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GTX1630は低価格ゲーミングPCにとっても微妙かもしれない

RTXシリーズがどんどん当たり前になり、旧世代のGTXシリーズはあまり見かけなくなりましたが、ここにきてローエンドなGPUが発売されるようですね。

そのGPUとはGTXシリーズの最も下に位置する「GTX1630」。果たしてGTX1630はローエンドゲーミングPCの希望になりうるのでしょうか。

GTX1630の具体的なスペック

NVIDIAが2022年6月28日に行った発表によれば、GTXシリーズの最下位に位置するGTX1630のスペックは以下のとおりです。※カッコ内は1650の数値です。

・アーキテクチャ:Turing,12nm FFN(1650、1650SUPERと同じ)
・GPUコア:TU117-150(TU117-300)
・CUDAコア数:512(896)
・テクスチャユニット数:32(56)
・コア周波数:1740MHz(GDDR5版:1485MHz、GDDR6版:1410MHz)
・搭載メモリ:GDDR6 4GB(4GB)
・メモリ速度:12Gbps(GDDR5版:8Gbps、GDDR6版:12Gbps)
・インタフェース:64bit(128bit)
・メモリ帯域:96GB/s(128GB/s、192GB/s)
・TDP:75W

このデータからわかることは次のとおりです。

・アーキテクチャ、GPUコアともに1650と同じ
・演算ユニットの数を減らし、動作周波数を挙げている
・以上のことから、GTX1650の性能を抑えたバージョンといえる

個人的な感想ですが、TDP75Wというのがどうも引っ掛かりますね。性能的にはRadeon RX 6400未満とのことなので、3Dゲームをプレイできるギリギリのラインなはずです。

その一方で、上位のGTX1650と同じTDPということなので、電力消費の面でのアドバンテージはほとんど無いことになります。

海外のレビューによれば、ゲームプレイ時の消費電力量は50W近辺になるようなので、エコといえばエコなのですが性能から考えると微妙です。

上位との差があまりにも大きい

GTX1630のようなローエンド帯のGPUは、だいたいハイエンド~ミドルレンジの製品が出そろったあとにリリースされます。

ほとんどの場合が直近上位モデルの性能を抑えたバージョンなのですが、GTXシリーズの場合はさらに上にRTXシリーズがありますよね。

RTXシリーズに最適化されたゲームが増えてきており、2022年時点ならばRTX3050~3060Tiをターゲットにしたタイトルがどんどん増えています。

RTX3050~3060TiとGTX1630の差は、GTXシリーズ単体だったころよりも遥かに大きく、「ギリギリの性能で可能な限り安く抑える」という方法が成立するのか疑問です。

端的に言えば、「安物買いの銭失い」にならないかと心配になってきます。かつてのGT1030のような立ち位置になると思いますが、あのときとは状況が違いますから。

GTX1630レベルの性能ならば、CPU内蔵のGPUやAPUであっても実際にできることは変わらないと思います。

2万円台で購入する意味があるか疑問

米国の現地価格が150ドル程度、日本での販売価格が2万円台前半、実際には割引などがあって2万円ちょっとに落ち着くと思います。

ただ、2万円でこの性能を買うならば、GTX1650SUPERの中古を狙ったほうがお得かもしれないですね。GTX1650SUPERはネットオークションならば2万円ちょっとで購入可能です。

もう少し早くリリースされていればコスパをアピールできたかもしれませんが、GPU価格が落ち着いてきている今、存在感を示すのは難しいと思います。

それでも、古いPCの簡易的なアップグレードならば問題なさそうですね。

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