ゲーミングPCといえば、高速なデータ通信が可能な「デュアルチャネルメモリ」が当たり前ですが、これには最低でも2枚のメモリモジュールが必要です。
しかし、近々商用化される新生代メモリ「CAMM2」では、デュアルチャネルを1枚のメモリモジュールで実現することが可能なのだとか。
今回は、一般にはあまり知られていない「CAMM2」について解説します。
CAMM2とは?
CAMM2は、「Compute Express Link (CXL) Attached Memory Module」の略であり、もともとはDell社が独自に開発したノートPC用のメモリです。
一般的なメモリモジュールであるSO-DIMMの半分以下の薄さで、なおかつ動作クロック上限(6400MHz)も突破できるとのことで、まさに新世代のメモリなのです。
下記は、一般的に言われているCAMM2の特徴です。
このCAMM2ですが、現時点(2023年12月)では一般向けに販売されていません。もともと、ワークステーション用に開発された専用のメモリだからです。
さらに、Dell社のオリジナルということで製造しているメーカーもなく、これまでは「ある民間企業が開発した独自技術」に過ぎませんでした。
しかし、アメリカの半導体素子標準規格を策定する団体・JEDECが、CAMM2を標準規格として設置することを発表。
つまり今後は、CAMM2規格のメモリモジュールをDell以外の民間企業が開発するかもしれないのです。
・高帯域幅: CAMM2は、CXLの高帯域幅を利用して、メモリとCPU間のデータ転送速度を大幅に向上させます。
・低遅延: CXL技術は低遅延を特徴としており、これによりCAMM2はレイテンシーを大幅に削減します。
・互換性と統合性: CXLはPCIeインターフェース上で動作するため、CAMM2は既存のハードウェアとの互換性を持ちます。
単体でデュアルチャネルを実現するCAMM2
CAMM2はデュアルチャネルメモリを有効にするために複数のメモリモジュールを必要としません。つまり、1枚のCAMM2メモリで2つのメモリチャネルを持つことができるわけです。
このことは、CPUと統合グラフィックスが使用できるメモリ帯域幅が広くなり、高いパフォーマンスを実現することにつながります。
個人的に思うのは、マザーボードのさらなる小型化に貢献しそうかなという点。マザーボードはデュアルチャネルに対応するためにどうしても2本のメモリスロットが必要でしたが、CAMM2を使用すればスロットを1つ削減できます。
メモリスロットを1つ削減できるとなれば、レイアウトの工夫次第で基盤の面積を小さくできるわけで、小型PCの高性能化に拍車がかかりそうです。
商用化は2024年以降
ちなみにSamsungは、LPDDR5 CAMM2を2024年に商用化する計画を発表しています。
Samsungの公式サイト(https://news.samsung.com/global/samsung-electronics-industry-first-lpcamm-ushers-in-future-of-memory-modules)によれば、
・So-DIMMと比較して性能50%アップ
・電力効率70%アップ
・実装面積60%向上(節約?)
とさまざまなメリットが謳われています。メモリの分野はストレージやグラボに比べると進化が遅いイメージでしたが、ここにきてブレイクスルーが起こるのかもしれませんね。
このページだけの特別価格!シークレットモデル!
G-Tuneのシークレットモデルが文字通り密かに販売されています。G-Tuneで販売されているゲーミングPCよりもとても安いモデルがあります。いつまで残っているかわからないので今すぐチェックすべし!