グラボの性能はベンチマークスコアで表現されます。確かにベンチマークスコアは便利なのですが、その根拠となる情報も把握しておきたいところ。
ここでは、「グラボのスペック」に焦点を当てて、関連用語を解説していきます。知識の整理や統一のために使ってみてください。
VRAM(Video Random Access Memory)
グラボのスペックで性能に影響を与えやすい情報といえば「VRAM」の搭載量ですよね。
VRAMはグラボに搭載されるメモリで、画像やテクスチャ、フレームバッファなどのグラフィックデータを一時的に保存するために使用されます。
VRAMの容量が大きいほど高解像度のテクスチャや複雑なシーンをスムーズに処理できるようになっていきます。
同じグレードのグラボでも3GB版と6GB版などVRAMの違いによってランクが分かれることもあるほど。ゲームや動画編集など、グラフィックを多用する作業において最も重要な性能指標のひとつです。
GDDR(Graphics Double Data Rate)
GDDRはグラフィックカード専用のメモリ規格であり、VRAMとして使用されます。
高速なデータ転送が可能で、グラフィックカードが要求する大量のデータ処理を支援できる点が特徴です。
現在つかわれているGDDRのバージョンには、「GDDR5」「GDDR6」「GDDR6X」などがありますね。最近はGDDR5をほとんど見かけないので、GDDR6以降が主流でしょう。
数字が大きいほど新しく、高速で効率的なメモリであることを示しています。
PCI Express / PCIe
PCI Express(PCIe)は、グラフィックカードをはじめとする拡張カードをマザーボードに接続するためのインターフェース規格。
PCIeはそれ以前に使われていた「PCI」や「AGP」に比べて高速であり、大量のデータを効率よく転送します。現在の主流はPCIe 3.0および4.0で、最新のPCIe 5.0も登場しています。
PCIe レーン数
PCIeレーン数は、データ転送が行われる並列回線の数を表します。
1レーンにつき2つのペア(送信と受信)で構成され、x1・x4・x8・x16などがありますね。
グラボでよく使われるのは「x16レーン」です。レーン数が多いほど、データ転送の帯域幅が広くなり、グラフィックカードの性能に直接影響を与えます。
CUDA(Compute Unified Device Architecture)
CUDAは、NVIDIAが開発した並列コンピューティングアーキテクチャで、GPUの計算能力を活用して汎用計算を行うための技術。
CUDAコアは、GPU内で演算を担当するプロセッサの総称です。多くのCUDAコアを搭載したグラフィックカードは、複雑な計算処理を高速に実行できます。
特に、科学計算、AI、機械学習、3Dレンダリングなどの分野ではCUDAコアの数と質が重要な役割を果たします。
メモリ インターフェイス幅 / バス幅 / 帯域幅
メモリインターフェイス幅とバス幅は、GPUとVRAMの間で同時に転送できるデータの幅(ビット数)を示します。
一般的には128ビット、192ビット、256ビットなどがあり、インターフェイス幅が広いほど多くのデータを同時に転送できるため、グラフィック処理能力が向上します。
また帯域幅(Memory Bandwidth)は、1秒間に転送できるデータ量を示し、GB/s(ギガバイト毎秒)で表されます。
高い帯域幅は、複雑なグラフィック処理や高解像度のゲームなどでの性能向上につながります。
帯域幅は、「メモリクロック × メモリインターフェイス幅 × 2(データ転送のダブルレート)」で計算されます。
グラボの性能は多面的に決まる
グラボの性能はGPUコアの世代で決まると考える方も多いですが、こうしてみるとさまざまな要素がありますよね。
すべてを網羅することは難しいですが、「グレードや名称が似ているけど何が違うのか?」の判断には役立ちます。ぜひ参考にしてみてください。
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