めるようですね。
DLSS3の特徴は、「従来の比較学習に加えてフレーム生成も行う」という点です。DLSS2比で最大4倍のパフォーマンスとも報じられています。
また、フレーム生成時に発生する遅延については「NVIDIA Reflex」という遅延低減処理の統合でカバーするようですね。この技術により、DLSSを使わないモードと同じようなプレイが可能になるとのこと。
ちなみに、DLSS対応タイトルは着実に増えています。登場した当初は数十タイトルでしたが、2022年夏時点で200タイトルを超え、現在も増え続けています。
Nvidiaの動向を見ていると、どうやらDLSSには本気で取り組んでいるようで、技術開発と普及を同時に進めていますね。一過性の技術にするつもりは無いように見えます。
DLSS対応グラボはそろそろ買い時かもしれない
2022年夏ごろから本格的にグラボの価格が落ち着いてきており、2023年は「買い時」になる可能性が高いです。
DLSSがどんどん成熟し、対応タイトルも増えている今だからこそ、DLSS対応グラボを購入しておきたいですね。実は私もRTX30シリーズのどれかを買い増ししようかなと考えています。
ただ、もう少しRTX40シリーズが安くなってくれれば良いのですが…。これは時間がかかりそうなので気長に待つか、割り切って買ってしまうかしかなさそうですね。
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