主要なパソコン向けモニターには、TNやIPSといった種類がありそれぞれ応答速度や視野角の狭さ、コストパフォーマンスなど一長一短があります。
中でも色の再現性という面ではIPSが根強い人気がある一方で、最近では新たに量子ドットディスプレイも登場しており注目を集めています。そこで今回は量子ドットディスプレイの特長についてご紹介します。
従来のカラーフィルターではなく、色を直接操作する量子ドットディスプレイ
主流のTNやIPSディスプレイはバックライトの光をカラーフィルターで通過させることで色の再現を行っています。この方法は純色の再現性が苦手で、中でもグリーンやレッドカラーが不得意とされています。
一方、量子ドットディスプレイは量子ドットフィルターでバックライトの光を変化させるという手法で色を再現します。色は光の波長で変化するため、この波長を直接的に変化させてしまうというのが量子ドットディスプレイのメカニズムです。
カラーフィルターでは減少する光量も量子ドットディスプレイでは本来の光量を維持
カラーフィルターでは不要な色(波長)を全てカットしてしまい、その分明るさは失われてしまいます。しかし量子ドットディスプレイの場合は、不要な波長の光も必要な色の波長へ変化させて再び使用することで光量が維持されます。
同じバックライトなら量子ドットディスプレイの方が無駄がなく、より明るいという理由からパソコンモニターだけでなくテレビでも注目されているのはこのためです。
酸素に弱く有害物質であるカドミウムの使用が課題
良いこと尽くめのようにみえる量子ドットディスプレイですが、耐久性や製造に関する問題がないわけではありません。耐久性の点では酸素に弱いという弱点があり、旧来のIPSモニターを超える耐久年数を期待できるかは不透明です。
また高品質な量子ドットディスプレイには有害物質であるカドミウムの使用が避けられず、国際的にも使用制限が厳しい有害物質を使用するに辺り廃棄時のコストや環境汚染という懸念も払拭できていません。
すでにカドミウムを使用しない量子ドットディスプレイも存在しますが、最大のメリットである色の再現性が弱く今後の製品開発に期待せざるを得ません。
量子ドットディスプレイは複数の方式があり特性も異なる
量子ドットディスプレイは登場してから日が浅く、各メーカーごとに様々な方式が存在しています。中には色むらや明るさが不均一など旧来品よりも低品質な製品もあり、画面サイズが大きいほど高い技術が要求されるため大画面の製品を選ぶ際はどのメーカーを選ぶかが重要です。
まとめ
登場して日が浅いにも関わらずパソコンモニターやテレビ用の量子ドットディスプレイは急速に増えており、色の高い再現性と明るさからDTPなど産業分野だけでなく個人ユーザーにも需要があります。
より多くの色の再現性が求められるHDRでも量子ドットディスプレイは有利な面がある一方で品質や環境性能といった課題も残っており、今後の動向に要注目です。
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