M.2 SSDが低価格化する影で、HDDがひそかに現在も進化し続けています。HDDはOptiNANDなど新しい技術の採用で、大容量化が進んでいるのです。
今回もHDD大容量化のカギを握る技術のひとつである「HAMR(熱補助型磁気記録)」について紹介いたします。
「HAMR(熱補助型磁気記録)」とは?
「HAMR(熱補助型磁気記録)」とは、Seagateが開発したHDD大容量化のための技術です。
2018年ころから知られるようになったこの技術は、HDDの大容量化、特に16TBの3.5インチHDDの製品化に貢献しました。2023年現在でも開発が進んでおり、第2世代HAMRとして最新のHDDに採用されています。
「HAMR(熱補助型磁気記録)」は、データの記録時にプラッタ(HDDの内部にある円盤状の記録装置)を加熱し、面密度を高めることでデータを記録する容量を多くするという技術です。
もう少し具体的に言うと、磁気ヘッドにレーザーを照射して過熱し、磁気的な安定性を保持したじょゆたいでデータの記録密度を高めているのだとか。
ちょっと私も明確にイメージできていないのですが、要はレーザーの過熱によって高容量化を果たしている独自技術、ということですね。
「HAMR(熱補助型磁気記録)は開発当初、一般のPC用HDD向け技術ではありませんでした。もともとは、大型データセンターに配備されるアクセス頻度が少ない大容量ストレージ向けの技術だったそうです。
つまり企業向けの技術だったわけですが、だんだんと廉価版のHDDにも適用されるようになり、今では一般のPC用HDDにも取り入れられています。
HAMR搭載のHDD容量はどのくらい?
すでにウェスタンデジタル社では、OptiNANDを採用したHDDとして20TB以上の大容量モデルを販売しています。
これに対してSeagateも同じく20TBクラスの製品を販売していますが、同社のロードマップによればHAMRを採用することで50~100TBクラスのHDDも開発可能だそうです。
具体的には2026年に50TB、2030年には100TB超のHDDを提供すると発表しています。
ちなみに競合である東芝は、2023年に30TB以上のHDDも発売予定とのことで、HDDの大容量化は今後数年で一気に進みそうですね。
超大容量のHDDは非常に使い勝手が良い
実は私も最近、HDDを再び購入しました。SATA SSDとM.2 SSDはいわゆる「PC内部で頻繁にアクセスされるデータ」の保管場所として使うことにし、その他のデータはすべてHDDベースのNASに移行したのです。
20TB超の容量が簡単に手に入る時代ですから、めったにアクセスしないデータの置き場としてHDDは極めて優秀。
私の場合はNASにしましたが、3.5インチベイが余っているのならSATAでつないで内蔵してしまってもよいと思います。
1か月に一度、もしくはそれ以下の頻度でしか参照しないようなデータは全てHDDに押し込めるようにすると、SATA SSDとM.2 SSD内が非常にすっきりします。
また、スマートフォンのSDカードを圧迫している写真もすべてHDDに移行しておけば、わざわざ高いSDカードを頻繁に買い替える必要もありません。
その他、過去にプレイしていたゲームタイトルのプレイ動画や、ダウンロードした動画、スキャナで取り込んで画像データ化した資料なども保管しておけますね。
とにかく、めったなことでは容量不足にならないので、容量を気にせず何でも放り込んでおけるのは本当に便利です。
20TBクラスはまだまだ高価ですが、10TBならば2.5~3万円で買えてしまうので、一度購入すれば数年はデータストレージとして使用できます。
HAMRやOptiNANDなどでHDDが進化するにつれ、20TB超のHDDもどんどん安くなっていきそうですね。
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