ゲーミングPCは「コスパ」と「拡張性」が大事であるとよく言われます。コスパはつまり価格性能比のことで、価格に対して性能が高いものを選びましょうということ。
しかし、「拡張性」とは何を指すのでしょうか。素直に考えると「グレードアップや改良のしやすさ」ですが、具体的にどのようなポイントに注目すべきかはあまり知られていません。
そこで今回は、ゲーミングPCの拡張性について具体的に解説します。
ゲーミングPCの拡張性=「スペース」「接合点の数」
結論から言うと、ゲーミングPCの拡張性とは「パーツを追加するためのスペース」と「パーツを接合できるポイントの数」に行き着きます。
スペースは拡張のすべてに影響
スペースとは、文字通り空間的な余裕です。ITXよりはMicroATX、MicroATXよりはATXという具合に、マザーボードとPCケースが大きくなるほど拡張性は増します。
ファンを追加するのも、グラボを大型のものに交換するのもスペースが無ければできません。また、空冷の場合はPCケース内のエアフローが多いほど冷却能力が増すので、エアフローを確保できるだけの空間も必要です。
接合点=マザーボード上のスロットなど
2つ目の接合点ですが、これはもうマザーボードの仕様に依存しますね。
具体的には、
・メモリスロットの数と搭載可能容量
・PCIeスロットの数と最大レーン数
・PWM対応Sys_FANの数
・SATAの数
などでしょうか。これらが多ければ多いほど拡張性は高くなります。
メモリスロットに関しては、メモリ1枚当たりの容量が大きくなったので4スロットもあれば十分すぎますね。
一方、PCIeスロットの数とレーン数については、M.2 SSDの普及でちょっと足りない場合もでてきました。これに関連して、M.2 スロットの数も重要なポイントになりそうです。
今後はストレージがどんどんM.2 SSDに移行していくと思うので、拡張性を考えるならば2個以上のM.2 スロットを持つマザーボードを選びたいですね。
あと個人的に重要なのがSYS_FANの数。ケースファンはマザーボード上のSYS_FANと記載されたピンにつなぐわけですが、これが2~3か所あると冷却性能と静音性を高めやすいです。
大型のケースファンを複数搭載し、低回転で十分な風量を確保しやすいので、温度管理が非常に簡単になります。
拡張性の確保はケースから
マザーボードはCPUの世代交代とともに入れ替える必要がありますが、ケースはその必要がありませんよね。
実はPCケースは、マザーボードを設置する穴の場所さえ一致していれば、5年でも10年でも使い続けられます。
実際、私のメインPCは6年以上同じケースですが、中身は3回ほど入れ替えています。それでも拡張性に問題はありません。
拡張性を気にするならば、
・Micro ATXマザーボードが搭載できるサイズのPCケース
・アルミやスチールで密閉性が高いケース
・前面、天板、底面に大径ファンを設置できるケース
がおすすめですね。見た目は地味ですが、サイドパネルはアクリル製でないほうが冷却性能は上がりやすいと思います。(金属の面積が大きいほど放熱しやすいため)
また、ケースファンは3個~5個程度設置して、低回転で回すと静かでよく冷える環境が出来上がります。ということで拡張性の優先度は1にPCケース、2にマザーボードという点を覚えておいてください。
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